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13/20

ワニワニパニック

時間が足りず、少し少ない文章で申し訳ないです



 チームタカシさん御一行は、熱帯植物園に移動中であります。


 気温が30度近い、12月でこの気温はエルニーニョだかタマラーニャだかの影響か? 記憶が定かではないが、おかしいのは肌で感じる。


 疾走するバイクの風が気持ちいい、ヒナコも向かい来る風にリラックスした表情をしている。


 アル、五郎はサイドカーに乗るのを拒否してドローンで付いて来ている、余程ドローンが気にいったと見える。


 シェルターにある車両の中に荒れ地を走るに向いてる車もあるのだが。


 瓦礫や放置された、車両が道路に多いので楽なバイクで、移動してしまうタカシさん。


 これ以上気温が上がるようなら、クーラーの効く車での移動も検討が必要だろう。


 移動開始してから、30分程度で板橋の熱帯植物園に到着した道中、目にした化け物は少数だっだのでスルーだ、今日は血生臭い事もしない休日だから。


 園内は、まだ人や化け物に荒らされておらず、熱帯植物の色とりどりな光景が癒しを与えてくれる。


「どうだお前ら、いい所だろう」


「そうですね、こんな綺麗な植物を見るのは初めてです」


「草が一杯にゃ」


「わお~ん」


 タカシさんは子供の頃、父親に連れて来てもらった記憶があるのだが。


「果物の木が少ないな? もっと沢山あった記憶があるんだが」


「そうなんですか? でもこれだけあれば、みんなで食べてもお土産にできるくらい残りますよ」


 タカシさんが子供の頃は、静岡の熱帯植物園のバナナワニ園の影響で南国の果物が生い茂り、ワニがいる柵なんかもあったんだが。


 柵はあってもワニの姿が無い、気にしてもしょうがないので果物の収穫しよう。


「よし果物狩りだ!」


「はい、頑張ります!」


「バナナ~♡」


「わふふ~ン♡」


 こんな場合は、大人のタカシさんは 余計な口出しや手出しすべきではない。


 あの子達に、試行錯誤しながら果物を収穫させるのが、一番楽しんでもらえるからな。


 大人は別の楽しみがある、収穫は子供に任せて、少々マナー 違反ではあるが、缶ビール片手に植物を見て回る。


 子供の頃は興味もなかったが、多種多様な植物を鑑賞するだけでも楽しめる。


 そんな植物の中で、変わった物がある、説明の立て札を読むと。


「マンドレイク、別名マンドラゴラ!? 実物を見るの初だな」


 ナス科マンドラゴラ属の植物で、古くから薬草や魔術、錬金術の原料として使用されてたらしい。


 根の部分が毒性が強く、幻覚、幻聴、嘔吐などヤバい効果がてんこ盛りな植物だと書いてある。


 そんなヤバい香りのする植物を、ビニール袋に回収するタカシさん、上手く利用すれば化け物に使えそうな気がする。


 シェルターに戻ったら、子供の手が届かない場所に厳重保管しよう。


 他にも怪しげな植物があるが、今日は休日を楽しむ予定なので子供達の様子を見に行くか。


 子供らの楽し気な声が聞こえて来る、やはり今日はココに来て良かった、アル、五郎がタカシさんの元へ走りよって来る。


「パパ~ たくさん取れたにゃ~!」


「わふ~~!」


「おおっ沢山、取れて良かったな! 五郎それは何だい? マンゴーもあるのか?」


「わふふう~」


 五郎が指を指し、あっちにあると言いたいのだろう。


「パパ、五郎があっちで、お兄さんに貰った言ってるにゃ」


「お兄さん? 人がいるのかい、お礼を言いに行こうか」


「五郎が案内するにゃん」


 園内にタカシさん達以外の人がいたのか、しかし五郎の姿を見て驚かずに果物をくれるなんて、大物かタカシさんと同類の動物スキーな人種だろう。


 五郎に手を引かれ園内の奥まで来ると、切り株のテーブルで。



 ワニ、二匹が食事をしていた…………



 とっさに腰元のナイフに手をやるが、園内に人や化け物の姿が無いので、入口付近の休憩所に置いてきていた。


 まずい………… 子供らを抱えて逃げようとしたタカシさんに、ワニの一匹が二本足で立ち上がり声をかけて来る。


「逃げなくてもいいべさ、オラたちは紳士、淑女だから人は食べないべ」


「おっおう! 初めましてだ、コノ野郎!」


「警戒しなくていいべさ、そこのカワイイ坊ちゃんにも何もしないべ」


 いつかは目にする事もあると思ってたが、アル、五郎の他にもやはり獣人が生まれていたようだ。


 五郎がタカシさんの服を引きながら。


「わおん、わふ~♡」


「五郎が、優しいお兄さんとお姉さん、言ってるにゃ」


