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しばらく経って、ドライブへ行くのに都合のよい日を選び、海へドライブに出かけた。
アサトの知人のワゴン車に乗り込む。
ゆっくりできるように3列シートの一番後ろを選んだらすかさず小湊マリノが隣に来た。
「カズキさん、お久しぶりです。お元気でしたか?」
「あ、あぁ」
今日の彼女の服はまるでこちらの視線を誘うような胸元が深く開いた服で、おまけにぴったり身体に張りつき丈が短い。肉感的な胸元とは対照的に、すっとした下腹が必要以上に露出している。
何というか、彼女を見ていたら身体のラインを想像しそうで、目のやり場に大変困る。
彼女から視線を外し、前を見たら助手席で含み笑いをしたアサトと目が合った。困っている俺を見て明らかにおもしろがっている。
(アーサートー)
気がついているんだったら助け舟を出せよ、と目で訴えたらアサトは目を細めて
「小湊さん、後ろのトランクにあるジュースの入った袋取ってくれないかな?」
と声をかけた。
彼女は、はぁいと返事をして後ろを向き手を伸ばして袋を探し始めた。
視線と関心がそれてほっとしたが、下腹どころか脇腹がチラチラ見えて、その上、背もたれに押し付けた豊かな胸が……なんというか柔らかそう押しつぶされているの間近でみてしまい、それはそれで困った。
そんな俺の様子を見て、アサトは今にも噴き出さんばかりに笑いをこらえている。
海に着いたら、素早く照明がセッティングされ、大量の肉、野菜類とかなりの量のアルコール類が手際よく用意されてバーベキュー大会が始まった。
俺は、そんなこと一言も聞いていなくて面食らったが、大勢で食卓を囲むのはやはり楽しい。『風来館』以来だった。
「はい、カズキさん。はい、マリノちゃん」
当然のように運転手以外のメンバーにビールが配られた。
隣を見ると、彼女もビールを受け取っていて、俺は少し慌てた。
「小湊さんはジュースかお茶だよ。未成年なんだから」
「えーダメですかぁ? もうすぐ20歳だし」
「ダメだよ。ほら、貸して」
「えー」
「『えー』じゃないよ。未成年は酒はダメ。それに問題が起こったら大変だし、みんなに迷惑かけるんだぞ」
眉をひそめながら、改めて彼女を見た。瞳に楽しそうな光が浮かんでいて、明らかに今のやりとりを楽しんでいる。
(1歩間違えれば、大変なことになるってわからないのか?)
この前も未成年の俳優が飲酒して週刊誌に掲載されて大きな問題になったばかりだった。
それでなくても彼女は売れっ子なのだ。週刊誌の記者にゴシップねたになるようなエサは与えてはいけない。
「ずっと思ってたんだけど、カズキさんて、マリノちゃんのお守役ですか?」
「は?」
「気がつけば、いつも2人一緒にいるし、仲いいですよねー」
アサトの女友達とかいってた、駆け出しのミュージシャン2人組が甲高い声で親しげに話しかけてきた。
女性はこういう手の話題が好きだな。
同年代で顔見知りとか言っていたミュージシャンと小湊マリノは勝手に盛り上がって声を上げて笑っていた。
「そうなのぉ。カズキさんね、いつも私のこと気にかけてくれて大事にしてくれるの」
話題についたじろきそうになったが、そういうのではないと否定しようとしたら、彼女がそう割って入った。
そして、ねっ、といいながらこちらを振り返って、缶ビールを渡してくる。
一見おもしろがっているような、でも挑むような真剣な表情はいつもの彼女ではないような気がしてハッとしたが、直後に、すいませんお茶下さい、と元気よく叫ぶ彼女に、気のせいと思い直した。
若い彼女に気持ちを振り回されていては、たまらない。




