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チュートリアルを始めましょう(2)

クロエ。強く美しい女性になれるようにと願いを込めてつけた名前。

光が消えるとそこには一人の女の子が立っていた。

石碑は消えていることから察するに彼女がダンジョンコアなのだろう。

「驚いたわね。そんなの術式に組み込んでないのだけど…。初期ロットだから。バグったのかしら?」

なんか怖い事言ってるんだけど。大丈夫なんですよね?これ!

「こんにちは。マスター。」

抑揚のない声。

まるでお人形さんみたいな顔。

なんか冷たい印象である。

「こんにちは?」

思わず疑問系になる。

そう言えばなんて呼べばいいかな?

「お好きにお呼びください。」

「なんなら、名前をつけてあげなさいな。」

淡々と言う女の子。

ムチャぶりしてくるハーティ様。

私は名前つけるのが苦手だ。

ハクみたいに綺麗な白さだからって理由でつけるのもなんだから…。

「ハーティ様。宝石で7色に光るもの知ってますか?」

私の問いにすかさず彼女は答えてくれる。

「イリスアゲートとかじゃないかしら?和名はニジメロウというのだけど。」

ワメイ?

いえ、それよりイリスアゲート…。なら

「イリス。なんてどうかな?」

「イリス。ですね。では、イリスと名乗らせてもらいます。」

イリスはやはり淡々とそう告げる。

嬉しそうにしてくれてもいいのに。

これからどんなふうに変わるか分からないから。

という意味合いで付けたけど。ひょっとしたら変わらないのかも…とそんなことを思う。

あと、なんかハクの締めつけがさらに強くなった気がする。

めっちゃ痛い!

「さて、そろそろ説明に戻していいかしら?」

私はうなづいた。

「少し予想外のことがありましたが先ほど話題があったダンジョンの拡張についてお話しましょう。イリス。今の魔力蓄積はいくつかしら?」

「はい、1005です。お母様。」

「そう。ありが…え?お母様?」

呼び方に驚くハーティ様。

初期設定にはない単語らしい。

まぁ、作ったのはハーティ様だから。彼女?から見たらお母様というのはあながち嘘ではないだろう。

咳払いをするとハーティ様は説明を続ける。

「ダンジョンの拡張は魔力を使えばダンジョンコア…つまりイリスが行ってくれます。どう広がるかはある程度なら指定できるようなってるから。そこはイリスと相談しなさい。」

「じゃあ、100使って広くして。」

私がそう言うとイリスはうなづいた。

…何も起きた気がしないんだけど。

辺りを見回す。

「あれ?あんな所に横穴あった?」

いつの間にか出来てた穴。

「フロアができたのでしょう。」

そう言うとハーティ様は歩き出す。

私もそれについて行く。

そこには少し広い空間ができていた。

少し先には光も見える。

外につながっているようだが人が通るにはかなり狭い。小動物が通れるくらいだろうか?

「まだダンジョンが大きくないので入口も小さいのよ。まずはこの大きさで丁度だから。それはいいわ。」

ハーティ様はそう言うから。いいのだろう。

「ところで、それだと侵入者を殺すのも出来ないのでは?」

私の疑問はすぐに解決することになる。

外に繋がる穴から侵入者がきたのだ。

…なんか大きめのネズミが1匹。

ラットと呼ばれる魔物である。

魔鼠と言われるものが完全に魔石を取り込んだ状態であるが元の個体より大きくなること以外はただのネズミである。

「ダンジョンは魔力豊富だから。ああやって魔物が入ってくるのよ。魔力を吸えばより上位種になれるから。」

その言葉に感心してるとハクがいつの間にか私から離れていた。

…なんかお腹が膨らんでいるのだけど。

「捕食してました。」

イリスの報告。まぁ…ご飯にはちょうどいいからね。

とハクが少し大きくなった。

どうやら、魔蛇からスネークに進化したようだ。

変わりは魔鼠→ラットと変わらないのであんまり変わらないんだけど…。


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