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22.王室からのクエスト




 アルトは王室から受けたクエスト遂行のために、王都の隣街の郊外にあるダンジョンへと足を運んでいた。


「よし、頑張るぞ……」


 アルトが挑むのは鉱山型のダンジョンで、最奥部にある宝箱を取りに行くというクエストであった。


 ――このダンジョンが、いわくつきの場所であった。


 かつて冒険者たちが、このダンジョンのSランクボス攻略に挑んだ。

 そして壮絶な戦いの末、結局ボスの強力な生命力を前に倒しきることはできなかった。

 しかし、なんとかボスを封印することには成功した。

 ――封印さえできれば害はないので、そのまま長年放置されているのである。



 今回のアルトの任務は、ボスを倒すことではなく、ボスの間にある宝箱を取りに行くことであった。

 ボスは、もともといたボスの間とは別のところに封印されているので倒す必要はない。

 しかし、そうはいっても高難易度ダンジョンだ。道中のモンスターはAランクのモンスターばかりである。攻略は簡単ではない。

 

「よし、頑張るぞ」


 アルトは頬を軽くたたいて気合を入れてから、ダンジョンへと足を踏み入れた。



 †


 ――アルトがダンジョンに入る数時間前。


 鉱山ダンジョンの入り口に、数人の男の姿があった。


 ――エラソー隊長と、その部下たちである。


 エラソーは、宮廷の役人に金を積んでアルトがやってくるダンジョンを聞き出していた。

 そこで彼を妨害するために、やってきたのである。


「隊長、ここってボスが封印されてるSランクダンジョンですよね……」


 部下が不安そうな表情を浮かべる。


「心配するな。モンスターを倒す必要はない。ダンジョン一階の奥に行って帰ってくるだけでいいのだ」


 エラソーの作戦は単純だった。

 アルトよりさきにダンジョンに入り、封印されているボスを解放し、アルトの邪魔をするというものだ。


「(いくらアルトでも、Sランクのボスは倒せまい……)」


 エラソーは内心でニヤリと笑う。


「お前たち、行くぞ」


 エラソーは、意気揚々とダンジョンへと入っていった。


 モンスター討伐を目的とはしていないので、モンスターと会うたび、煙幕を張ってその場を通り抜けていく。

 時折どうしても戦闘になってしまうが、部下からのヒールと大量に持ち込んだ高級ポーションでしのぎ、どんどんダンジョンを進んでいく。


 一行はダンジョンを走り抜け、ボスが封印されている場所までたどり着いた。


 スキルで土を練り上げ、即席で作られた扉によってボスは封印されていた。

 扉自体には大した力はなく、入り口に張られた結界がボスを封じ込めている。


「よし……お前ら、魔法でその扉を攻撃しろ。外側からなら簡単に壊れるはずだ」


「で、でも隊長。ここってSランクのボスが封印されてるんですよね? まずいんじゃないですか?」


「つべこべ言うな。さっさとやれ。じゃなきゃクビだぞ?」


 クビと言う言葉を聞いて部下たちはハッとする。


「安心しろ、すぐ逃げれば大丈夫だ」


「……わ、わかりましたよ!」


 一行は攻撃スキルを発動し、扉にかけられた結界を破壊する。


「……よし、やったぞ!」


 エラソーは扉が開かれたのを見て、笑みを浮かべる。


「グァァあぁぁぁッ!!!!!」


 すると、中から低いうめき声が聞こえてくる。


「よし、お前ら、逃げるぞ!!」


 ――エラソーたちはボスを見ることもせず、すぐさま逃げ出すのであった。


「(ふひひ、これでアイツもおわりだな……)」


 †


「……えっと、こっちはちょっとモンスターが多いか」


 アルトは、探索スキルを常に複数並行で走らせ、なるべく敵の少ないルートを選びながら進んでいた。

 目的はモンスターの討伐ではないので、余計なモンスターと戦うのは得策ではなかった。


 鉱山ダンジョンは、複雑に入り組んでいたが、事前にもらっていた地図があったので、特に迷うようなことはなかった。

 モンスターを避けながら、進んでいく。


「よし、この先に第二階層への道があるな」


 だが、その時だ。



【――――警告。この先にSランクのモンスターがいます】


 探索結果が通知される。


「……Sランク……!? ヤバすぎるな」


 Sランクは、一流の戦士である騎士でもそう簡単には倒せない。


「(いくらオートマジックの力があるとは言え、Sランク相手には歯が立たないだろうな……)」


 アルトは瞬時にそれを理解し、方針を決める。


「こっちかな」


 アルトは、方向を転換し、Sランクモンスターと遭遇しないようにルートを選ぶ。


「あっちも魔力を検知して俺を追ってくるかもしれないけど、全力で逃げれば大丈夫だろう」


 アルトは迷いなく、道を進み始める。


 ――アルトの探索能力を舐め切っていたエラソーの当てが外れた瞬間であった。


 †


「グァァァ!!!」


 ボスは低いうめき声をあげ、重たい体を持ち上げてゆっくりと歩きだす。


 エラソーたちには見向きもせず。


 ――――強大な力を持つアルトのほうへと向かっていく。

 しかしアルトの移動スピードには追い付かず、アルトはそのままクエストを終えてダンジョンを後にする。

 

 すると、さらにそれを追いかけてボスも外の世界へと向かっていくのだった――


 †


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― 新着の感想 ―
[一言] なんというか、1コマが大きくてパースやデッサンのズレた漫画を読んでいるような気分です。 展開だけを重視しているためクオリティが低すぎます。 この作品に例えるのなら、エラソーが小説を書けばこの…
[良い点] よくある俺強ぇぇぇ系の小説ですが、文章量も少なくテンポも良く読みやすいです。 ですが今あげた点は内容が薄いという評価と紙一重にあり、この作品も同様です。 物語の設定はワクワク感を感じますが…
[気になる点] 宮廷の人間が金で動いちゃダメだろ… 王室からのクエストなら、それなりに地位が高い人しかクエスト内容知ってないだろうし。
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