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第十五章 〜ラズラートゥ・ミア〜





 樹楊はサラを連れてスクライド場内にある書架に来ていた。着替えがなさそうなサラには、まだ背の丈が小さな時の戦衣を着せているが、それでも大きいようだ。

 袖からは指先が出ている程度で、裾は引き摺っている。何度か裾を折り曲げてやったが、歩いている内に元に戻るので面倒になって放っとくと、書架に着く頃には綻び出していた。


 書架は三つのカテゴリーに分けられていて、その内の一室である古代の記録が保管されている第二書架に樹楊は足を運んだ。第二書架に保管されている書物はどれも歴史を感じさせるほど古く、中には字が滲んでいるものやページが破れているものもある。

 しかし、いくら書物が古いとは言え、室内は手入れの行き届いた綺麗な部屋だ。


 漆塗りの本棚に古書が納められていて、誇り臭ければそれなりの趣がある空間を演出できるのだろうが、生憎この部屋は白を基調とされた清潔感溢れている部屋。本棚も薄っすらと青味がかった白い本棚だ。そこに古書が収められていると、冠婚葬祭の時にド派手な服を着ている奴みたいに浮いて見える。


 そして室内には清掃員のおばちゃんの性格がよく表れている。床には塵一つなく、ガラスにも曇り一つない。清掃員のおばちゃんは極度の綺麗好きで、樹楊が以前テーブルにコーヒーを溢した時、モップを片手に追い回されたほどだ。軽くトラウマになっていた。

 おばちゃんの影のあだ名は『埃喰らい』であるが、本人は知らずに今日も埃に目を光らせている。しかし、図書館ほどの広さの室内を一人で清掃している事に、城内の皆は感心してはいるのだ。


 古代に関する好奇心が人一倍強い樹楊だが、おばちゃんへの恐怖から中々足を運べずにいた。しかし、今はそんな事を気にしてはいられないとばかりに勇気を振り絞り、五感を研ぎ澄まし、その身体の全てを駆使しておばちゃんの気配を探り、冷や汗を落とす事でようやく室内に入る事が出来た。



 おばちゃんは怖いが木人とは何なのか知りたいし、サラがキスをしてきた時に発した言葉も気になる。サラに訊いても「言った覚えがない」と言う。だから朝早くからこの書架に来て、目に付いた書物を片っ端から調べ上げているのだが、その努力は虚しくも実らない。木人はおろか、獣人目の事を記された書物もない。

  大抵はソリュートゲニア大陸が誕生した辺りからの歴史を記した書物や、ソリュート人と燈神人の歴史など。


 あったとしても、この大陸にスクライドやクルードが出来る前に『ガーデル・ゼリー』という強大な一国が少しばかりの間この大陸を支配していた、と誰でも知っているような事を触り程度に記されているだけの書物。

 ちなみに樹楊が持つ万霊殺しの銃を違法と定めたのもその国の王であるガーデルその人なのだ。樹楊にとっては迷惑な奴でしかない。


 それ以前の事が記された書物もあるにはあるが、少し頭がいい学者が立てた憶測ばかり。

 どれもこれも、信じるに値しない書物ばかりだ。学者の独りよがりな憶測ほど下らないものはない。いくら古代に関する好奇心が旺盛でも、信憑性に欠ける本ばかり読んでいても面白くともなんともない。

 やはりスクライド城内に保管されている書物から調べるには無理があるようだ。


 昼を過ぎた頃には、樹楊の集中力が八割欠けていた。テーブルの上には、既に読んだ百科事典のような本が山積みになっている。


「キオー、お腹空いたっ。何か食べに行こうよーっ」


 ずっと暇だったサラが、背中から抱き着いてきて空腹を訴える。樹楊は頬杖を着いてページを捲りながら適当に相槌を打つ。


「くっふーっ。その適当な感じは酷いんじゃないかな?」


 サラは樹楊の首に巻き付けている腕に力を込めて、横目で睨む。しかし迫力は皆無。にゃんこがドックフードを見ているみたいだ。だがこれ以上適当にあしらっていると騒ぎかねない。書架内は静かにするのがマナーだし、サラが素直に従ってくれるとも思えない。

 樹楊は分厚い書物を溜め息混じりに閉じると、サラが満面の笑みを浮かべたのが視界の端に映った。ここで樹楊の悪戯心が疼く。


 樹楊がその本を開くと、今度は「そ、そんなっ」と、絶望的な表情を浮かべる。閉じると「だよね、だよねっ」と、また笑顔。


「くっははははっ。何だよ、お前。表情がコロコロ変わる奴だな」

 笑う樹楊にサラは頬を膨らませた。そして口を尖らせる。


「キオーは性格が悪いっ。何でそんなに私をいじめるのかな」

「悪かったよ。そんなに怒るな」

「許さないっ」


 どうやら完全に拗ねたようだ。しかし、抱き着いたまま離してはくれないらしい。

 

