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-聖女になった私-

このお話を見つけて下さった全ての方に感謝申し上げます。

「いい加減にして下さい!!誰がその方を断罪して欲しいと言いましたか!!もうイヤですっ…誰か、助けてっ……」


わぁーーーーー!

と泣き出し崩れ落ちる私、橘木杏菜(きつきあんな)は召還された聖女でした。




------------------------

遡る事半年前、私橘木杏菜16才は高校の帰り道に所謂異世界召還なるものをされたらしい。

気が付けばアニメで見るようなファンタジーの世界、そのお城の王様の謁見の間らしき所で歓声を聞いたのが始まりだった。


王様や側近の方にいきなり聖女だと言われ、

この世界を救ってほしいと言われ、

祭壇で平和を祈るだけで大丈夫と言われ、

元の世界に戻れないと言われ、

貴女の人生を奪ってすまない、安全は確保すると言われ、


気付けば王家の後ろ楯のもと、毎日祭壇で平和を祈る日々を続ける事になった。

あの頃はまだ幸せだった。

王様も宰相様も心を砕いて下さったし側に付いてくれたメイドの皆様も護衛だという騎士団の皆様も優しくしてくれた。

生活が一変して不安定な私に本当によくしてくださった。

幸いお祈りするだけだったから痛いことも怖いことも無く、他に何かを強要されることも無かったから少しずつ国にも馴染み、笑顔も増えていったと思う。

召還されて3ヵ月が経過する頃にはこの国に骨を埋める覚悟も、自ら聖女として国の為に祈る事も出来るようになっていた。

私の祈りは神に届いているらしく、私が来てから災害続きだったこの国はとんと平和になり、魔物も減り、(この世界には魔物がいるらしく私の祈りの強さで国の結界の強度も決まるらしい)また、作物も順調に採れているらしい。

王様と王妃様に

「滅亡寸前の我が国が着々と復興出来ている。凶作で飢える民も災害で命を落とす民も魔物に襲われる民もグンと減っている。貴女のお陰だ。本当にありがとう。」

と涙ながらにお礼を言われたときは心から嬉しかったし自分の存在意義を認める事が出来た。


そんな私の生活が再び一変してしまったのは3ヶ月前の事であった。

祈りの効果も落ち着き、私も世界に慣れつつあるのでアカデミーに通ってみてよりこの世界について学んでみないか?

と王様に言われたことがきっかけだった。

私も年が近い友達が欲しかったし、祭壇と自室の行き来だけの生活よりは外の世界も見てみたかったので二つ返事で了承した。

しかしここで私は(ある意味最悪な)運命の出会いをしてしまうのである。


「アンナ嬢がアカデミーに入られるなら私が案内役を務めよう。」


そう言って私に手を差し伸べたのはこの国の第一王子であるカーリス様だった。

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