飛鳥と疾風。
「どうしよう・・・。」
ヤバイ・・・ヤバイよ・・・。
学校に宿題を忘れた・・・。
今の時刻は午前2時。
簡単に言えば「丑三つ時」ってやつ。
だからと言って先生に『すいませ〜ん…宿題忘れました』なんて言ったら…。
あぁ〜数学の岡田センセに笑顔で殺される〜( ̄□ ̄;)!!
「学校に忍び込むか…」
これがTV番組だったら画面下に[よい子は真似しないでネ!]って出てるんだろうな〜。
なんて思いながらじめじめした空気の中を自転車で走っていく。
この後に起こることも知らずに…
カツカツカツと上履きで夜の学校へ進入。
バレたら完全校長室行きだ・・・。
「サッサと宿題持って帰ろ・・・。」
教室に向かうべく足を速めたそのとたん・・・
後ろに気配が・・・。
この気配・・・妖や霊のものだ・・・。
覚悟を決めて後ろを振り向くと・・・。
ドロッとしたものの姿があった・・・。
僕に覆いかぶさってくる!!
ヤバイ!!
「伏せろ!!琴希!」と伊勢のいい声のが叫ぶ。
声は分からないけど、言う通りにしてみた・・・。
助かるために・・・。
バンバン!と銃声が聞こえ・・・・。
「き・・・くん・・・こ・・と・・・琴希君?」
目を覚ました僕の前には飛鳥&疾風の姿があった。
「な・・・なんで・・・?」
「何でってアンタを守る為でしょうが。」
「あれ……僕。自己紹介した?」
だって転入して1日目だし、屋上で話した時は“あんた”だったのに………。
『そんなの調べた。』あっ。またハモった。何?双子……じゃないよね。
顔、全く違うし。
「2人はどんな関係なの?恋人同士?」
助けて貰ったのにこんな事言うのは……ダメなんだろう。
でも……かなり気になるんだよォォォオ!!!
カチャ。と銃が僕の頭に当てられる。
「あれ〜?此処にバカがいるよ。こう言う人は“殺さなくちゃ”ね。」
「言わねぇ〜よ!!しかも殺そうとするな!!」
「おぉ〜。琴希君、ナイスツッコミ!!」
飛鳥君が驚き、疾風さんが拍手する。
「で、お2人の関係は?」
「僕らはねぇ〜……」
「飛鳥。勿体ぶらんでいい。」
「エヘヘ。簡単に言うと」
「『双子』だよ」