「悪かったって。どうしたら許すんだ?」


 サラは少しだけ考える素振りを見せ、悪だくみをしているかのような顔になった。

 しかし、次の瞬間には恋人を見つめるような愛おしい表情になる。


「キスしてほしいな」

「え、なっ、ここでか?」


「うん、ここで」

 サラは目を細めて唇を薄く開ける。


「おい、待てって」

「や。待てないもん……」


 誰も了承していないのに、サラはゆっくりと顔を近付けてくる。

 心の準備が出来ているわけがない。

 何もキスぐらいで鼓動を高鳴らせるほど純情だとは思っていなかったのだが、実際このように迫られると、どうしていいか解らなかった。

 したくないなら顔を逸らせばいい。だけど、そんな事も思い付かないほど動揺していた。


 もう、どうにでもなれっ。と目を強く瞑ると、口に柔らかい感触、通称パラダイスが当たる前に脳天に激痛が走る。いつの間にか背後に立っていた紅葉が剣を納めているホルダーでぶっ叩いたのだ。樹楊は堪らず頭を押さえてテーブルに突っ伏す。


「つおぉぉぉ……」

 強打だったのか、犯人は誰だと確かめる余裕もなく目に涙を浮かべていた。そんな樹楊に、紅葉は殺気を凝縮したような低い声を出しながら睨む。


「なーにこんな所で発情してんのよ、あんたは。バッカじゃないの?」

「こ、紅葉か……。星が見えたぞ、今っ」


 割れていそうなほど痛む頭を撫でながら振り返ると、今度は蓮が額に頭突きをぶちかましてくる。めこっという、固い物がへこんだ音がした。


「のおっ」

「んぅ!」


 自爆したらしい。蓮も樹楊と同じく額を押さえながら、開いた足の間にへなへなと腰を下ろした。若干涙目でぷるぷる震えている。こちらは被害者なはずなのに、そんなに健気に痛がられると申し訳なく思えてくるのは何時時代からの奇術なのだろうか。


「れ、蓮。無事か?」

「だ、だいじょび……」


 ぐっと親指を立ててくるが、とても大丈夫そうには見えない。

 若干鼻息が荒いし。



 サラはそんな三人をニワトリのような首の動きで順に見ていた。そして軽く柏手を打つと「あはーっ」と嬉しそうに頷く。


「ラクーンに聞いたよ。この子がソラクモの――」


 言い掛けた紅葉がサラと視線を合わせるなり、いきなり言葉を切った。

 そして片膝を着いて低頭。

 それを見ていた蓮も、サラを見るなり紅葉と同じ姿勢を取った。

 まるで主君に従う兵のように。


「ちょ、お前ら何してんだよっ。知り合いなのか?」

「なわけないでしょ? 解んないわよ」


 低頭していた紅葉は顔を上げると樹楊に困惑した表情を投げ掛ける。どうやら樹楊よりも動揺しているらしいのだが、再度サラを見る紅葉は優しく微笑んだ。


「どうしたんだよ? 蓮も。知り合いじゃないなら、何でっ」

 蓮はサラを不思議そうに見つめながら口を開く。


「……解らない。けど、暖かい人」

「うん、そうなんだよね。上手く言えないけど、私が従うべき人って感じなの」


 紅葉も蓮に続いて言った。

 二人は何だか納得しているが、樹楊の謎は深まるばかりだ。

 紅葉と蓮は、お世辞にも礼儀が成っているとは言えない。その二人が何でこんな行動に出るのか。……不可解だ。


「なあ、サラは知ってるのか? 二人の事」

「誰かは知らないけど、何なのかは解ってるよ」


 いつもの調子で答えるサラが次に喋った言葉に、思考回路は完全に狂った。

「この子達は私の子供なの」


 いえーい、と親指を立ててくるが、正直意味が解らないし解ってやれそうにもない。樹楊ばかりか、紅葉の顔も引き攣らせた。蓮に至っては死んだ魚のような目をして――いや、こちらは元々だ。


