第3話
学校まではお姉ちゃんと一緒♪
通学路の途中で犬や猫とわちゃわちゃして時間を取られたりもしたけれど、無事に到着!
お姉ちゃんったら、心配だからってずっと手を繋いでくれたんだよね。
あたしとしては嬉しいけどさ、なんか高校生にもなってお姉ちゃんに手を引かれるのって、ちょっと恥ずかしいかも。
でも、お姉ちゃんのこと大好きだし、だったら別にいいよね? あたしはそう思うことにしたの。
だって、お姉ちゃんは昔っから心配性で過保護で、いつも私のことを考えてくれるんだよね。
あまり感情を表には出さないけれど、穏やかだしさ。怒ったことなんてほとんど無いんだもの。
あたしが小学生の頃に一度だけ、クラスの男子に突き飛ばされて泥だらけになって帰ったときは怒ったらしいけれど、あたしの前では絶対に怒った顔を見せなかった。
後日、あたしを突き飛ばした男子はまるで洗脳でもされたかのように性格が180度変わっておとなしくなっていたけれど、見ていた他の子達からお姉ちゃんが怒ったんだって。
あの子たちとも小学校を出てから会っていないけど今はどうしてるんだろうな~。別にどーでもいいけど。
あたしのお姉ちゃんに怒られるだなんてレアな体験をした連中が少しだけ羨ましいよ。
お姉ちゃんってば、あたしが怒らそうとしても絶対に怒らないんだもん。
お姉ちゃんのお菓子をついつい食べちゃっても許してくれるし、お風呂に入っているところに侵入しても大人の余裕で笑ってくれるし。
夜中にお姉ちゃんのベッドに侵入した時も寝たふりして無防備にお腹とか胸元をはだけさせたのに何もしてくれなかったし。
あたしとしてはさ~、こうね、もっと「コラー!」とかお姉ちゃんの感情を露にする感じが見てみたいんだけどな~。
あたしにだってお色気要素はなくはないと思うんだけど、そっち系の動揺も誘えないし。
おっと、だめだめ。そんなことを考えていたらもう学校に着いちゃった。
名残惜しいけど、入学式はきちんとしないとね。
別れ際にお姉ちゃんの手をにぎにぎしてあげたけど、いつも通りに笑って見送ってくれただけ。
あ~あ、やっぱりお姉ちゃんにとってあたしって、ただの妹でしかないのかな~……。
◆ ◆ ◆
こうして妹と二人で並んで歩いていると子どもの頃を思い出すわね。
あの頃は私もそうだけれど、レサルはもっと小さくて、今と変わらず愛くるしくて。「お姉ちゃんお姉ちゃん♪」って、用もないのに私を呼んで、私の後ろをついて回って♪
本当によくもまぁ、今まで手を出さずに育てられたものね。
正直、何度か性的に食べちゃおうかと思ったこともあるけれど、この子の理想のお姉ちゃんとしてそんな軽率な行動はよくないでしょうからね。
表情にこそ出ないけれど、こんなことを考えているだけでジュンと熱く濡れてきてしまう姉の私。これは短所ではなく、自分が好きな自分の長所だと思っているわ。
なんというか、レサルは私に対して憧れを持ちすぎていう気がするのよね。
でも、だからこそ私に対して今でも無防備に接してくれているんでしょうね。
私がお風呂に入っていたら飛び込んできたり、リビングのソファーに座っていたら必ず隣に座ってくるし、はては寝室にも、いつのまにか侵入してきて隣で寝ていたり♪
あの時は流石に手を出しそうになって身震いしたわね。パジャマがはだけてお腹も胸もほとんど見えていたんだもの。
鼻血ものの光景だったけれど、姉として動揺を悟られることなく済んだはず。これだけで満足しなければ本当にあの子を襲ってしまいそうで自分が怖いわ。
そういえば、レサルが小学生の頃にあの子を突き飛ばして泥だらけにした男の子たちはあれからも頑張っているみたいね。
完璧超人だなんて言われている私だけれど、あの時ばかりは本気でド頭にきちゃったもんだから、洗脳まがいの恐怖を植え付けてマグロ漁船に乗るように指示したのよね。
おかげで両親の残してくれたお金以外にも結構な収入源があるから私と妹は割と裕福な生活が送れている。これも妹のために尽くすことを幸福に思える人たちのおかげね。
さて、そうこう考えているともう学校についちゃったし、あとはレサルの頑張りを応援してあげましょう♪
別れ際に繋いだ手をにぎにぎされて思わず顔が赤くなるかと思ったけれど、そこは流石の私!
感情表現が苦手ということで普通に笑顔で手を振って送り出すことに成功したわ!!
心の中ではもっとこう、ねっとりと粘液系の交わりや妹の裸を妄想している私。ちょっぴり変態かもしれないけれど、バレなければ大丈夫!
さぁ、レサル。頑張ってらっしゃい♪ あなたのお姉ちゃんはあなたを祝うためにあらん限りの応援を惜しまないからね♪