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8/12

-気が楽になると周りが見えてくるものですね-

更新が遅くなりました…

ぼちぼち頑張ります!

エリーシア様達と出会ってから私の精神衛生は大分回復したらしい。

カーリス達に勘づかれたら厄介なので彼らの前では最近の通り従順にしていたが(彼らが私の変化に気付くとは思わないけど念のためである)ふと周りを見ると私の事を心配してくれている人がいることに気付いた。


あの後、まずエリーシア様達を信じて王宮の侍女さんと護衛さんに久々に声をかけてみた。


カーリスに報告が行くと思うと声を掛けれなくなった。申し訳無かったと謝れば


侍女さんには


「滅相もございません。こちらこそこの様におやつれになってもお力になれず誠に申し訳ありませんでした。これからはしっかりと身体を戻して参りましょうね?」

と泣かれて

(気付かなかったが大分私はやつれていたらしい。)


護衛さんには


「護衛として御守りする身でありながら信頼を得る事が出来ず、私どもの不遜をお許し下さい。御詫びにこのクビを………」

と言いながら腰にある刀を抜きそうになったので侍女さんと全力で止めさせて頂いた。

(騎士さんの忠誠心の恐ろしさを身に染みて感じた。)


また、王宮の祭壇にいる最高司祭様とも久しぶりにお話してみた。

この方はとても優しいおじいちゃん司祭で、良く世間話をしながら祈りの後にお茶をする仲だったのだ。

しかしアカデミーに入ってからカーリス達にお茶の時間を無駄だと罵られて以降、挨拶しか出来なくなっていた。

今でもお茶は出来ないのでカーリスが迎えに来るまでの短い時間ではあるが、また世間話をして二人でまったりさせて頂いている。

まるで全てを分かっているかの様に包み込んで下さる司祭様の瞳に癒される今日この頃だ。



まあ、色々とあったが私の王宮での心の平穏は少し取り戻せた。

エリーシア様々である。





そして私にはいくつか日課が増えた。



まずは日記を書くことである。


今まではカーリス達のあれやこれやを書いて侍女さん達に万一見つかり、チクられたら一貫の終わりだと思っていたので下手に書けなかった。

だが侍女さん達が味方なら話は別だ。

逆に記しておく事は大事らしい。

(特にモラハラやらDVやらは書いておいた方が良いとニュースで特番していた。まだ高校生だし、とか、本当にこんな人いるの?とか思いながら見てたのでまさか自分が知恵を活用する日が来るとは思わなかった。)


次に毎日のマナー研修である。


エリーシア様達が助けてくれるXデー(王宮舞踏会)(聖女)のお披露目をする事が決まり、必要最低限のマナーを叩き込んで頂く事になった。

侍女さん達に教えて貰おうとしたが、なんでも聖女の位は王妃様と同様かそれ以上に匹敵する為普段使うマナーでは対応出来ないんだとか…

何が悲しいやらお妃様になる訳でも無くお妃様マナー教育を受ける事になってしまったようだ。

(心の底からお妃様なんてならなくても良いんだけどね。)

ついでに舞踏会が終わればこの様な公務も増えてくるとの事なのでずっと継続で講師が付くことになった。


ああ、これをカーリスに報告したらまた怒られるのか…


アカデミーから王宮へ戻ってからも完全に自由が有るわけではなく、時々気紛れの様にカーリスに呼び出しを喰らっていたので

(聖女との仲良しアピールをする為らしい。流石に王宮では公に虐めたりされないし取り巻きが減るので少し気が楽だが面倒くさいことこの上無かった。)

怒られるのではと内心ビクビクしながらアカデミーでカーリスに報告をすると意外にご機嫌で快諾された。


「妃のマナー教育をねぇ。ふぅん。アンナ嬢が………そう言えば最近言うことも聞くようになってきたし、私の為に頑張る姿は嫌いじゃないよ。良い心がけなんじゃないかい?まあ、精々私の為に頑張るんだね。ああ、そうだ。ダンスの稽古の時は必ず私を呼びなさい。私は自分のモノに手を出されるのが嫌いだからね。」


と何やら意味不明な事を言いながらニヤニヤしてたので気持ち悪かったのを良く覚えている。

加えて


「アンナがそのつもりなら私も動いてあげなければならないね。あの堅物よりは都合が良いし、サイラス、君は宰相である父君を見張っておけよ。コニックとガリオンは次の休みに私の王宮サロンへそれぞれ父君をご招待しよう。手配しておけ。」


と意味深な事を言っていたので早速エリーシア様達に頂いたボイスレコーダーもどきに録音してアカデミー教会での集まり時に報告してみた。



すると



「ふっ、…ふふっ、確かにカーリス様はニヤニヤしながらその様な事を申されましたのね。」


エリーシア様が扇子で顔を隠しながらプルプル震えている。

可愛い……


「ぷっ、し、失礼しましたわ。で、でも、無理、笑いが止まりませんわ。特に途中からいきなりのアンナ呼び!勘違いにも程がありますわっ…」


シャーリー様、扇子が意味を成しておりません。


「あ、あんまり笑うと流石に不敬ですかしら?まぁ止められませんけど!それにしてもこのボイスレコーダーは素晴らしいですわ!!エリーシア様良かったじゃありませんの!!良い感じに作戦を進められそうですわね。」


メイルーシェ様、普段飼っておられるおしとやかな猫が旅にでてます。


そしてリリー様、言葉になっておりませんよ。

あっ、机を扇子で叩いてはいけません!!

「ぷっ、まじ、傑作だわ!」

なんてはしたない事は言ってはいけません!

聞こえてますよ!


「え、ええ、そうね。ふふっ、あ、アンナ様、ごめんなさいね、折角、報告して下さったのに笑ってしまって。本当に、素晴らしい情報ですわ。」


「あ、あの?皆様どうされたのですか?」


「くくっ、聖女、お前分からんのか、くっ……、あのバカ王子、最高だな、良い、お前そのまま知らんままでおけ。そっちの方が面白い。それよりもお前は本当に不憫な星に産まれたなぁ。まあ、そこのお嬢様達が阻止してくれるから安心しろ。」


「え?ユート司祭様?」


阻止、って何!

不憫な星に産まれたってのは否定できないけど何の不憫が追加されたの?

皆一斉に笑ってないで教えて!


「アンナ様、今回の情報はとても重要なモノになりそうですわ。早速シリウス殿下にもお伝え致しますわね。そしてユート司祭様の言う通りアンナ様は知らないままの方が良さそうですわ。知ってしまったら今後の作戦に支障が出そうですし…」


「でも安心なさいませ!必ず阻止致しますからね!」


…………そんな感じでアカデミー教会での祈りの時間(別名被害者の会)はにぎやかに過ぎていった。




 






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