 腰に手を添えて胸を張っているサラと樹楊らの温度差が激しい。


「えーと、それはどういう意味、かな?」

 樹楊が答えを求めると、


「そしてキオーがこの子達のお父さんなのっ」

 と、これまた意味の解らない事を言って混乱に混乱を掛けてくる。


 それを聞いた紅葉は、あからさまに嫌そうな顔をするが、蓮は目を輝かせた。

「な、何だよ蓮」


 大好きな玩具を見つめる仔犬のような目で近寄ってくる。そして袖を弱々しく摘まむ。


「だでぃ……」

「違うっつーの」


 しかし紅葉は、

「蓮、やめてよ。水虫うつっちゃう」

「ばっ、俺は水虫じゃねー!」


「んじゃ、痔」

「……きょーくん、痔なの?」


 紅葉と蓮は両手を合わせあいながら距離を取る。根も葉もない事実なだけに、ちょっぴり傷ついた樹楊だった。それでもサラなら、と振り返ったが、それが間違いだった。

 サラは眉間にシワを寄せつつ鼻を摘まんで後退りしていた。


「アホかぁ! 臭くないわ、ボケ!」

「ちょっと! 何よ、それっ」


 サラは拳を作って下に振り下ろしながら憤怒する。頭の中に年中無休のお花畑を構成していそうなサラが、だ。ただふざけているだけなのに言い過ぎたか、と反省した樹楊は、つかつか歩み寄ってくるサラに頭を下げようと珍しく素直になりもした。

 サラは胸を押しつけてくると、指差してくる。顔は真剣そのもの。


「臭くないってどういう事よっ」

「そこかよ」


 サラは強く目を閉じて舌を出すと、ガラスを割った悪戯小僧のように逃げていく。

 安全圏に辿り着くなり、もう一度舌を出して挑発する事も忘れてはいない。


「へっへーんだ。悔しかったら捕まえてみろーっ。ばーか、ばぁぁぁぁぁぁぁぁっか!」


 きゃーきゃー言いながら逃げていくサラに、樹楊は嘆息。今年になって溜め息が激増した気がする。その分、笑う事も多くなったが。

 サラは追ってくる事を期待しているのかも知れないが、悔しくはないので追わない樹楊。遠くで悲鳴混じりに階段から転げ落ちる音がした気もするが、恐らく空耳だろう。


 次いで聞こえてきた謎の衝突音を、紅葉はさらりと無視しながら樹楊の隣に座ると頬杖を着く。そして樹楊を横目で見た。


「大体の事情は聞いたけどさ、不思議な子よね。まさか私が頭を下げるなんて思いもしなかったわ」


「それは俺のセリフだ」と紅葉に返し、挟むように座ってきた蓮に視線を向けると「いきなり膝着いて頭下げるなんてな。知り合いかと思ったぞ」


 蓮は少しの間考え、細々と話し出す。


「……アゲハが言うように、自分が従うべき人って感じがする。私自信何がなんだか解らなかったけど、本能がそう告げてきた」


 うん、と蓮は勝手に頷き、腕を枕にして顎を乗せる。遠くでは、清掃員のおばちゃんの怒鳴り声とサラの悲鳴が追い駆けっこしているような気もするが、多分の空耳だろう。


「あの子ってさ、昨日アンタの所に行ったんでしょ? その後はどうしたの?」


 紅葉が突き刺すような視線を樹楊に向けた。

 しかしその殺意に全く気付かなかった樹楊はそんな事かと思い、適当な声音で返す。


「朝まで一緒に寝てたよ」


 その瞬間、ぷちっという何かが切れた軽い音が蓮からしたのだが、ロウで固められた人形のように動かなかったので気にも留めずにいると、紅葉がテーブルを叩いて叱咤する。


「アンタ、見ず知らずの女とぬけぬけと! 節操ってものはないの!? まさか手を出したわけじゃないでしょうねっ」


 まるで稼ぎが少ない旦那の浮気を責める鬼嫁のような気迫に、樹楊は上体を引く。何も悪い事はしていないのに、全てを焼き尽くす地獄の業火のオーラを纏う紅葉が本気で怖かった。情けなくも「あわわわわっ」と震える口に手を添えてしまう。


「ちょっと待てって。俺は何もしてないっての。あいつが突然現れて、それでベッドに」

「ベッドに何! アンタは地べたにでも寝れば良かったんじゃないのっ? この駄犬!」


 ソラクモでは「駄犬じゃないよ」と優しく言ってくれたのに。しかも餅つきのように規則正しくテーブルを叩いている所為で、裏側にはヒビが入っている。

 今にも拳が飛んで来そうな勢いに負け、樹楊の上体は遂に蓮の身体を壁とした。


「落ち着けって、紅葉。俺は何もっ、つーかお前だって」

「何っ? ワ・タ・シ・がっ! 何!」

「お前だって俺と一緒に寝ただろうが!」


 苦し紛れに叫ぶ樹楊の言葉に紅葉はテーブルを叩こうと拳を振り上げたが、徐々に顔を赤らめると恥ずかしそうに引き攣った笑顔を見せた。そして今度は紅葉が上体を反らして距離を取ろうとする。


