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王子妃の失った記憶の先に  作者: まるねこ
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12歳までの私と彼の関係

 ここは、邸の庭・・・?


ガゼボには小さな2つの影。近づいてみると、私だわ。


「ライ!この本は私が一番大切にしている話なの。王子様は悪い魔女からお姫様を助けてくれるの。」


もう1人は小さなライリー様だわ。今は過去を覗いているのね。自分の記憶を第三者のような感覚で見ている。私はライリー様をライと呼んでいたのね。


とても仲が良さそうだわ。


「僕は王子だからお姫様のシエナを悪い魔女から守れば良いんだね。」


2人の間に流れる空気は懐かしく、温かい。


すると場面が切り替わる。


「ジュリアどう。素敵でしょう。ライが私のために初めてドレスを贈ってくれたの。」


初めて着飾って興奮しながらも喜んでいるわ。


「お父様は今日も来ないのね。1人でお城の舞踏会に参加しなきゃいけないのは嫌よ。ジュリア、一緒に来て頂戴。」


「大丈夫ですよ。ライリー殿下が入り口で待っていて下さるそうですから。」


そうだわ。初めてライリー殿下の婚約者として王宮の舞踏会に参加したのよ。お父様は仕事で帰る間際に挨拶しただけだったわ。


 少しずつ欠けている記憶が蘇る。舞踏会でライと踊るダンスは楽しくて仕方がなかった。いつもライは私の側にいてくれたし、私はライが誰よりも好きだった。


お父様は仕事で忙しく、年に1度私と顔を合わせるかどうかだったのね。私の周りにはいつもジュリアと執事のカレブ。


邸の侍女や従者達が優しくて寂しくはあったけれど、辛くは無かった。




 目を覚ますと鳥の鳴き声がする。まだ日も昇り始める時間。少し肌寒い朝を迎えていた。少ししてからジュリアは部屋に入っていつも邸にいた頃のように準備をしている。


私はジュリアやカレブに12歳までの記憶を取り戻した事を告げる。ジュリアは少し動揺していたけれど、邸の皆は変わらず私と接してくれている。


父はやはり仕事が忙しいようで王宮へと昨晩帰ったようだ。それからの数日は何事も無く、穏やかに過ごす事が出来た。

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