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エピローグ ~授業のはじまり~

 今日もいつものようにフィオーリアは礼拝所へ向かった。

 オイラのかたわらを通り、尻尾の焦げたペーターを一撫でし、ポツリとつぶやく。

「また、今日から退屈な授業が始まるのね」

 あれから、一週間が経っていた。

 今回の襲撃で被害を受けた家々は、外観こそ焦げて黒くはなっていても、内部はまったく被害を受けていない。

 この町の領主であるガスペール大公からの十分すぎる見舞金もあって、あちこちの家で外壁の修復が行われている。

 一番被害が大きかったガシューの商店も、財産のほとんどは別の安全な場所に移されてあったので、再建のメドがすでについている。


 レオンは、2本のテーブルナイフを手に入れたが、それだけでなく、さらに二つのものを手に入れた。

 ひとつは、あのときの消火の大活躍によって、人々はレオンをあだ名で呼ぶようになった。

『ファイアーマン(消防士)』と

 これ以降、レオンは、レオン・“ファイアーマン”・フランシスと人々によばれ、歴史書にもそう記録された。本人は、そのあだ名で呼ばれるのを、大いに嫌がったのだが・・・・・・

 もうひとつは、レオンの腰の無銘の長剣。

 無名ながら腕のよい刀鍛冶が魂を込めて鍛えた一振りなだけに、成長属性がついていた。そこへ、スプラッシュの魔法を10回も放ち、魔剣ストロング・ブレードを所持するマーティン・ジャスティスと死闘を繰り広げたのだ。経験値が貯まり、成長属性が発動するのに十分だった。

 そのため、レオン・“ファイアーマン”・フランシスは、長剣スプラッシュ・ソード*+1を腰に差すこととなったのであった。

 でも、本人は、いつまでも家宝のメテオ・クラッシャーが・・・・・・ と嘆き続けてはいたのだが。


 ガスペール大公家でもあれから動きがあったようだ。

 なぜか、王弟殿下の息女で、ガスペール大公ジャン・ルイ・ガスペールに嫁いでいたキャスリーン姫が実家に戻られたという。

 離婚はまだ成立してはいないようだが、王都の人々は、この大貴族と王族との突然の別居騒動をかまびすしく噂しあったという。

 先代の王子として多額の歳費を国から得ている王弟殿下だが、その子供の世代になると、王孫となるので、歳費は10分の1以下となり、孫の代になると、王族籍すら剥奪され、歳費も支給されなくなる。

 だから、国で1,2を争う大貴族ガスペール大公の支援を得、あわよくばガスペール大公の地位を乗っ取ろうと、娘を嫁がせたりしてきた王弟殿下だったが、なにか些細な行き違いがあって、大公の怒りを買ったのだろうというのが、人々の噂の主な内容だった。


 フィオーリアが礼拝所に足を踏み入れると、すでにほとんどの子供たちが集まってきていた。

 いつものもっとも日当たりの悪い席へ向かう黒髪の少女をだれも気にしない。

 少女は胸をはり、昂然とした態度で一歩一歩進むのだが、いつもの自分の席近くまで来たとき、眼を瞠った。

「な、なんで、アンタがここにいるのよ!」

 いつもの少女の席は空席だったが、その席の隣に座っている金髪の長い髪の少女が憮然とした表情で見返してきた。

「だって、お父様が、好きなだけお母様の近くにいてもいいって、許可してくれたんだもの! こんなチャンスめったにないわ。これで、お前さえいなければ最高なのに!」

「フンッ! それは、こっちのセリフよ!」

 少女たちは、お互いにそっぽを向き合いながら、隣り合った席に座るのだった。

 そして、奥の扉からエリオットとトマスが入ってきた。

 さあ、今日も授業の始まりだ!


フィオーリアは冷たい瞳で見つめている。

「ふっ! 最後までよくついてきたわね。褒めてあげるわ。でも、最後に『評価』と『感想』と『レビュー』を書きなさい! さもないと、あたしの魔法でアンタたちをトカゲの姿に変えてしまうわよ!」

そうして、高らかに哄笑するのだった・・・・・・



とりあえず、『魔女の言うことを信じるな!』完結です。

普段は、ブログ(『恋とか、愛とか、その他もろもろ・・・・・・』:http://loveetc.seesaa.net/)とかで、恋愛物などを主に書いているのだけど、この『小説家になろう』のサイトでは、ファンタジーが人気みたいなので、ファンタジー物を書いてみました。

ま、ないとは思いますが、続編希望の人がいれば、そのうち書いちゃうかも♪

ともあれ、次もファンタジーのお話を。って、ファンタジーはファンタジーでも、召還モノだけど。

年内に書きあがればいいのだけど・・・・・・

書きあがったら、また、よろしくお付き合いねがいます。

                             作者 拝

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