 しどろもどろに言い訳しようとしているが、事実な為何も言い訳が出来ない紅葉を見て、樹楊はようやく胸を撫で下ろす。しかし、ぶちぃ! と何かが切れた音が背後からした。今度の音は重く激しい。


 極めて大人しいはずの蓮の方を見ると。

「ふお!」


 純白の前髪の隙間から、ダークな視線を送ってくる蓮。

 いくらお釈迦様でも、蜘蛛の糸をしゃかしゃか登って来るのがこの蓮だとすれば鼻水を爆発させて躊躇いなく糸をぶった切るだろう。紅葉の迫力には汗を掻いたが、蓮の瞳は身を凍えさせる零下の殺気を纏っていた。


 そう言えばそうだった。

 ゼクトの話によれば蓮が自分に好意を抱いているとの事。自惚れるわけではないが、そんな気も薄々は感じてはいる。そんな蓮の前で「二人の女性と添い寝をしちゃいましたぁ」と言えば、このような状況になる事は解りきっていた事だった。てへっと自分の頭を小突いてみても駄目だろう。


「……きょーくん?」

「は、はい? どうした、蓮」


 逃げようとするが、腕をわしっと掴まれて叶わず。罠に引っ掛かった上、狩人に見つかった小動物の気持ちが今なら解る。孫が出来たら「女は狩人じゃ」と教えようと心に決める樹楊。

 悪知恵が働く脳を駆使し、目の前の死神から逃れる言葉をなんとか紡ぎ出した。


「こ、今度一緒に寝ようか? な?」


 一か八かで言った言葉だったのだが、どうだろう。蓮の怒りは空気の抜けていく風船のようにすぼまり、代わりに頭の天辺から一輪の花がぽんっと咲いたように見えた。

 ちょびっと可愛く見えたのは秘密だ。


 蓮はコクコク頷くと、紅葉をじーっと見てまた頷く。この伝達が通ったのかは解らないが、紅葉も頷き返している。

 凄惨な未来を己の手で変えた樹楊は、多大な徒労感を双肩に乗せて椅子に背を預けると、窓の外を見た。綿雪が微弱な風に揺られながら地に舞降りてきている。木々は雪をその手に乗せ、静かに眠っているようだった。


「木人って何なんだろうな。自然を父母とするって言ってたけど、それじゃ生まれてくるのも自然なはずだろ? 木やら花やら。でもサラは人と変わりない。それにお前等を子供と言って俺をお前等の父と言う。意味解らねぇな」


 樹楊が話し終えると静寂だけが流れた。外で振っている雪の音が聞こえてくる気もしたが、あり得ない事。三人は各々物思いに耽り、動こうとはしなかった。が、唐突に空腹の音が静寂を横切る。


 きゅるるるるぅっという、可愛らしい音。


 紅葉は樹楊を見るが、樹楊は蓮を見る。

 すると蓮は視線を合わせないまま、微かに頬を赤らめた。


「ね、ご飯でも行かない? お昼過ぎたんだしさ」


 紅葉が提案すると樹楊が頷きながら蓮の頭を撫で回し、子供を相手にするような口調で訊く。


「行くかっ。蓮は何が食べたい?」

「……ちむち鍋」


「キムチ鍋な。紅葉もいいか?」

「そうね。辛いのは好きだし、別に構わないわ。身体も温まるしね」


 三人は同時に立ち上がり、書架を出た。


「……今日はだでぃの奢り」

「今日も、の間違いだろ」


 蓮が頷くと、紅葉は頭を掻く樹楊の腕に抱き着いて悪戯な笑みを浮かべる。


「さっすがパパね。うんと甘えさせてもらうわ。欲しい服もあるのよね、私っ」

「お前が言うと、売る春を青春と呼ぶ女みたいに聞こえるから止めろ」


「ハァ!? 何よそれっ」

「……アゲハ、あばずれ」


 樹楊の手をしっかり握る蓮は、さくっと毒を吐く。


 笑い声を上げる樹楊に、青筋を立てまくる紅葉。しれっとしている蓮。

 この三人を傍から見ると、親子と言うよりは仲が良い兄妹のようだ。かなり遠くで清掃員のおばちゃんの説教が響いているが、この三人にとっては誰が何と言おうと空耳だった。



  ◇



 日が暮れるまで遊び倒した三人は、とあるダイニングバーに足を運んだ。この時点で樹楊の財布の中には寂しさしか詰まっていない。サラの意味不明な発言の所為で、紅葉と蓮にたかられまくったのだ。その大半は蓮の食費ではあるが。


「ねぇ、あのサラって子。何者なんだろうね?」


 樹楊が昼に訊いた事を返す紅葉は対面に座り、漆塗りの木製テーブルに頬杖を着きながら訊いてくる。その横顔が、この個室にある唯一の光――卓上ランプの淡いオレンジに照らされ、大人っぽさを引き立たされていた。


