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第七話 気になること

またまたいつもより早めの投稿です。

最近のふと思ったことがある。それは、カーベラと会った当初、普通に会話ができていたことだ。

カーベラの事は最初、コスプレイヤーだと思っていたから普通の人だ思っていたというのもある。

それに焦っていて、あやめの一件があってからも全く忘れていた。

何気なく思ったので聞いてみるか。


「カーベラはなんで俺と初めてあった時、普通に会話ができていたんだ?」

「ん?あぁ、その事か。私の世界にはこういうものがあってだな・・・」


そう言って、鎧から石版のようなもの取り出して見せる。


「これは言語翻訳版と言ってな。魔石を削り、術式を書き込むことでありとあらゆる言葉を翻訳してくれる代物なんだ」

「そんなものがあるのか」


確かにあっちでは、動物と会話するくらいだし、魔物とかとの会話にでも使うのだろうか。


「ただ、これの面倒なところが一つある。それは、言語を学習させないといけない事だ」

「まぁ、確かにいきなり会話できたら、それはそれで変だね」

「こいつは本当に優秀なアイテムで、知らない言語を聞くと、ある程度の話し声でも、文法なんかを理解するんだ」

「それなら、カーベラがこの世界に来てから俺に会うまでに学習していたわけか。秋葉原なんて腐るほど人いるし」

「そういうことになるな」


ほぇー、っとちょっと驚いていたけど、また新たな疑問が生まれる。


「話が変わるんだけど、カーベラなんでその口調なの?」

「えっ?い、いや。そのぉ、なんだ。この口調の方が耕太からして私らしいかなって。・・・違ったか?」

「あぁいやいや、違うとかじゃなくて、気になっただけだよ」

「そうだな。・・・この際だから言っておくか」


そう言ってふぅーっと息を吐き覚悟を決めたように話し出した。


「実はこの口調、元々は鎧を来ている時の話し方なんだ」

「鎧を来てる時?」

「・・・鎧の胸のところに赤い石があるだろう?」


説明しながら指を差し聞いてきたカーベラに頷く。


「それは、魔力増加の石で、私の仲間が特別に作ってくれたものなんだ」

「へぇ~・・・。でも、それと口調に何の関係が?」

「鎧を着るのは外に出る時だけ、つまりは戦闘に行く、もしくは街に出ているんだ。そこでは『電光石火』のカーベラでないといけないんだ」

「・・・要するに、外でのカーベラってことか」

「そういうことだ」


あの口調にもちゃんと意味があったのか。カーベラの知らないこともまだまだ多いな。


「・・・あの、そこで聞きたいことがあるんだが・・・」

「どうした?」

「普段はこの口調でも、たまにでいいから鎧を脱いでいる時の喋り方にしてもいいだろうか?」

「楽な喋り方で良いのに・・・。まぁ、カーベラがそうしたいなら」

「そ、そうか!ありがとう!」


この世界じゃあ、戦闘なんて無縁だから普段の口調でいいと思うけど。

となると、俺が勝手に呼んでいる素直なカーベラとは、鎧を脱いでいる時のカーベラということになる。


「まぁ、何にせよ、ここは君の家と同然なんだし、普通が一番だよ」

「そうだよな。助かるよ」


こうして俺の気になることは解決した。ただし、カーベラに対しての気になることである。もう一つはあやめの事。

例の一件からあいつはずっと人にの姿でいる。あやめの意志と、魔力で人になったのなら、逆も然りと考えているが・・・。

リビングのソファの上で腹出してスースー寝ているけど起きたら実験してみるか。

あやめは人の姿してても睡眠量はあまり変わらない。

いつまで経っても起きる気配が無いので、ちょっとイタズラして起こしてやろうと思い、お腹をくすぐる。

すると「ふへへ・・・」とか言いながら、足がぴくぴく動いている。


「へぇ〜、スイートスポットは残ってるのか」


スイートスポット、ダニやノミなんかが体についた時に反射的に動くらしい。こういう所は犬のまんまのようだ。

・・・さてと、どう起こすか。

とりあえず、頬をつねる。


「んにゃぁ~・・・」


犬なのに猫みたいな声を出す。手を離すと、つねった部分をスリスリとさする。

次に、脇をくすぐる。


「あひゃ・・・あひゃひゃ」


くすぐったさで、変な笑い声を出している。

止めると身を捩って、頭がこっちへ向く。

もう一個くらいやろうかと思ったが、あやめが唇を俺に向けている。

顔が少し赤く、片目を少しだけ開けて見ている。

