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オレと呪いと幼女と青春  作者: 碧空澄
第三幕 鬼
22/22

最終話 僕は、息絶えた。

                ◇ ◆ ◇



 跳躍。

 少女は緑色の瞳をギラつかせ、目の前にいる獲物を狩りに行く。

 バキゴキボキン! 骨が折れる音がした。

 ドサリ、と。少女より数倍の図体を持つ男が、膝から崩れ落ちる。これで、少女は全ての人間の命を『奪った』ことになる。

 その日は、夏だというのにとても寒かった。

 血で全てが赤く彩られた部屋。僕は、震えていた。

 怖かったんじゃない。とても……寒かったんだ。

 寒い。寒い。腕で自分の身体を抱こうとして……そこで僕は、自分の腕が無いということに気がついた。

 ──どこだろう、僕の腕は。

 周りを見渡したけれど、僕みたいに四肢の裂かれた人間は他にも沢山いて、従って腕や足も沢山転がっている。僕の腕は、どれだ。

 部屋の中心には、一人の少女がいた。

 右手の指にはどす黒く輝く指輪。左手には、どす黒い血で染まったナイフ。

 僕に背を向けて立っている少女は、肩を上下させていた。どうやら息を切らしているらしい。なんて無茶をするんだろう。

 とはいえ、僕は分かっていた。これが少女の僕に対する、少女なりの『ごめんなさい』なんだ。

 少女は振り返る。どうやら左目を失っているらしく、そこから滝のように血が流れでていた。

 そして──血まみれの顔で、少女は悲しそうに笑う。

「疲れた」

 そう言って、少女は僕に近づく。

「これで、終わりよ」

 僕の目の前に来た。少女はしゃがむと、僕の頬に手を添える。

「もう、冷たい。死んだかしら? だとしたら、残念ね。次に話せるのは十年後かしら」

 違う。僕はまだ、生きてるよ。もうそろそろ、死ぬと思うけど。

「感謝してよね」そう──少女は言い放つ。相変わらず、素直じゃないなぁと僕は思った。君が言いたいのは、そんなことじゃあないだろう?

 でも僕は、何も言えなかった。それだけの気力が無くて。

「準備は終わったの。だから」


「これからアンタを──生き返らせてあげる」


 眩く光る指輪。それを見ながら──

 僕は、息絶えた。

 次に目を覚ます時、また彼女に会えることを、心から祈りながら────…


※長文注意※


 長かったですねー! 読んでくださった物好きな皆さん、ありがとうございました。せっかくなんで、ちょっとお話を。


 このサイトには小説を書く人が沢山集まっていますから共感もしくは反感のどちらかを抱いて頂けると思いますが、私は小説、特にことラノベでは『ストーリー』、『キャラ』、『設定』の三要素が最も重要だと考えております。

 

 そこでその三要素を鍛えるため、私は去年の夏からその三要素のいずれか一つに重点を置いた小説を書いてきました。去年の夏に『ストーリー』をメインにした小説を。今年の1月に『キャラ』をメインにした小説を。そして2月に『設定』をメインにした小説──つまりこの小説ですね──を書きました。

 

 結論から言いますと、この設定をメインにした小説は最悪の出来です。マジで見るに耐えません。本当に読んでくださった方、ありがとうございますそして申し訳ないです無駄に時間を使わせてしまって! とても新人賞に送れるような出来ではなく、かといってHDDの中に眠らせておくのも勿体無いと思って投稿しましたが、後悔しております(笑)

 

 私的には『キャラ』をメインにしたやつが一番出来がよく、次いで『ストーリー』、『設定』のやつはゴミという評価です。

 

 元々私は設定は軽く作った程度で大丈夫だろうと考える人間です。別に作るのは良いと思いますが、本文には本当に必要な部分をちょっと出す程度で良いと考えています。読者は設定を見るために小説を読むわけではないですし。

  

 そんな考えなのに設定重視の小説を作るというのはしんどかったですね。得意分野を大きく外れたものでした。ブラックな内容にしたり、下ネタを盛り込んだり、コメディメインにしたりと色々やってみたんですが、やはり書きづらかったです。登場人物はたったの四人!(笑)こんなにキャラが少ないのは初めてです。キャラは少ないほど個性が映えるとは思いますが、結構極端ですねー。ストーリーも薄っぺらいですし。ストーリーの薄さをコメディで誤魔化すという最低なことをしてしまいました。もう小説書き始めて三年目なのにこのミスは酷い……。

 

 で、何故キャラをメインにしたやつの出来が良かったと思っているかと言いますと、まぁ元々キャラを作るのは好きなんですが、キャラ重視で書くと『キャラを魅せるためのストーリー・設定』となるんですね。ラノベはキャラが命ですから、結構都合が良いわけです。

 

 新人賞を狙っている人は知ってるかもですが、大手の出版社はストーリー・キャラ・設定のいずれか一つがずば抜けていると、それ以外がダメだったとしても一次選考は突破できるそうです。なんせ一次選考突破できる人数が多いですからね。分母も大きいですけど(笑) 反面、小規模な出版社だと三要素全てのバランスが取れていないとダメみたいですね。安定志向というやつでしょうか。

 

 もし新人賞を狙っている人がいましたら、キャラに重点を置いて話を書くと賞を貰える可能性が高まるかもです。設定を重視するとね……私の小説みたいになっちゃう可能性が──いや、これは私の筆力が足りないからか(笑)

 

 長文失礼しました。ではでは~。

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