タイトル未定。プロット失念
確実に書いた記憶はあるのですが、どう言う話にしようと思い書き出したのか全く思い出せないやつです。
1000文字と短いですが、一応供養します。
テスト前の「全然勉強してない」とか、女子の「可愛い」とかと同じく、全く信用出来ない言葉があいつの「今度こそいける!」だ。
フロントガラスの先、陽炎の中をノースリーブ姿の女性が小走りに道路を横断していくのを涼しい車内で目を細め眺めながらそんな事を思う。
ふと助手席に視線を移せば同じ事を考えているのか、大量の見積もりのFAXを片手に虚ろな視線をフロントガラスの外の世界に向けている男が座っている。
「柏原、信号青だぞ」
助手席の男、柴崎尚樹のその言葉で視線を正面に戻せばその直後、盛大に後ろからクラクションを鳴らされた。
今変わったばっかりだと言うのにもう少し待てないのか、そんな苛立ちを抱えつつサイドミラーで後ろを確認してみたが、後続車の運転手はいかにも気の短そうなおっさんだったので妙に納得してしまった。
「後ろのじじい、おまえんとこの教授に似てないか?」
「あー似てるわ。あのおっさん絶対今ハンドル指でトントンしてるぜ? 教授が苛々するとよくやってるわ」
再び柴崎の言葉で視線をミラーに移し改めて確認すると、先程の妙に納得してしまった理由が判明した。
笑を堪えひとまず発進すると、猛スピードで抜き去っていく横顔さえもそっくりでついに笑いを堪えられず二人で笑い出してしまった。
「はーあ。なぁ、今日はあの引きこもりが何の用件で呼び出したか聞いてるか?」
「知らん。ただ『画期的に良い事閃いた! 今度こそいける!』って馬鹿みたいに繰り返してただけ」
「『画期的に良い事』って日本語から酷い違和感とトラップ臭しかしないな。よし、無視して飯でも食いに行こ――」
柴崎が嬉々として見積もりを鞄に仕舞い始めた矢先、ドアポケットに置かれていた柴崎の携帯が鳴った。
液晶に表示されている名前は『犬塚』。どこかで見ているのかと思うタイミングで話題の引きこもりからの電話。
一度面倒臭そうにお互い視線を合わせ、携帯をBluetoothに繋ぎ通話を押す。
すぐに車のスピーカーから聞こえてきたのはいやにテンションの高い犬塚の声。
一方的に話し続ける犬塚は、海外映画の吹き替えのような日本人にはあまり馴染みの無いテンションであった為、知らない異国語でも聞いているかの様に脳が言語として認識してくれない。
『あと五分位でピザが来ちゃうから二人とも早く来いよっ! 俺二人の分とっておける自信無いからなー! じゃあまた後で!』
「え?」
ナビに視線を移せば通話終了の文字。結局最後しか理解する事が出来なかった。
助手席の柴崎もそうだったのか、自身の携帯を握り締めたまま呆然と口を開けてナビを見つめている。
自分にしてはまぁ良く書けた文章な気がする←




