表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢は現代世界に転移する!?  作者: リンリン
少年、親の再婚により引っ越し
2/40

主人公は引っ越しをする!?



「再婚? いいんじゃん?」


 空は『俺には関係ないことだ』と割り切り

喜ぶ母親にそうサバついた精神で答える。


「今回は相手側も子供がいてね?」

「ふーん。どうでもいい」


 強いて空の気になる事と言えば、引っ越しを急に言われて訳の分からないまま引っ越し作業を手伝わされてることぐらいだろうか。


 ・・・・腕が痛い。


 空は、休憩する母を睨みながら冷蔵庫を運ぶ。


「頑張ってー」

『ふざんけな!!』


 心の中で叫びつつ、空は冷蔵庫をトラックに乗せて引っ越しの準備が終わったことを意味させる。


「じゃあ、行くわよー」


 母は、トラックに乗り込み運転を開始した。


 臭っ。

車に乗ると母の煙草の匂いが広がる。


「うっわ、消臭剤効いてない。ごめんね、空」

「いいよ。気にしなくて」


 鼻が曲がりそうな匂いを我慢しながら、窓を全開にしてトラックの助手席に乗る。


 すると、エンジンが掛かるとともに母の好きな昭和に流行ったような世間一般が古いと呼ぶ曲が、トラック内に響いた。


 空はそれに合わせてイヤホンを装着し自分の好きな曲を聴きながら、シートベルトを着用する。


「じゃあ、行くわよー」


 慣性に体を引っ張られた。


『引越しか』


 遠くに引っ越すわけではないが、空のかなりの時間がこの場所では流れている。

 愛着を抱くなと言うのは難しい。


「クーラーつけるね」

「ん」


 勝手につければいいものの母は、わざわざ空に聞いてからトラック内の画面をいじり、冷房のボタンを押す。


 すると、タバコの匂いが抜けたこともあってか、クーラーからは夏を感じさせる懐かしい様な匂いが空の鼻を撫でた。


「俺、この匂い好きだわ」

「ホコリの匂いだよ?」

「・・・・・やっぱ、なんでもない」


 空は、外を眺めて溜息をつく。

 記憶を探るのも面倒になるほどに。色々なことが起きた。


 大学では一人暮らしをさせてもらう為か、

空は新たな生活への期待は対してせずにいた。


 時間が過ぎるに連れて、空は記憶にある景色を置き去っていく。

 そして、記憶ない目新しい景色が写り始める。


 見た事のない景色に不自然に胸が躍る。

期待はせずとも初めて見るものを眺めるのは楽しいものだ。空はそう心の中で言い訳しつつもフッと微笑む。


「それで相手さんはねー」


 空は車体のドアに寄りながら惚気を始めそうな母を遮断する様に即座に音楽の音量を上げて、目を閉じる。


 しかし、それを拒否する様に母はイヤホンを空の耳から外す。


「そしたら、あの人何って言ったと思う」


 空は馴れ初めなど聞きたくないので再びイヤホンを耳につけようとすると腕が掴まれる。


 母は聞かせたい様で断固として譲らない。


「くそっ」

「聞きなさいっ!!」


 結局、自分の親の甘々でむせかえりそうになる惚気話を聞かせながら


 数十分経った頃、景色は止まる。


「はい、ついたよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