そして、裏側
「おい、メンドクセェ事になってやがる」
「レアルのやろうとしてた事は止められたのに、どうして……」
「ギヒャヒャ! 俺が基地の中に残ってたマシンデストロイアを誘導して、外に追い出し、グネデアがこっそりとガントとフロウを開放する。んで、レアルを相手させてる間に、お前が遠隔からホロスコープの強制プログラムを解除するって作戦は、成功だろ? 蓋を開けてみりゃ、これはどうしようもないだろ」
グネデア、グリア、ディレイプレッシャー。完全に存在として違う3人が集まり、レアルの計画を潰そうとしていた。だが、嫌な予感というのは、レアルの計画も関係なく発生してしまっている。具体的な、その現象というのは……
「〈帝国の要塞〉に生存者はいネェナ」
「ギヒャヒャ〈沈黙の森〉も、生命反応は皆無だぜ」
「〈無知の国〉だけど、私の知る限り生きてる人は居ないわ」
何故か、あらゆる生き物が、崩壊してしまう。帝国の要塞の、悪魔の力を得た兵士も、沈黙の森にひっそりと住む人間も、無知の国のあらゆる集落も、全ての人間が崩壊して息絶えた。
「無理やりにでも団結させて、世界を変える計画が、ハァ、メンドクセェナァ」
「ギヒャヒャ! それ、計画というにはお粗末すぎるだろ!」
「だけど、それくらいの強引さは、必要なのかも知れないわ」
そんな、会話も唐突に終わりを迎える。世界は、今までの異常を、払拭したいかのように、崩壊を始めた。世界の端から、だんだんと、分解されていく。そして、全てが消えてから。新たな世界を誕生させるのだろう。
「メンドクセェが、時間切れだ」
「ギヒャヒャ! まぁ、次回考えようぜ? どうせ時間だけならいくらでもあるんだからな」
「そうね。いつか、良い方向になるように」
3人の従者は、世界の崩壊と共に、分解されるが、世界の誕生と共に、再生される。管理者と、その従者は〈世界転生システム〉がある限り、不滅であり、時間だけならばいくらでもあるのだ。