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第1話 プロローグ

「今彼氏いないって言ってたじゃん、ね?お願いっ!」

パンと軽快な音を立てて掌を合わせるのはかなり幼く見えるがタメで同期の月島郁恵ツキシマイクエだ。

「そう言われても…興味ないってか今は…そういう気分になれないんだって」

「男の傷は男で癒せばいいじゃんっ!」

「……」

どうしても引く気を見せないこの子に、どう言えば諦めて貰えるんだろうか。

そんな事を真剣に考えながら、食べかけのお弁当を見る。

この社内では珍しい自作のお弁当。

「お願い奈緒っ!私の顔を立てると思ってっ!」

深々と頭を下げては上目使いで見上げる仕種をする郁恵に、私が勝てた試しはない。

この子はこう見えてかなり押しが強いのもその要因かもしれない。

「……行くだけだからね」

「ありがとぉ〜!!」

渋々参加する事だけ了承すると、郁恵はもうこれ以上はないってぐらいの満面の笑みを浮かべる。

小さいことでも素直に顔に出る彼女は、奈美のコンプレックスの対象だった。

まだ新しい傷が――痛む。

それを感じ、奈美は気を紛らわせる為にまだ終わらない書類の作成に集中しはじめた。



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