面倒ごと
「確か、知性を持つAIを使ったロボットだっけ?」
「まぁそんな感じの奴だが、少し違う」
確かに、先輩が言っていることはあっている。
表向きにはこのような話で通してるのだろう。
無論、この計画なんざもっぱらの嘘である。
「そうだろうね。 今の技術では知性を持つAIなんざ作れるわけないからね。 もし作れたとしても、それは知性を持っている分、私達人間の支配下には置けなくなる」
「確かに、先輩の言う通り、特殊機の製作は難航した。 そもそも正規のやり方じゃ、不可能なんだけどな」
「ふむ……、なんとなく言いたいことが分かったよ沙里義君や」
さすが先輩だ。
腐っても科学者の端くれってもんだ。
「先輩の仮設であってますよ」
「てことは、あの組織は人間を機械にしようとしていたってことかな?」
「間違いではないですね。 かといって正解とも言い難い……」
「ならなんだというんだね?」
「ざっくり言ってしまえば、遺伝子レベルで人間を改造した人間ってこと」
遺伝子レベルと聞くと、少しぴんと来ないと思う。
簡単に言ってしまえば、プラモデルの設計図を書き変えることだ。
「遺伝子レベルね……、まさか世界の平和を守るために、子供たちの本業を殺すとはね……世の末ってやつだね」
「……そこで生まれた改造人間の被検体が、美稲魅夜を含む百七十九人の身寄りのない孤児だったり、出産したばかりの赤ん坊などが被検体として実験を受けていた」
これの何が平和のためだよ。
「沙里義君がそれを知っているってことは君も?」
「いや俺は違います。 俺の場合は、強さの基準として少しだけかかわっただけだ」
「それはそれですごいね」
何もすごくない。
俺は強くなんてない。
みんな俺の強さを過信しすぎているだけだ。
任務なんて俺は好きじゃないし、そもそもあの組織に支持されるのは不愉快極まりないのだ。
「そういえば、なんで先輩はこのプロジェクトに参加しなかったんだ? 表向きの計画だったらそそられるんじゃないのか?」
「沙里義君、それは愚問ってやつさ!」
「と言いますと?」
「そんなの決まってるでしょ? 私が不可能な計画に参加する意味がどこにあるとでも?」
「いつも不可能なものを作っているのに?」
「あれは科学的根拠に習ってやってることだよ!!」
「じゃあ透明化も科学的根拠があるんですか?」
「それを作るのが科学者だろ?」
「いや不可能に挑戦してるやん」
要するに、先輩が言いたいのは「あいつらに指図されるのが不快」とでも言いたいのだろう。
あえて先輩ずらして、先輩らしさをふるまっているのだろう。
「特殊機の話は分かったけど、結局の話、それなら美稲魅夜の記録を消すのはなかなかに惜しいのでは?」
「愚問だな。 俺はあいつを守りたかっただけだ。 約束事だしな。 だからこれからもずっと俺はあいつを守る」
「だから彼女に嘘をつくんだね。 そして自分にも」
「うるせえよ」
「少しだけ前の君に戻ったかな?」
「気のせいですよ」
俺は変わらなくてはいけない。
あいつから教わったんだ。
だから、だからこそ、今度は俺が守るんだ。
あいつの分まで
◆
部活動についての話だが、絶賛迷っている最中だ。
運動部に入るってのもいいのだが、それだと大きく目立ってしまうし、張り合いがないでしょう。
それなのに凛子は運動部に入るようだ。
いや凛子はただこの状況を心から楽しんでいるのだろう。
「君!! うちの部でマネージャーとしてこないか!!」
「マネージャーですか……」
一人の体育系の先輩生徒に声を掛けられる。
マネージャーとは一見楽そうですが、結構つらいのです。
部員のサポート、ドリンクづくり、選択、応援、食事、などなどたくさんあります。
それを、大体は二人係でやるのですから大変なのは当たり前だ。
「あ、連鎖期の交換とか―—!!」
「私そうゆうの向いてないので」
私は、目の前の生徒にそう言って違う方へと向かう。
運動部がだめなら今度は文化部ですかね。
文化部のいいところは、場所によっては何も活動しないってところもあるので、そこに入りましょうかな。
「まさか、ここ以外の部活度はガチみたいですね……」
結局、最後以外の全てはそろって月でした。
逆にそろってガチな部活があるのにもかかわらず、一つだけさぼり部のようなものがありました。
「やあやあ昼ぶりだね!! 科学部にようこそ!!」
「……普通こっちがガチな物じゃないんですか……?」
運が良いのか悪いのか、それは神のみぞ知るとは言いますが、こうなるとは。
「そんながっかりしたこと言わないでよー。 こっちだってしっかり活動してるんだよ?」
「爆発に巻き込まれたくないです」
「失敬な!! これでも成績優秀の天才科学者なんだよ!!!」
「そうは見えないですね」
「生意気な後輩めええ!!!」
突如、とち狂った先輩が私に襲い掛かった。
いやらしい手つきで体を触り始める。
はっきり言って気持ち悪い。
「生意気な後輩には粛清じゃあああ!!!」
そう言いながら先輩の指は私の脇や横腹をなぞるように触ってきた。
くすぐりをしているのだろうが、残念ながら私には聞かないのだ。