 樹楊も同じく横顔を照らされているが、こちらは犯罪者にしか見えないのはどういう仕組みだろう。樹楊のとなりに座る蓮なんか、微かな光しか当たらず、無表情な所為もあって本物の人形のよう。ちなみに、この時点で三人の脳内からは既にサラを放置した事なんか忘れている。


 樹楊が答えを返す前に酒と料理を運ばれ、三人はそれぞれのグラスを取り、その曲面を当て合う。すると氷がグラスの中でぶつかり合い、心地良い音を奏でた。

 一口飲んだ樹楊はグラスを持ったまま、紅葉の問いに答える。それは自分が持つ疑問に対しての答えでもあった。


「お前もラクーンの説明聞いたんだろ? そのままだろうが」


「そうじゃなくて」紅葉はグラスを置き「そうなんだけど、あの子と私達はどんな関係なのかなって事よ」


 それはサラが言った通りで『紅葉と蓮がサラの子供であり、樹楊が紅葉らの父である』という事だろう。しかしそれだけの言葉で答えというには霞が掛かっていて実態が掴めていない。納得するにはまだ材料が足り事は明白だった。


「さぁ、な。それは俺も知りたい。でも何もかもが不明なんだよ」

「そうだよね。あの子が嘘を吐いているなんて思えないけど、意味が不明だよ。アンタが私達の父さんって事」


 紅葉はまたグラスに口を着けると、半分ほど飲む。蓮は目の前にある、蒸し蟹と睨めっこをしていて忙しいようだ。時々、蟹の爪の間に指を躊躇いがちに突っ込んでみている。

 汗を掻き始めたグラスを持った樹楊は、飲もうと口を着けるが、何かを考えるように口を離した。


「スクライドの領地内にある書架で一番大きいのは、スクライド城の書架だ。調べるには限りがある。……でも」

「何か方法があるの?」


 紅葉は箸で器用に豆腐を摘まむと、その小さな口へと運んだ。いつの間にか蓮の前の蟹がスクラップになっていた。どうやら蟹を食べるのは苦手らしく、額には青筋が入っている。

 樹楊は自分の蟹を分解しながら専用の鋏で切り、食べやすいようにしてから蓮の受け皿に乗せてやった。このままでは時空から大剣を引っこ抜き、テーブルごとぶった切り兼ねないからだ。


「白鳳は昔から排他的な国だ。独自の研究やら歴史の解明に力を入れてるんじゃねーか、と俺は思っている。俺達が知り得ない事も突き止めている可能性はある」


 次々に乗せられる食べやすくなった蟹を、蓮はちまちま食べ始めてその合間に酒を飲む。ちなみにこれで六杯目の酒だ。紅葉は一杯目のグラスを開けると、呼び出しの音を聞いてやってきた店員に御代りをする。


「確かにそうかもね。でも、蓮の報告によれば発展途上の国とみえるんだけど、そこはどう思ってるの?」


 樹楊は蓮に対し素直に感心した。

 ただ単に食べ歩きの旅行感覚で着いてきたとばかり思っていたが、そうではなかったみたいだからだ。その蓮は蟹の爪の平べったい筋を引っ張ると鋏が動く事に驚いている。


「確かに発展途上でスクライドにも文化の遅れを取っている。けどそれが歴史の研究や解明に直結しているわけじゃねーだろ」

「そう言い切れるには何か訳でもあるの?」


「あぁ。実はな、あそこで食べた料理に猛毒の野草が使われていたんだ。俺はこれでも世の中に対する知識はある程度持っている。その料理を見た瞬間、顔が引き攣ったよ。でも同時にこうも思った。白鳳は――」

「きょーくん……かには?」


 話の腰を躊躇なく折る蓮は、蟹が目の前に運ばれて来ない事に不満を持ったらしい。

 蟹の爪の筋を引っ張って鋏を動かしながら要求してくる。


 樹楊は再度手を動かしながら話を続ける。

 蓮の対応にも慣れたものだ。


「白鳳は毒に関する解析と対応に優れている。俺達が見向きもしない毒草を適切に扱って料理にしているくらいだ」

「その程度、多少の知識があれば解るんじゃないの?」


「その知識はどこからくる? 知ってると思うけど、毒の扱い方に関してはどの国も手古摺っている。毒抜きは勿論、解毒もだ。それは何故か」


 問われた紅葉は箸を置くと、椅子に背を預けると腕を組んだ。そして十秒も考えない後に、口を開く。


「現在ある毒って、地殻変動前からあったモノが大多数を占めているって言われてるのよね? それって関係あるの?」


 樹楊は頷き、

「俺達の国は毒の解析する施設が整っていない。それはクルードも同じなはずだ。その上、毒は害とだけ判断され、ないがしろにされてきた。わざわざ毒の解析しなくても不便な事はない、ってな」


