チュートリアルを始めましょう(1)
自主規制多め。
レンガの廊下?通路?を歩いていく。
私の体にハクがまとわりつく。
あのまま置いていく訳にはいかないので仕方ないが歩きにくい。
いくら美人に抱きつかれていてもこの状況は嬉しくない…。
「ここよ。」
ハーティ…様は足を止めた。
そこには1と書かれた扉があった。
「開けて入りなさい。」
そう言われて扉を開ける。
扉のむこうは黒く染って見えない。
私は勇気をだして1歩前に踏み出す。
すると、そこには洞窟があった。
振り返ると扉はない。
ハーティ様は?と辺りを見回す。
「こっちよ。」
その声がするほうを見るとハーティ様と石碑が見えた。
私がそこに着くと彼女は石碑に手を当てて説明を始める。
「これがダンジョンコア。私が作った簡単ダンジョン製造機…とでも言えばいいのかしら?そんなものよ。」
適当な説明なんですけど大丈夫なのだろうか?
そんな疑問がよぎる。
「この洞窟はもとより魔力の龍脈が通っているから。最低限の魔力はあるわ。そして、ダンジョンという魔法陣をそこに敷くことでより効率的に魔力を充満させる。そこに魔物を招くまたは召喚することで防衛を築くの。」
魔力というものが充満しているせいかハクが妙に元気そうにしている。
ちょっと締めつけが強くなっている感がある。
ハク、痛いんだけど。
「なので、適当にダンジョンを広くしたり適当な通路を作ると魔法陣としての力をなくして魔力が逃げてしまい…落盤とか起きるのよね…。」
実際にやったことあるのか。ハーティ様は目をおおった。
あまり思い出したくないのだろう。
「その広げ方を教えてくださるんですか?」
「それを教えると多分何年もかかるわよ?」
…それはそうだ。ダンジョンなんて高度そうな魔法陣がそうそう私みたいな一般人に理解できるわけがない。
「しかし、淡々と話を受け入れてくれてレクチャーする側は楽でいいのだけど面白みにはかけるわね。」
それこそ今更だ。召喚とか五大魔王との邂逅とか普通ありえないことが連発しているのだ。
もう何言われても受け入れていくしかない。
「あら?ならダンジョンにはあなたの(自主規制)とか必要と言われたら(自主規制)して出してくれるのかしら?」
「…それはちょっと。」
さすがにそこまで恥じらいは捨ててない。
というか、そんな露骨な話はやめて欲しい。
「でも、実際(自主規制)とか(自主規制)などの行為は陰にあたり魔力を生み出すのよ?闇魔導師が積極的なのはそれが理由の一つね。」
…あんまり知りたくない情報だった。
というより、それしないと魔力は得られないのだろうか?
「いえ、死というのも魔力を生むから。清らかな体でいたいなら侵入者を殺しまくるのがいいわね。あとは、魔力を使って貰えると霧散した魔力が広がるから。それもありね。」
なんなら、淫らに生きて殺しまくるのが1番なのだろうけど初めては好きな人と決めているのでそれはなしで行こうと思う。
「さて、魔力の集め方は大雑把ですがここまで。というか、順番が前後してしまいましたがダンジョンコアにあなたを登録しないといけないわね。」
前後したのはあなたが猥談したからなんですけどね…。とは言わず私はうなづいた。
「では、ダンジョンコアに手を当てて。」
私はダンジョンコアに手を当てる。
隣ではハーティ様が何かを唱えている。
「ダンジョンコアと結ぶ者よ。汝の名前を示せ。」
ハーティ様の言葉。
このタイミングで名前をいえということか。
「私の名はクロエ。」
私がそう言うとコアが光を放った。
この作品では初のブックマーク頂きました。
ありがとうございます。(9月3日 5時頃追記)