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きみをさがして  作者: 佐倉 美南
6.想いの果ての
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 ストーキングされるとか、人気がある奴になら聞いたことがあるけれど、俺にまで及んでくるなんて考えたことなかった。

「知らなかったな」

「知られたら、何かあったときスクープできないじゃないですか」

 彼女は自虐的に笑う。

「社長と編集長はカズキさんに惚れこんでずっと追ってて、そして、美佳さんの存在を知った。スクープもしくは独占取材を、と思っていた矢先に美佳さんは突然消えた。

 2人はその理由を突き止めたかった。だから、私を使って、カズキさんに近づくように仕向けた。

 あなたのスクープをどうしてもうちの社であげたかったみたい。

 美佳さんに似ている私になら、全てを話すと考えたのでしょう。そして、あわよくば、カズキさんが美佳さんの代わりに私を側に置くようになったら、あなたの全てを知る事ができると考えているみたい」

「俺の全て? 確かに俺はプライベートのほとんどは話さないし、必要なこと以外伏せているけど、どうして、そこまで?」

 こういう仕事をしていると、仕事とごく個人的なことの境目が曖昧になってくる。

 俺の歌を好きでいてくれるファンは大事だし、仕事も好きでしていることとはいえ、私的なことまで知らない誰かに覗かれていては気が休まらない。

「カズキさんは自分がどれだけ大きな魅力とカリスマ性を持っているか自覚していない。特に美佳さんが消えた後の、光と影の心と雰囲気を持ち合わせるあなたの魅力にどれだけの人間が注目しているか気がついていない」

「……さっさとスクープすればよかったのに。俺は構わなかった」

 自分自身に関する話は苦手だったので話を変えた。カリスマとか光と影の心とか、聞いたこっちが落ち着かない。

「カズキさんも美佳さんといる時は周りを警戒していたでしょう?写真が美佳さん一人しか写っているものしかなかったから。こちらとしては決定的で確実なものが欲しかったのです。そんな曖昧なものより、時間をかけて佐原一樹という人間の全て、骨の髄まで引き出せって編集長命令があったから」

「……」

 聞いていて背筋が寒くなった。

 そんな重いことをさらっと言える彼女の気持ちが理解できなかった。


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