 そして淡々と、


「そこで疑問が一つ。先端技術もない白鳳が何故毒の解析が出来るんだ? しかもそれを料理として使ってくる。これはただの偶然とは言えない」


「そんなの、昔に記された本見れば解るんじゃないの? だって地殻変動前からある毒草でしょ? その時代の書物があれば何処の国だって……」


 紅葉は言ってからハッとした顔をした。

 前のめりになってテーブルに肘を着き、危なくグラスを倒しそうになる。


「スクライドには無い、古代の書物を所持している可能性があるって事?」


「そうだ。スクライド領内には、古代を記された書物は無いに等しい。それは大昔に起こった獣人達の抗争が関係するんだろうけどな。多分、白鳳の排他的な思想は古代から受け継がれるものなんだと思う。その頃から中立を保ち、己の国を抗争から護ってきた。だからこそ、抗争に巻き込まれる事もなく、領地は戦火を浴びずに済んだんじゃないか? 加えて愛国心が強い。子孫に託す為に、当時では当たり前だった記録方法である紙面に残している可能性は、スクライドやクルードよりも高いだろうな」



 ま、憶測にしか過ぎないけどな。と、樹楊は肩の力を抜いて酒を煽る。ここでやっと、その固かった表情に笑顔が戻った。蓮は紅葉の蟹を当り前のように奪い、樹楊の前に置く。そして箸の先を咥えて物欲しそうな眼差しで見つめる。


「まだ喰うのか?」

「……ん」


 頷かれると断れない。

 蓮の腹はこんなものじゃ満たされていないだろうし。


 樹楊はまた、蓮が食べやすいようにと蟹に鋏を入れ始める。その隣では待ちきれないとばかりに肩を揺らす蓮。


「あのさ。すっごく自然にしてるけど、それ……私の蟹なんだけど」


 紅葉は呆れた顔をするが、蓮は聞く耳を持たない。手渡されたばかりの蟹の身をほじくりまわすのに必死の様子だ。


「まぁいいじゃねーか。お前も慣れてんだろ?」

「ま、そうだけどさ」


 はぐはぐと食べる蓮を見つめ、そして過ぎていく時間を楽しく過ごした。


 

 樹楊が自宅に帰る頃には既に日が変わっていて、人々の大半が布団で寝息を立てている頃だった。今日は満月で雲一つとしてないお陰か、ライトがなくても安心して歩ける明るさだ。

 軽く飲む程度と考えていたが、どうやら雰囲気に流されやすいらしく、気付けばボトル五本分の酒を飲んでいた。紅葉もすっかり出来上がっていて、樹楊の膝を枕にして寝ているマイペースの蓮を担いで家路を辿った。



 冷たい風は程良く酔いを醒ましてくれ、笑顔を引き出してくれる。

 しかし完全には醒めず、階段を登る足も覚束無い。


 半ば倒れ込むように自宅の扉を開け、ブーツを適当に脱ぎ捨てるとベッドまで直進。

 そして脱力に任せて倒れ込んだ。


「うー、飲んだ飲んだ飲み過ぎたっ」


 ごろっと仰向けになると、サラが天井に貼り付いていた――、

「てりゃぁぁぁ!」


 わけではなく、フライングボディプレスをぶちかましてきた。

 いくら細身で軽いとは言え、その重さは人一人分。しかもそれが腹に落下してくれば、

「ぐえ!」


 樹楊は目ん玉が飛び出そうなほどの衝撃を喰らい、ぐったりと白目をむいた。サラがもう少し重ければ泡を吹く自信もある。

 

