表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/26

第10話 二人の想い(続)


―― Side NAMI ――


友達以上恋人未満。

評するならばそんな言葉が当て嵌まるだろう。

お互いに時間があれば出掛けていた。

映画だったり、公園だったり、買い物だったりといく場所は様々。

けれど会話が尽きる事はなかった。

そして一緒に何処かに出掛けるたびに、趣味や興味が似ていることに気付く。

例えば。

気が付くと同じものを見ていたり。

気が付くと思っていることを相手が口にしていたり。

その度にざわめく心を押さえ込む。

不安は消えず、どちらかというと日増しに大きくなっていく。

けれど奈美はその事を考えないようにしていた。

奏司の方もあのあと、そういう話には一言も触れなかった。

お互いに今の関係でいいと思っているのかもしれなかった。

その気持ちが無理をしているものであっても…。

距離を置くべきなのは理解していた。

けれど同時に離れられないとも思う。

楽しかったから。

それがどんな所であっても。

奏司とならば楽しかったから。

今はまだ先には進めない。

けれど後退する必要性もないと思う。

ジックリと自分の気持ちを見定めていきたかったし、その時間はあるものだと思っていた。

あの時までは…。



いつもと何の変わりもない晴れた日だった。

普段と違う所があるとしたら移動に公共機関を使ってない所だろうか。

午前中から合流し奏司の車で海に向かっていた。

発端は海に行きたいと言った私の言葉だった。

奏司は車に乗りたかったらしく、二人の意見を総合してドライブがてら海に行くことにしたのだ。

朝8時に私の最寄り駅に待ち合わせた。

紺色の車体がまだ人も疎らな週末の朝、ロータリーに入ってくる。

朝日に照らされキラリと光る車体がなんだか眩しい。

今まで付き合って来た中で車を持ってる奴がいなかったからこそ余計にそう思うのかも知れない。

車体はロータリーをゆっくりと回り、奈美の目前で停止する。

内側から開けられた助手席の向こうに見知った顔がある。


「おはよ、待たせた?」

「おはよ〜、さっき来たトコ。時間ピッタリだよ」


そういいながら開けられたドアから助手席へと腰を下ろす。

ドアを閉めると奏司が少し驚いたような顔をしている。


「ん?」

「奈美免許持ってる?」

「言ってなかったっけ?」

「運転するんだ?」

「実家ではよくしてたよ。今は…足がないからなぁ」


交通の便がいいことと、もう一つは維持費が高いという理由から車を買ってはないのだ。

車に乗るのがなんだか懐かしい。

それもMT車なら尚更だ。


「後で運転する?」

「え?いいの?」

「MTの免許持ってるんだろ??」

「そ♪やったね♪」


話始めてすぐに緩やかに動き始めた車は留まる事なくスムーズに動いていく。

奏司の運転には全く危なげな所がないからついウトウトしてしまう。


「いいよ寝てて?着いたら起こすからさ」

「ん〜でも…」


運転してもらってるのに隣で寝ちゃうのも…。


「帰りは俺が寝かせてもらうからさ」


些細な抵抗を試みたけれど、いつの間にか奈美は寝てしまっていた。

隣で奏司が愛しそうに奈美を見つめている事に気付きもせずに…。

小話書いてたら…消えちゃった(ノ_・、)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