「そうか…… 五郎、優しくしてもらったのか、じゃあ果物の事も一緒にお礼を言おうか」


「わふ!」


 彼らの温厚な態度に、認識を改めたタカシさんは、ワニ達に礼を言い、少し質問をしてみた。


「ここには、オタクら二匹だけなのか?」


「そうだべ、オラと嫁っ子の二匹だけだべ」


「そうか自己紹介をしてなかったな、タカシさんだ、よろしくな」


「オラはワニ夫、嫁っ子がワニ美だべ、ちなみに新婚だべさ」


 新婚の言葉を聞くと、タカシさんの中に少しだが嫉妬心が芽生えるが、ワニに嫉妬もどうかと思い直し。


「それでワニ夫達は、魚を食料にしてるようだが? 魚がいるのか?」


「そこの川で、取って来るだよ」


「なるほどな、川に魚がいるのを忘れてたな」


 熱帯植物園に隣接して川は、荒川と隅田川が合流した一つの川があるのを思い出すタカシさん。


 魚を主食にしているなら、シェルター内の魚の養殖場の運営に、スカウトしてもいいかもしれない。


 奥さんのワニ美も、アル、五郎の頭を撫でている姿を見ると、優しい人みたいだしな。


 ワニ美がアル、五郎の頭を撫でながら、夫のワニ夫に言葉をかける。


「ダーリン私らも、こんなメンコイ子が欲しいべや」


「そんだなワニ美、作るべ! 今すぐ作るべさ!!」


 そんな夫婦の会話の後、交尾の体制に入るワニ夫妻にタカシさんが飛び蹴りを入れ。


「子供の前で何してんだコラッ! ワニ革の鞄にすっぞ!!」


「何すんだべ! さては美しいワニ美にHな事をする気だべ? それは許さないべや!」


「ダーリンあの人間が、私の事をイヤラシイ目で見てるだよ!!」


「パパ喧嘩ダメにゃん」


 この場にヒナコがいなくて良かった、今頃はまだ果物の収穫をしている頃だろう、多感な少女にこんな光景は見せたくない。


 物事を余り理解してないアル、五郎の情操教育にも悪影響を及ぼす。



 それにだ…………



「タカシさんは! ワニの交尾に興味なんかねぇぞ畜生!!」


「興味がないなら、何で邪魔するべさ! 気が散るから他所に行って欲しいべや」


「そうだべ! イヤラシイ目で見て無いであっち行くべさ!」


「ぐぬぬ………… アル、五郎、邪魔しても悪いから行くぞ」


 夫婦の営みを邪魔する趣味もないので、アル、五郎を連れて、ヒナコがいるゾーンまで戻るタカシさんだが釈然としない。


「パパ大丈夫なの、お(うち)に帰ってしこしこすればいいにゃ」


「いやアル、ワニにエロスは感じないし、羨ましくもないんだが」


「そうにゃの?」


「それにだ、しこしこの事は秘密にして言わない約束だろ」


 そんな検討違いなアルの慰めを貰い、複雑な心境だよ。


 ヒナコが収穫していた場所に戻ると、ヒナコは木箱に南国のトロピカルフルーツを入れていた。


 木箱の中を見ると、グァバ、パパイヤ、ライチ、バナナなどの色彩食豊かな果物が詰まっている。


「随分と頑張ったなヒナコ、疲れたか?」


「いいえ! 初めての経験でしたが楽しかったです」


「アルも取ったにゃ!」


「わおおん!」


 ヒナコを初め、みんないい笑顔をしている来て良かったなと思うタカシさん。


「取れたてで食べるのもいいが、持って帰ってから少し冷やして食べたいな」


「そうですねタカシさん、その方が美味しいかも」


「れいごうそ! にゃん」


「ははっ アル、冷蔵庫な」


 フルーツの入った木箱をバイクの荷台に積み、楽しかった熱帯植物園の思い出を話ながら、和やかに帰路に付いた一行だが。


 二度と見たく無い奴が、バックミラーに見える…………



 先日、池袋で遭遇した化け物だ、ライフルの弾をものともせず、人間を狩りの対象としか見ない危険な奴が、バイクを追いかけて走って来る。


「タカシさん! 昨日のアイツが見えます!」


「ヒナコ! どこかに捕まってろ速度を上げるぞ!!」


 臭いか? タカシさん達の臭いを元に追ってきたのか? バイクのアクセルを更に捻り速度を上げる。


 バイクのメーターが120キロを超えた辺りで、バックミラーに映る化け物の姿が遠ざかっていく。


 アル、五郎もドローンで危なげ無く付いて来てる。


 臭いを元に、追われているなら奴を倒さないかぎり、タカシさん達は危険な目に合い続けるだろう。


「お前ら! 一度シェルターで準備をして奴を倒すぞ!!」


 奴が追って来るなら、返り討ちにしてやろうじゃないの



明日も18時頃の更新予定となっております。 皆様、明けましておめでとうございます、本年もよろしくお願い申し上げます。

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