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ただ、待つのみ  作者: ちょん
3/3

絶望ー自己紹介

 入学式が終わり、今クラスでHRが行われている。

「皆さんご入学おめでとう。これからこのクラスの担任を務めます、赤塚時郎(ときろう)です。一人一人が充実できるクラスにしていきたいと思っています。これからよろしく!」

 第一印象は熱血教師って感じだった。


「では、さっそくみんなに自己紹介してもらおうかな」

 え?最初って学校のことについて説明してくれるんじゃないんだ。本当にさっそくだな。

 先生は黒板に名前、誕生日、好きな食べ物、好きな教科、趣味と書いた。

「これは必ず言ってもらいます。じゃあ出席番号一番の相赤淳さんからよろしく」

 先生がメモを用意して何か書こうとしているが・・・知らん。

「はい、赤坂淳です。誕生日は十月十日、好きな食べ物は牛丼、好きな教科は体育です。趣味は体を動かすことです。よろしく」

 まぁいたってシンプルって感じ。

「はい、よろしく。つぎは二番の阿木唯奈(ゆいな)さん」

 陽気な声で返事をする。

「は~い、え~と、阿木唯奈です。誕生日は二月四日です。好きな食べ物は・・・・・・え~と~あっ、クレー王が好きです。好きな教科なし! 趣味は歌を歌うことです。」

 絶対この子天然だよ。


 この後、みんなこんな感じでふつうの自己紹介を済ませ、いよいよ俺の番がやってまいりました。

「次は出席番号七番の桐野原・・・()()()君?」

 やっぱりかぁ。毎年そうだったからもう慣れたわ。

友哉(ゆうや)です」

「おっと、すまない。じゃあユウヤ君! お願いします」

「はい。桐原ユウヤです。誕生日は七月二十六日、好きな食べ物は・・・たこ焼きですね。教科は数学が好きです。趣味は――――――アニメ・・・・・・ゲーム・・・漫画、ラノベ」

 やっぱり、オタクなんだから我慢はよくないよね?好きに言えばよくね?ありのままさらけ出せばいい!

「アニメキャラクターのかわいいフィギュアを集めたり、コミックマーケットでイラスト本やエロ~い薄い本を買ったり、アニメや声優さんたちのイベントに参加したりすることが大好きです! でも、そんな私の一番好きなことは・・・・・・をオタ友と一緒に作品について語り合ったり、笑いあったり、感動しあったりすることなのですです! そう私は誰よりもこの国のサブカルチャーを愛している者なのです!フハハハっハっハっ・・・・・・は」

 俺はいつの間にか両手と顔を教卓の上の蛍光灯に捧げていた。

 おっと、いつの間にか中二病の幽霊に憑依され中学生の時と同じことをしてしまった。さっきまでの冷静な判断をしていた俺はどこに行ったんだ?

「・・・・・・」

 さんざんリスクがどうとか思ってたはずなんだけど結局こうなっちゃうんだな。

「パチパチパチ」

 先生の拍手だけ響く教室。


 ・・・わかってたことだが誰一人共感してくれそうな人はいなさそうだな。いいもん! 俺にはアキトっていう語り合える友達がいるんだから。まぁ、俺の次に自己紹介する人ドンマイってことで・・・


 ・・・・・・


 この後、全員何事もなくHRは十二時をもって終わった。


 それにしても、出席番号一番の子の名前すごいね。相赤だっけ?もう何があってもこいつを追い越して一番になれるやつはいないな。


読んでいただきありがとうございます。

始まったばかりですがそろそろ主人公君が壊れそうです・・・

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