・・・起きてんじゃねぇか。


「ん~・・・」

「するかバカもの」

「あいたぁ!!」


デコピンを喰らって、悶えるあやめに、


「流石に、キスはしないから」

「ご主人のケチー!」

「知るか」


まったく、誰がこんな子に育てたのかね。飼い主は誰だい!?・・・俺だったわ。

前にもやった事のある脳内会話に気を取られそうになるが、意識をなんとか現実に戻す。


「ちょっと気になることがあるからこっち来て」

「・・・?はーい」


何のことだかさっぱりな様子。まぁ、当たり前だよな。

あやめをカーベラの隣へ座らす。


「一体何をするの?」

「試したいことがあるから、それの実験」

「実験?」


そう伝えると、あやめが怯えた表情になる。


「まぁまぁ、そう怯えるな。怖いことはしないから」

「それは、怖いことする時の常套句だと思うけど・・・」

「カーベラがなんか言っているが、気にすんな」

「うへぇ~・・・、こわーい」

「おほん、話を戻そう。あやめが人なったのは、自身の意志とカーベラの魔力によるものだったよな?」

「うん」

「人になったのは俺としても嬉しいからいいけど、家に誰が来た時に姿を見られると人の姿では困るんだよね」

「なんで?」

「この年で、家に子供がいたら言い訳しづらくてね。それに女の子だし・・・。俺の体裁がね?」

「・・・なるほど、要するに『面倒なことになるから、犬に戻れるようになっとけ』って言うことだね」


流石あやめ、勘が鋭い。


「そう、今から実験っていうわけだ」

「なるほど」


俺のやりたい事が伝わったようだ。

家族なんか来た時に絶対困るからな。

では、始めようか。


「あやめはカーベラの近くで、犬になるというイメージを強くして。そして、カーベラはあやめに魔力を送ってくれ」

「わかった!」

「了解した」


カーベラとあやめが目を瞑り、それぞれが俺の頼んだこと集中している。するとカーベラからあやめへオーラのようなものが流れていく。

しばらくするとあやめに変化が現れ始めた。

体毛が生え、鼻が前へ出てき、体が小さくなる。脱げた服から出てきたのは、犬の姿に戻ったあやめだった。


「おぉ~・・・。予想通り元に戻ったな」

「人になるのも驚いたけど、犬に戻れるとは・・・」


俺は予想していた通りでどや顔をしている。カーベラは軽く戦慄している。


「ワン!」


鳴き声で意思表示している。

なんだか犬になったあやめを見るのが久しぶりな気がする。


「しゃべれないのは、なんだかさみしいな・・・」


いつも言い争いばっかりしているが、珍しくしょんぼりした表情になっている。


「・・・・・・いや、普通にしゃべれるよ?」

「「あっ、しゃべれるのね!」」


犬の姿でしゃべられるとなんというか、怖いな。

まぁ、しゃべれるならそれに越したことはないけど。


「その姿から人に戻るには、逆のことをすればいいのかな?」

「いや、たぶん普通に戻れる気がする」

「そうなの?」


そう言って「んん~」と唸るとみるみるうちに人の姿へ戻る。


「ほら!」

「「おぉ~!」」


これは予想外。完全にあやめの体が魔力で変化している証拠だ。

これならいつ人が来ても、問題なく対応できるようになったな。

まりょくの ちからって すげー!!

でも、やっぱり全裸なのはダメだな。


「しっかし、魔力って便利だなぁ。・・・ところで、カーベラって水の魔法とか得意だったりする?」

「・・・なんでわかったんだ?」

「いやなんか、さっき魔力を送ってもらっているときオーラみたいなのが見えたから」

「えぇ!?それは本当か!?」


なになに、怖い怖い。なんかやばかったか?


「魔力の流れが耕太に見えているってこと。つまり魔力の適性があるということかもしれない」

「はい?」

「私の判断では正しいとは言いきれないが」


なんだか思案顔のカーベラ、んー魔力の適性ねぇ・・・。俺もあやめと同じように、少なからずカーベラの影響を受けているのかもしれないな。

自分の体が変化しているのちょっと恐ろしい。

・・・もしかして俺、勇者になったりして!・・・・・・ないわ。絶対にない。

そんなアホなことを考えた夕方だった。

少し長くなってしまいましたねぇ。

気軽に読める作品を、と思っていたんですが、書いていると止まらなくて(笑)

ではまた次の話で!!

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