第2話
制服に不備なし、と思ったことをついつい口に出してしまう。そんなあたしは今日から女子高生。名前はレサル。上から下まで問題なし!
そしてお姉ちゃんの妹! これが大前提にくるの♪
……でも、お姉ちゃんと違ってあたしは背が低いし、健康的といえば聞こえはいいけど肌も日に焼けている。
う~ん、日焼け対策はきっちりしているのに何故かあたしは日に焼けやすいんだよね。
肌が強いから平気だけど、お姉ちゃんを見ていると自分の子どもっぽさが際立って感じちゃう。
あたしのお姉ちゃんの名前はヘリル。
早くに死んじゃったお父さんとお母さんに代わってあたしを育ててくれた親代わりでもある大好きなお姉ちゃん♪
お姉ちゃんは見た目からして、ザ・大和撫子って感じで色白で、艶のある黒髪なのに、あたしはバカみたいに日に焼けて赤茶けた癖っ毛な髪。
しかもお姉ちゃんは背が高いから、チビのあたしが並ぶと親子みたいって言われちゃうんだよなぁ~。
そう言われた回数はそれほど多くはないけれど、それでもやっぱり二人で並んでも姉妹と見られることはまず無い。年の差は二つしかないのに。
あたしだって顔立ちは悪くないのに、などと思いつつ姿見で表情を七変化させたりして♪
うん、大好きなお姉ちゃんのことを考えると頬がこう、ね。緩んじゃうんだよね~♪
「レサル、もうすぐ時間だけれど準備は出来た?」
「うひゃぁ!? お、お姉ちゃん!?」
気がつけば時間もそろそろだった。
お姉ちゃんは純粋にあたしが準備に手間取っているのでは、と心配して見に来てくれたんだろうけれど、変顔見られちゃったよ。
う~わ~、どうしよ! お姉ちゃんってばニンジャめいて気配を消すのが上手いから背後から来られたら絶対に気づけないんだよな~。
「……ほら、レサルはどんな表情でも可愛いんだから。
それよりもほら、リボンが歪んでるわよ」
「うわわ! ありがと、お姉ちゃん」
えへへ~、ちょっとカッコ悪いところ見られちゃったけれど、お姉ちゃんにリボン直してもらっちゃったし結果オーライかな?
んふふ、とりあえず、準備はこれで良しってことで学校へ行こう!
お姉ちゃんと一緒に家を出て一緒の学校へ行くのって、なんか嬉しいな~♪
リボンを直すのにお姉ちゃんの手があたしの胸に触れたけど、もしかしてわざとだったり? だったら嬉しいけどお姉ちゃんのことだから邪念の一つもないんだろうね。ちょっと残念。
◆ ◆ ◆
私の名前はヘリル。たった一人の妹を愛する女子高生。妹の姉であることを何よりも誇らしく思っています。
妹の名前はレサル。超可愛い。
私は容姿が良くてスポーツ万能で成績優秀だから老若男女問わず人気はあるけれど、そんな私にとって有象無象でしかない世間の評判なんてどうでもいい。
だから私は自分にとっての世界を「妹」と「それ以外」に二分して考えていたりする。
感情を表に出すのは苦手だけれど、別に無口でもなく愛想が悪いわけでもない。有象無象とはいえ仲の良い友達だっている。
だけど結局は「妹」と「それ以外」でしかないのよね。
なのに、私は妹に対するスキンシップがあと一歩を踏み出せない!
今日も妹のレサルをこっそりと眺めなながら登校前の朝を過ごしたけれど、それも今日までね。
なんてったって、今日から同じ高校に通うことになるんだからレサル成分を朝から吸いまくらなくても学校で補給できるもの♪
それでも、ムラムラして背後から気配を消して声をかけたら物凄く驚かれてしまったわ……。
やっぱり私は表情が固いのかしら? 無表情とかではないし、自然と笑顔で話しかけたつもりだけれど、いつも妹を驚かせてしまう。出来ていたわよね? いつもの笑顔。
でも、んふ♪ そんな驚くレサルが可愛くって気配を消して忍び寄るのがやめられないのよね♪
それに姿見に向かって変顔していたり。
表情を色々と変えるのは見ていて楽しいからいいのだけれど、肝心の胸元のリボンが歪んでいるところは相変わらずね。
リボンを直す、という建前で妹の胸元に手を伸ばす姉としての役得に胸躍らせながら、それでも直で触ったりはしない。
上手くブラをなぞるだけにとどめておく。直接触った訳じゃないからセーフ!
……いや、ちょっと理性も危なかったけれど、でもやっぱりセーフ!
手を伸ばすという状況だけで私の頭は沸騰しそうだし、妹のおっぱいを揉むだなんて出来っこなわ!……してみたいけれど。
でも、そんな内心が顔に出ないのだけは、自分で自分を褒めるとしましょう。もしも妹にこんな変態的な妄想がバレたら絶対に嫌われてしまうもの。それだけはダメ!
高校生になったといっても身長差があるから、幾つになっても私にとっては可愛い可愛い妹なのよね♪
でも、ここ最近はおっぱいの成長が著しいわね。二つも年の差があるのにこれでも同年代よりも胸の大きい私と同程度はあるんじゃないかしら?
んふ♪ これは今後の成長が楽しみね♪
あぁ、学校でも妹と会える幸せがこれからあるのだと思うとドキドキが止まらないわ♪