「キオーのばかぁ! どこ行ってたのよっ。私をほったらかしにして、いい身分だねっ」

「ちょ、サラ。どっどいてくれ……」


 うーっと仔犬のように唸るサラを腹の上から退かし、口から漏れた涎を拭いながら起き上がる。フラつく頭を抱えてサラを見れば、一層敵意を剥き出しにされた。

 無防備なところを奇襲される覚えはないと思っていたが、アルコールで掻き回された頭の回路が昼間の記憶を何とか引っ張りだしてくれた。


「ごめん。素で忘れてた」

 片手を上げて謝罪する。


「素でっ……。酷い!」

 ぽかぽか殴ってくるが痛くはない。が、しかしその怒りは収まりそうにもなかった。


「清掃員のおばちゃんに怒られただけだろ?」

「それだけじゃないもんっ」


 ぐしぐしと涙を拭い、樹楊の服を強く握って強く目で訴えてくるサラ。そこでやっと、顔についた汚れに気が付いた。


「あの後、いなくなったキオーを探しまくってスクライドの城で迷子になるわ、ご飯は食べられないわ、階段から落ちるわ公園の花壇に突っ込むわ! 大変だったんだからっ」


「悪い。謝るよ」

「いーえ許しませんっ。まだまだ不満はあるんだからっ。ちょぺっと、そこに正座しなさい。早くっ、ほら!」


 樹楊は言われるまま正座をして小さくなると、サラはベッド座りながら足を組む。


「仕方無く帰ってきて寝てるとキオーの足音が聞こえたから、お茶目なサラちゃんは隠れて待ってたのにっ。扉が開くなり、お酒の匂いを撒き散らすわベッドに倒れ込むわ」



 サラはそこまで吐き捨てると、ぷるぷる震えて俯く。そして下唇を噛み締めた。

「……寂しかったんだからっ」


 ぽたぽたと落ちてくる涙は暖かくて、罪悪感を膨張させた。

 余程寂しかったんだろう。見知らぬ国で頼れる者もいなくて、いくら待っていても帰って来なくて。樹楊はその罪悪感とサラの気持ちを受け取ると、サラの隣に座った。


「だ、誰が隣に座っていいって、言っ……」


 サラは俯いたまま樹楊の膝を弱々しく叩くが、それも長くは続かなかった。声は嗚咽に負け、身体はより強く震えだす。


「ごめん、俺が完全に悪かったよ。許してくれ……」


 サラは樹楊の胸に頭を添えて、腕を回した。そして頷くと、樹楊はホッとした面持ちでサラの髪を撫でる。こんな時にと思うが、緑の眼から流れてくる涙も透明なんだ、と樹楊は目を伏せる。するとサラの顔が上を向き、少しずつ首へと移動してきた。


「おい、サラ何をっ」


 サラは答えず、その柔らかな唇を樹楊の首へと、愛おしそうに押しつける。

 ゼクトの時とは違い、優しい風に撫でられるような心地良さが身体を包んでくれた。力が適度に抜けてリラックス状態になる。


 何だか落ち着く……。

 

 樹楊はサラを抱き締めた。

 硝子細工を扱うかのように、そっと。


 何度も唇の愛撫を首筋に繰り返され、自分が何に酔っているのかさえも解らなくなってくる。ただ暴力的に込み上げてくる感情が、腕の中に居るサラだけに向っていく。


 気付けば、サラと唇を合わせていた。

 気付けば、サラの上着を脱がせていた。


 サラの身体は薄いワンピースで包まれていて、細い身体が姿を現す。

 流れに任せているわけじゃない、とサラの細腰を支えながらベッドに押し倒し、自分の上着を脱ぐ。


「キオーって意外に筋肉質だね……」


 サラの指先が流れるように首筋からヘソへとなぞっていくと、その線を追うように劣情を巻き込んだ寒気が走り出した。


「一応兵士だしな。サラは筋肉なさそうだな」


 樹楊は部屋の灯りをベッドに埋め込まれているスイッチで消し、月にその代役を与える。

 月明かりに照らされた意地が悪そうなサラの微笑みは全てを包み込む母のようであり、全ての男を惑わす小悪魔のようでもあった。


 そして漏れてくる声は、自分だけに聞かせているように透明。


「こう見えても腹筋割れているんだよ? 綺麗な縦筋が入ってるんだから」

「ふうん。見ていいか?」

「だめ……」


 恥ずかしそうで愛おしそうなその言葉に、堪えていた欲情が腹の底で爆発してしまった。このままじゃ不味いとは理解していた。サラは木人の解明に重要な人物であり、特別な接触は禁止であるという事くらい、誰に訊かずとも心得ている。


