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葬々月花  作者: 香水
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プロローグ


   豪華絢爛、その様は夢の如く。


   葬ったのは五つの魂。


   後世にて読み解く者よ、我らの罪を継ぐ者よ。

   真、哀れなことなりてここに綴る。


   ――蔓由木家所有古書『五歳千書』より『序』。現代語訳。



 *****  ****  *****



 その正式名称を、カル・メティアル・セイ・ユールレイと云う。


 『修央堂大学付属ユールレイ学院』

 世界に名だたるその学園のシンボルは、ただ一つの花。

 不可思議なその形状。複雑奇怪なるエンブレム。訪れた者は、問う。

『これは?』

 学園の、小さき案内人は、その手の問いには悠然と笑むのが常であった。

 客人を例外なく招きいれ、そして例外なく立ち入らせない【迎賓館】。その中央に飾られた、豪奢な金の額縁に似合う、複雑な花。

 ユールレイと名を冠す、学園のシンボルであり、エンブレム。美しく格式高きそれ。けれど、学園は皆一様に、同じ微笑みを携え、口を閉ざす。

『さあ?存じ上げません』

 かくして、学園は囁かれた。

 なんと閉ざされた地か、と。


 世に、楽園の名を冠す地あり。


 ある者は光のと呼び、

 ある者は水のと云う。


 ――ユールレイ

 華々しく刻まれてゆく歴史と、世界に裏付けされた絶対の誇り。

 ただ一つの“約束”に囚われた者たちの箱庭は、やがて大きな“役目”を負った。


 『水と光の楽園』

 世に、楽園の名を冠す地あり。

 華々しく刻まれてゆく歴史と、世界に裏付けされた絶対の誇りを持つ、名を、ユールレイと云った。

   

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