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第11話 広大なもの

「奈美、着いたぞ」


声と同時に身体を揺さぶられて重い瞼を持ち上げる。

初めに目に飛び込んで来たのは真っ青な海だった。

続いて自分を見上げる奏司の顔。

奈美が下向きに寝ていたので下から覗き込んでいたらしい。


「……何してんだ?」

「ん…なんとなく」


怪訝な顔をしながらも大人しく撫でられているのは嫌ではないという事だろうか。

気付いたら奏司の頭を年下にそうするように撫でていた。

見上げてくる奏司が可愛かったから…つぃ…。

考えてみると年上の男性に何をしてるんだとも思うけど…。


「奈美さ…」

「…ん?」

「海来たかったんだろ?」

「ん」

「――寝ぼけてんな?」

「…ん」


ポカポカと温かい陽気がなんとも心地いい。

今寝たらとてもいい夢が見れる気がする――とまたウトウトしかけた時、頬をおもいっきり引っ張られて目が覚める。

先程まで抵抗もせずに大人しくしていた奏司の顔が、意地悪気味に微笑んでいる。

その伸ばされた手は真っ直ぐに奈美の両頬を掴んでいた。


「――…いひゃい(痛い)」

「起きたか?」

「ごめぇひわくをおかけひまひた(ご迷惑をお掛けしました)」

「ならよし」


言葉と同時にぱっと手を離した奏司に変わって、奈美の手がジンジンと痛む頬を摩る。


「ぷっ、何笑ってんだよ」


頬が緩んでいることには気付いていた。

頬を抓られたあとなのに笑ってるっていうのがなんだか可笑しいが。


「なんかね、こんな風にからかわれたの初めてだから。なんか嬉しくて」

「からかわれたいの?」

「ん〜、わかんない」


自分でもおかしな反応だとは思うけど、実際そうなのだからしょうがない。


車から出ると一面に広がる青い海。

示し合わせたかのような青い空。

そして白い砂浜。

まるで海外にでも来たかのような光景に唖然とする。


「綺麗だろ?」

「……ここ何処?」

「秘密の場所。気に入った?」

「超気に入ったっ!」


文字通り目を輝かせながら奏司の腕を引っ張って海へと向かう。


「ぷっ、急がなくても逃げないって(笑)」


そんな奏司の言葉を耳にしながらも、奈美の足は留まらなかった。

海が好きだった。

毎日のように眺めていたいとすら思う。

その広大さに見せられて、その吸い込まれるような青に惹かれて。

波打ち際まで一気に駆けていく。

澄んだ水がとても綺麗――。

――とか奈美が感慨に浸っていた時だった。


「あははははは…っく、やべツボ…あはははは…」


片手を腹に当てながら奏司大爆笑。

どうやらツボに入ったらしい。

それとなく自分の事だろうと察した奈美は静かにサンダルを脱いで海の中へ。

ひんやりとした水温が興奮でほてった肌には気持ちいい。

奈美のそんな行動には全く気付かず笑い続ける奏司の顔にバシャっという音を立てて水が弾ける。

途端笑い止んだかと思うと海水を飲んでしまったらしく激しく咳込んでいる。

それを見て次は奈美がお腹を抱えて笑い出していた。


「……ぷっ…」


こちらは声にすらならないらしくその顔は苦しそうだ。

途端。


――バシャ


と水をかけられるのは当たり前といえば当たり前で。

そのあと水の掛け合いを行って二人ともビショビショになったのは言うまでもない。




最近更新が遅くなってしまい申し訳ありませんm(._.)m

細々と完結までは進めていくつもりです。

これからも見捨てずに付き合ってやって下さいヾ(TДT;))))..

では。

また後日m(__)m

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