「この後輩めええ!! こちょこちょこちょ!!」
「これが先輩の姿だと思うと、すごく滑稽だなっと」
「誰が馬鹿だと!?」
現に、行動自体が馬鹿な気がします。
そうなると、この会話に付き合ってる私も馬鹿になってしまう気がしますが、気にしないことにします。
すると、先輩は疲れたのか、くすぐりをする手をやめる。
眼前に先輩の顔があり、科学者にあるまじきの甘い香りがした。
「それに、ここに入ったほうが、夜魅ちゃんにも都合がいいでしょ?」
「勝手に私の都合を決めないでください。 後顔が近いです」
「どうせおぬしもさぼるためにここに来たんじゃろ!!」
「当り前じゃないですか」
「はっきりいいやがってええ」
実際、私自身のためにできるだけさぼれる部活の方が私にとって得なのは変わりないのだ。
それに、部活事態めんどくさい。
「でも、私が入らないと個の部活廃部になるらしいじゃないですか?」
「そうなんだよ!! 私のオアシスが消えてしまうんだよ!!」
「てことで、入部はしますけど、ほとんど来ませんので」
「ちょっと待てぇ!」
無視して扉を開けると、そこには影先輩がいた。
「ありゃ? 君は確か……」
「美稲夜魅です。 忘れないでください」
「はいよ。 聞くけども、まさかここの部活に入ろうとしてんの?」
「そうですけども? 何か」
「あそこにいるグルメガの人を先輩としてみたらだめだからな」
「無論当然のことです」
「おい聞こえてんぞ悪ガキども!!」
そんなこんなで、今日の一日が終わろうとする。
家に帰り、自分の荷物を確認する。
アタッシュケースには、私が所持する武器類がある。
拳銃が二丁に、ナイフなどがある。
一つの拳銃を手に取り、解体する。
一つ一つに分かれた部品を、丁寧に布でふく。
昔は、銃を使用した後、何もしなかったのだが、ある日、所持していた銃が壊れてしまい、その原因が手入れ不足の故障らしく、その日以来定期的に洗っている。
「定期的に手入れしないとかめんどくさいですね……」
おっと、つい本音が漏れてしまった。
そういえば、学校の方に預けている拳銃は大丈夫なのでしょうか?
いくら使っていないからとはいえ、ほこりやゴミ、錆などができてしまうことがある。
そう考えると、防犯用に置いておくのもいささかダメな気がしますね。
いざって時に壊れてしまったらシャレになりませんし。
すると、いきなり電話の着信音が鳴る。
見てみると、画面には依頼人と書いてあった。
またか、と思いながらメールの内容を見ると、そこには依頼についての内容が書いていた。
「ただでさえ、今の依頼で大変なのに、重ねて依頼をこなさなくてはいけないとは……」
私服に着替え、いつもの靴を履く。
こうゆうとき、何か既定の服やら、目立たないような服なのが当たり前なのだろうが、正直めんどくさいし、逆に周りから変な目で見られるため、私は好まない。
家を出ると、外はとっくに夕方だった。
スマホを確認し、目的地までの通路を確認する。
「……なかなか遠いところですね」
場所は今いるところからざっと六㎞の位置にある。
電車案件でありますね。
めんどくさい。
とゆうことで、目的地に難なく到着しました。
確か、今回の依頼は、テロリスのアジトだった場所から重要な資料、その他諸々の物を探しだすことでしたね。
念のため拳銃を持ってきましたが、あまり必要なさそうですね。
扉をそっと開けると、扉は嫌な音を出しながら開いていく。
中は争いがあったのか、いたるところに弾痕があり、とてもまともな所ではないと分かります。
もともとテロリストのアジトなのでまともなわけないですけど。
「と、これとかですかね?」
机に置かれている紙を手に取る。
何が書いているのか気になってしまったので、少しだけ見てみると、それは研究レポートのようなものでした。
八月二十六日
我々は成功した。 我々は人工的に新種の生物を作ることに成功した。 名前を付けるならヒュウリが良い。 なんせ、初の成功体が私の子であるため、実質私の子と言っても過言では―—(文字がかすれて読めない)
おっと、無駄話が過ぎてしまったようだ。 本題だが、このヒュウリのことを一言で説明するなら人間を超越した生命体だよ。 ヒュウリの特徴として挙げれるのが、成長能力が以上に速いこと。 その成長スピードは我々をはるかにしのぐ。 いわゆる未知数とゆうことだよ。 ついでにヒュウリの製作方法についてだが、生物の成長過程である状態の細胞、いで――
残りは破れていて読めない。
「クズの考えは理解できないですね」
見てわかるが、ここの組織は生物兵器を使って犯罪を企てていたのだろう。
まるでゲームのアンブレラみたいですね。
そもそもここの組織はどうしてテロを考えていたのでしょうか?
テロならば、わざわざ手間のかかる生物兵器の研究に時間を割きますかね?
とか思いながら、部屋中を探索をすると、一つだけ異質を放っている扉を見つけた。
恐る恐る開ける。
そこには、部屋の真ん中でうずくまり、もごもごと口らしきものを動かした化け物がいた。
それに群がるように、屍の山もそこにあった……