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28.3つの試験



「――騒がしいな」


 ――アルトとボン・ボーンのスキル対決に湧いていた闘技場。

 しかし、そこに突然厳かな声が響いた。


 現れた一人の男。

 黒髪で、年齢は30代中頃といったところか。


 特別若い印象も老けた印象もない。

 だが圧倒的に落ち着き払っている。

 鎮まり返っているべきかもしれない。


 先ほどまで騒いでいた生徒たちも一斉に静まり返った。


「私は今期から選抜課程隊長を拝命したアーサーだ」


 教官がアーサーという名前を名乗ると、生徒たちは思わず息をのんだ。


「まじかよ。あのアーサー隊長?」


「史上最年少で隊長になった<鬼才>だろ?」


 後ろの方で生徒たちがつぶやいた。


 アルトは彼のことを知らないが、どうやら騎士の世界では有名人らしい。


「さて、さっそくだが。騎士試験について説明する」


 アーサーがそう言うと、生徒たちはつばを飲み込んで聞き逃すまいと集中する。


「試験は個人戦、ダンジョン戦、そしてチーム戦の三回ある。その中で、私が水準に達していると思えばエンブレムを渡す」


 それはアルトが王女から事前に聞いていたとおりの内容だった。


「エンブレムも全部で三つ。努力のエンブレム、対応力のエンブレム、そしてチーム力のエンブレムだ。即ち、基本的には三つの試験でそれぞれで一つずつ集めていけば、それで事足りる。しかし、一つの試験で力を認められれば、複数のエンブレムを出すこともある。もっともあくまで制度上はということだから、最後の試験だけ頑張って一気に三つエンブレムを取ろうなどとは考えないように。一つ目の試験で頑張れないやつが次に頑張れる可能性はほとんどないのだからな」


「(騎士の中でもとびぬけてエリートな隊長に認められないといけないってことか……)」


 アルトは改めて簡単ではないなと認識する。


「最初の試験はさっそく明日から行う。個人戦では君たちにお互いに戦ってもらう。組合せは当日発表する。それでは今日は以上だ。解散」



 †


 ――その日。

 王宮のある部屋。


「計画は着々と進んでおります、王子様」


「そうか。それはよかった、ボーン伯爵。貴殿の活躍には期待している」


「はい、王子様。しかし気になるのは王女様の動向です。騎士選抜課程に推薦した者を送り込んで、仲間を増やそうと思っているようです」


「取るに足らない存在ではあるが、つぶしておくに越したことはないな」


「その通りでございます。ご安心を。我が息子ボンが同時に試験を受けております。必ずややつを叩き潰してみせます」


「よし。期待しているぞ。その暁には貴殿の息子も我が陣営に加えようではないか」


「……ありがたき幸せ!」



 †


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