双子
「エッ・・・・(絶句)」
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だァァァァァァァァア!!!!
だって!だって!
飛鳥君は男だし、疾風さんは女だし!!
「信じられないみたいね・・・。」
「そりゃそうだよ・・・。」
「エッ・・・嘘はいかんよ。お二人さん。」
「アンタ、見事に信じてないわね。」
そりゃ信じないさ!!
顔は少し似てるなとは思うけど性格が正反対だし、もう絶対双子じゃないよ!!
「琴希君、”二卵性双生児”って知ってる?」
「うん。聞いたことはある。」
「あたしらはそれ。」
「証拠を見せる前に」
「『あれ』を消しちゃおうぜ。」
疾風さんがニヤリと笑う背後では黒い陰が蠢いていた。
「アレ、水属性だね。」
飛鳥君がポツリと呟く。
「嗚呼、面倒な奴と当たっちまった。」
「どうする?琥塔君居ないよ。」
ん?琥塔君??
「まぁな。頑張るしかねぇ〜だろ。」
「ちょっと待って!」
「何よ!サッサと言って!」
「琥塔君って……琥塔鈴架さん?」
「知ってんの?」
「えぇ〜と………その………」
琥塔鈴架さんとは僕の先輩に当たる生徒会長さん………
ちなみに男………。
「何か、僕を読んだかな?」
朝の朝会で聴き慣れている生徒会長さんの声が背後で聞こえた。
「ありゃ〜・・・噂をすると・・・。」
「てかなんでいるんですかぁ〜?」
と同時に質問する飛鳥君&疾風さん。
こう言うところが双子みたい・・・。
「疾風、飛鳥。1人ずつ話せ。」
「えぇ〜!!」と二人してブーイング。
「じゃあ僕からいいま〜す!!」飛鳥君の声だし、飛鳥君の口調だった。
「あたしからじゃだめ?」これは疾風さんの声だったし、疾風さん口調。
だけど琥塔さんが言ったのは
「君ら、こう言うときに互いの声真似と口調を真似るな。」
「エッ!!!」
どうやらこの二人は・・・・。
「あらら・・・。ダメだったのかな?」
「いいじゃん。別に。」
「君達、いい加減にしなさい!」
「どういうことですか??」
床にぺたりと座っている僕のところに
疾風さんが歩いてきて、僕の肩に手を置きながら
僕の前に跪く。
「こう言うことだよ。琴希君。」飛鳥君の口調&声でニコリと微笑むのは
間違えなく疾風さんだった。
「そうそう。」
今度は飛鳥君が歩いてきて、疾風さん声&口調で言う。
「・・・・えぇ〜〜〜〜〜〜!!」