 だからこそ、なのか。

 サラへの愛しさと背徳感が、劣情を肥大させるのは。


 樹楊はサラと深いキスをすると、その細い両腕を片手で掴む。そしてサラの頭上に持っていくと、両腕を掴んだままベッドに沈めた。


 サラをモノにしたい。

 サラを感じたい。


「キオーって征服欲強いんだね」

 サラを……。


「そうらしいな」

 ……自分の手で汚したい。


 見つめ合うとまた深いキスをし、サラの上着の中に手を滑り込ませて脇腹を撫でる。

 その華奢な身体が一瞬だけ反応を見せて鳥肌が立つのを確認すると、樹楊は舌先で口端を湿らせる。サラがその舌を柔らかな唇で挟み、弱々しく吸い込んできた。


「キオー…………じらさないでよ」


 サラは頬に朱を散らし、少し困ったような表情で口を尖らせる。その一つ一つの仕草が全て狂おしいほど愛しい。触れ合う度に鼓動が高鳴る。

 それは、怖さにも似た愛しさ。


「なぁ、サラ。……ロア・ラズラートゥ・ミアってどういう意味なんだ? サラこそじらさないで教えてくれ」


 ずっと気になっていた。

 このタイミングで訊くのもどうかとは思ったが、今でなければ訊けそうにもないとも思った。


 サラはふふっと笑うと、

「木人の言葉だよ。ロアは『私』で、ミアは『アナタ』なの。そしてラズラートゥは『魂』だよ」


「私、魂、アナタ? 何だそりゃ」


 サラは両腕を片手で支配されたまま微笑んだ後、唇をゆっくり近付けながら熱っぽくなった息と言葉を静かに吐き出す。




「私の魂の全てはアナタだけのもの……」




 その言葉を唇の隙間から入れられた瞬間、頭の中が真っ白になった。

 剥き出しの感情が身体を支配するというのは、正に今の状態の事だろう。


 サラとなら楽園でも地獄の果てにでも行ってやる、と。


 認められない交わりが成されようとしている、今。この瞬間。

 扉が勢い良く開かれた。そして暗闇から「にゃっはー」と、リズムに乗った声が部屋中に響き渡る。


「にゃっにゃにゃー。ミッミッミーネニャのミは『ミココ』のミーっ」


 ミネニャがご機嫌で歌を歌いながら入って来るではないか。サラが居る事に気付かないあたり、どうやら目を伏せているようだ。ミココというのは、蛇も避けて通る猛毒の木の実だ。更に言えば、ミネニャのおやつ代わりでもある。


 サラと樹楊は前振りもない侵入に瞬間凍結してしまった。ミネニャはまだ気付かず、フンフン鼻を鳴らしながら弾む声で歌いながらベッドに向かってくる。


「にゃにゃにゃーんのミネニャーのニャはっ、にゃんにゃんにゃーんっにゃんこのニャー!」


 へーいっ、と親指を立てて突き付けてくるミネニャ。めちゃくちゃ楽しそうなのは言うまでもないだろう。


 だが、

「おにゃっ!?」


 重なり合うサラと樹楊を見た瞬間、耳と尻尾をぴーんっと伸ばして瞬間凍結。

 上半身裸の樹楊。そして樹楊に両腕を抑えつけられていて、上着の中に手を突っ込まれているサラ。そして何故かすっぽんぽんのミネニャ。


「えーと……」と、樹楊。

「だ、誰?」と、サラ。

「あにゃー……」と、ミネニャ。


 三者三様の混乱が生み出した沈黙はずっしりと重く、生暖かい。

 このままでは永遠に膠着状態が続くと思った樹楊は、身体を起こすと足元にある毛布をミネニャに被せた。


「何で素っ裸なんだよ、お前は」


 そう訊くも、ミネニャの関心はサラに向いているようで答えてはくれず、よたよたと歩き出した。ぽかーんとするサラの前まで行ったミネニャは何を思ったのか、そのか細い首筋に顔を近付けると匂いを嗅ぎ始めた。


「緑の匂いがする」


 穏やかな顔をしてサラの膝の上に頭を乗せるミネニャ。日向ぼっこをする仔猫のように丸まり、尖っている耳を倒している。サラはそんなミネニャを、我が子を相手しているかのように頭を撫でた。ミネニャも喉を鳴らし、気持ち良さそうだ。


「この子、猫型の獣人目ね。確かメノウだったかしら。まだ存在していたなんてね。凄く嬉しい」

「サラ、どうなってんだ? ミネニャは人見知りが激しいハズだ。なのに何でお前には……」


 樹楊は隣に座り、すっかり寝息を立て始めたミネニャを見ながら訊いた。


「言ったじゃない。私達木人は宝物のように扱われていたって。獣人目やエルフにとって自然というのは大切なものなの。そして私達はその自然であり、その自然も私達なんだよ。この子達にとって私は母みたいな存在なの」


「そういうもんなのか。いまいち理解に苦しむけどな」


 皮肉に吐き捨ててやるも、サラは優しい表情を変えずに頬を撫でてくる。その眼差しを受けた樹楊は導かれるまま、サラの胸に寄り掛かった。


 サラの香りが鼻から肺まで行き渡ると、途端に身体中の力が抜けていく。それを不快だとは思えないし、むしろ心地良かった。このまま目覚める事が出来ない眠りに着いたとしても、後悔の欠片すら残りそうにもない。


 サラは樹楊とミネニャに膝枕をしてあげたまま、二人の頭を撫でながら歌う。

 見る事も叶わない、澄んだ空気が支配する森の彼方を思わせる歌声は命の芽生え。

 魂の安らぎと、一夜の楽園だった。


 サラには無条件で安らげる『何か』がある事に、樹楊は夢路を辿りながら気付く。


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