第1話
どうも、初めましての方は初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです。ヨイヤサと申します。
今回はある程度執筆しておきながら放置していた作品をササっと書き上げて短めに投稿することとなりました。
話数短めで、短編よりは長いけど長編とも言えない中途半端な作品ですが、読者の皆様方にほっこりとしてもらえればと思います♪
姉と妹が内心を一人称で交互に吐露していくだけの簡単なものです。
それと『なろう』連載の時点でお分かりかと思いますが、今作は性描写にパワーが足りないので私の『ノクターン』での連載作品のノリと混同しないようお気を付けください。
書いたのは一年ほど前でよく覚えていませんが、執筆中に滅茶ックスなイラストからインスピレーションを受けていたと思います。
では、どうぞお楽しみいただければと思います♪
あたしのお姉ちゃんは、とっても素敵なお姉ちゃんだ。
学校では学年一位の成績だし、同じクラスの人からも慕われている。
パパとママが揃って交通事故で死んじゃった時も、一人で何でもやってくれた。あたしは何も出来ないし、今だって生活のほとんどをお姉ちゃんに頼っている。
お姉ちゃんは本当に素敵だ。背が高くてスポーツも得意で、あたしが困った時はいつだって助けてくれる。
そんなお姉ちゃんのことがあたしは大好き……、なんだけど、お姉ちゃんはあたしを好きなのかよく分からない。
手が掛かるからなのか、実の妹だからなのか、家ではよく私の面倒を見てくれているけれど接し方が他の人と変わらない気がする。
あたし以外にもお姉ちゃんのことを好きな人は大勢いるし、あたしがお姉ちゃんの妹をしているのは、お姉ちゃんの迷惑になるんじゃないのか、って考えたりもする。
だってお姉ちゃんは誰からも必要とされる人だもん。あたしだけのお姉ちゃんじゃないから。
だからお姉ちゃんの気持ちを聞きたいのに聞けない。あたしも今年の春から高校生になって、お姉ちゃんと同じ高校に入るのに、学校の中でも親しくしてもいいのかな?
私は今日も、こうやって悶々と考えるだけで一日を終えるんだと思う。
あ~あ、明日から高校生活の始まりなのに、学校ではどうしようかな……。
◆ ◆ ◆
私の妹は世界一可愛い……。いえ、宇宙一と言っても過言はないでしょうね。
私自身は近所の人達からは大人びたしっかり者と思われているけれど、それは感情を表に出すのが苦手なだけ。内心では慌てたり緊張したりと、よく揺らぐ。それが私。
勉強もスポーツも得意なことが拍車をかけ、いわゆる天才型と思われている。だから何をやっても完璧な姉……いえ、「お姉様」と周りからは思われている。
学校でもクラスの男子のみならず、女子でさえ私に憧れ以上の視線を向けてくる子も多い。
ええい、私の愛情は妹のためだけにあるというのに煩わしい!
だけど、こんなことを口に出してしまっては要らぬ誤解を招くし悪いことしか起きないでしょうね。
だから感情が表に出にくいというのはある意味私にとって便利なもの。
……まぁ、妹に対しても愛情をわかりやすく伝えてやれないのが難点だけれど。
あぁ……、今朝もパジャマのボタンをかけ違えたまま寝て起きたことを指摘された妹の慌て顔は可愛かったなぁ~~♪
ん、ごほん。つまり私という人間はそういう独善的というか、いわゆるシスコンなのよ。
妹を愛している。世界の何よりも。女として女を、姉として妹を。自分の全てを差し出せるほどに愛している。
それが私の妹よ!
そんな妹が明日から高校生。くぅ……両親が揃って早くに亡くなったために二人暮らしするようになったけれど、今まで手を出さず、そして誰からも手を出させないように守ってきた妹が高校生!
私と同じ制服を身にまとい、同じ学校で同じ空気を吸いながら授業を受け、一緒に並んで家に帰る。……堪らないわ♪
あぁ、早く明日が来ないかしら。入学式の準備は立候補してまで入念にやっておいたからね。妹のために! そう、妹のためだけに!!
絶対に最高の入学式にしなければ!
それが愛しい愛しい妹のために、感情表現の苦手な私が出来る最大限の祝福なのだから。
……明日くらいは一緒に風呂に入ってもいいのかしら?
出来もしないのに初めて肌を重ねるのは妹、と心に決めた私は今日も一人で自分磨きを丁寧に行うのだった。