第13話 ワンピース
遅くなってしまい申し訳ありませんm(__)m
「これ……着るの???」
お風呂から出て着替えを手にした奈美は固まるしかなかった。
目の前に並んでいるのは女の子女の子したフリフリのワンピース達…。
そしてそれに輪をかけるように置いてある女らしい小物達。
タンクトップにジーンズという恰好がほとんどである奈美にとって、これらの服を着ることにかなり躊躇いがある。
しかし着て来た服は千歳さんが洗濯するといって持って行ってしまったので、実質これしか着れるものはないのだが…それにしたって抵抗感は消えない。
しばらくタオル一枚という形で服の前を行ったりきたりを繰り返していたが、覚悟を決めて服を選び始める。
奈美が手にしたのはクローゼットいっぱいにある服の中で一番シンプルな服。
水色で割りと細身なノースリーブのワンピース。
背中にあるファスナーを上げて鏡を見ると自分ではないような違和感を受ける。
短い髪が服に合わなかったが、ピンなどを使って簡単にアレンジするとその違和感も消える。
鏡に映るのは自分なのに、見慣れない恰好をしているのでなんだか自分ではないようで。
「変……じゃなぃよね?」
鏡に映る自分をもう一度見返し、おかしなところがないことを確認すると出口へ向かう。
何処に行けばいいのかはわからないので、まず玄関まで行ってみようと思い扉を開けるとすぐそこに見知った顔があった。
「奏司?待ってたの?」
「え?あ…あぁ」
奏司は奈美を見ているのにどこか上の空で、呆然と奈美の頭から足元までを何度も視線が往復する。
「何?やっぱり変?」
「あっいや、そういう意味じゃなくて…似合うなぁ…って」
「そ?こういう服久々に着たから自分でも違和感あって」
スカートの裾を軽く摘み上げて首を傾げる姿は小さい頃によくやっていた事。
奏司の方が身長が高いのでうわめづかいになってることに奈美は気付いていない。
奏司は奏司で今まで見ることのなかった奈美のそんな姿に釘付けで、心なしか顔が赤くなっている。
「……煽るなよ……」
「え?なんか言った??」
ボソリと呟いた囁きは奈美の耳には届かない。
奏司は聞き返した奈美の問いには答えず、続いて見上げてくる奈美のおでこを指で弾くと、さっさと歩き出してしまった。
奈美はその姿をキョトンとして見送りそうになり、慌てて追い掛けるのだった。
奏司煽ってしまいました(ノ∇≦*)♪
奈美は素でやってるので質が悪い??(笑)