第五話 洋服選びはおまかせで
昨日は忘れてしまったため今日は達成しないといけないぞ、俺。
まったく恥ずかしいったらありゃしない。
だからちゃんとリードしないとな。
***
午後三時過ぎ、場所は女性服専門店。
普通の洋服屋でもよかったが、"女性のお洋服ならここ、スタッフがあなたに合ったコーデをお教えします!"なんて書いてあったらそりゃあこっちにするわ。
俺ってあまり服とかの知識全くないから、何を着せたらいいのか分からない。今日もそうだが昨日だって、多分こんなんじゃね程度で二人に着せていた訳だし・・・。
あやめは適当なものを着せても問題ないから、子供服コーナーで好きなものを選ばせるが、カーベラさんは・・・店に任せるかな。
とりあえず近くにいたスタッフを呼ぶ。
「すみませーん!この人に合う洋服を選んでほしいのですが」
「はい!多少お時間を頂きますが、よろしいですか?」
「すべてお任せします」
「かしこまりました!」
用件をぱぱっと伝えて、後はスタッフに任せる。
どうやら早くもカーベラさんに合った服が用意されたらしい。流石は大手洋服店、仕事が早いな・・・。
カーベラさんが試着室に入り、俺は前で待機しているとカーテンが開き、着替えたカーベラさんが出てきた。
その姿は大人びていて思わず見とれてしまった。
「ど、どうだろうか耕太。似合っているか?」
「とっても似合っていますよ!」
「そ、そうか・・・、ふふ、そう言ってもらえると嬉しいな」
そんな会話をした後、恥ずかしいのか俯くカーベラさん。
するとスタッフの女性が、
「彼氏さんにお褒めいただけたようで良かったです」
「「えっ?」」
あっ、そうか。この人入店した時のスタッフとは別の人だから、あやめを見ていないのか。
「いえ、僕達は恋人ではなくって・・・」
「こんな服どーかなぁ?」
と、ここであやめが登場。
「あっ、ご夫婦でしたか!」
「もっと違います!!」
「・・・」
高校一年生で子供持ちとか、普通にやべぇよ。
カーベラさんが俯いているのは何故だろうか?その服装恥ずかしいのかな。
その後、店員に頼んで三つくらいの組み合わせで服を選んでもらい、会計を済ませる。あやめは好きなものを選ばせたので特に言及はしない。
というか分からないだけである。最近の子供服も変わったもんだなぁ・・・。
「服というのはこんなにも種類があるのだな!面白いぞ!」
「それは良かったです。あやめはどうだった?」
「たのしかったー」
小並感という言葉がぴったりな感想だな。まぁ、実際そんなもんだけど。
「これを着て明日どこかへ行かないか?」
「あぁ~・・・、その明日なんですけど、学校が始まってしまうのでいないんですよ」
「えっ?」
「とは言っても午前中に終わるので安心してください」
「そうか、・・・良かったぁ」
あっ、無邪気なカーベラさんが出た。
これ出たら大体正直なこと言う。ということは、本当に良かったんだな。
二人とも満足したようで、俺も満足している。
「じゃあ、今日はカレーにでもしますか」
「「やったー!」」
***
食後、俺とカーベラさんでちょっと話し合いが行われていた。
ちなみに、あやめはそこらへんで寝ている。
「そういえば明日から学校だったな。私の世界では剣術なんかを学ぶのだが、この世界ではいったい何を学ぶのだ?」
「まぁ、いわゆる座学ってやつですね。数学とか国語とか。体育もやりますけど」
「午前には終わるんだったな?」
「はい。今週はそうです」
「話は変わるが、なぜ耕太は私に敬語を使うのだ?あやめにはあんなに親しいのに。・・・いや、別に深い意味はないぞ?」
おっ、嫉妬か?
「なんかそうしないとダメなような気がして」
「・・・よし、耕太。貴様は今度から私と親しく話してくれ」
「そんなこと言ってもですね、カーベラさん・・・」
「私と話すときは、敬語と使わずあやめと同じように接してくれ。さん付け禁止だ」
困りますと言いかけたらかぶせられた。なんてこった。
「・・・はい、わかりま・・・、わかった。今度からは普通に接するよ。カーベラ」
ニッっと笑顔を見せたら、ぼふっとカーベラさんの頭から湯気が出てきた。可愛い。
「さて寝るか。明日はまぁまぁ早いし」
「ん。じゃあお休み耕太」
「お休みぃー」
それぞれの部屋に行き二人ともベットへ入る。疲れが来ていると実感できる。
さぁ、明日からはついに学校だ。友達できるといいなぁ・・・。
・・・あっ、あやめリビングに置いてきたまんまだわ。・・・まぁ、いいや。
ついに最初の話に追いつきましたね。正直こんなにも月日が経ってしまうとは・・・。
まぁ、元々時間かかる前提で書いてるから当たり前ですが・・・。
ブックマークが三件あって驚きです!
今後とも気長に待ってください!