競輪を笑うなよ2
俺の心臓は 安室奈美恵…じゃない スーパーモンキーズ…じゃない MAXに達していた
審議時間が長い
審議時間が長い時は 俺の経験上 失格の可能性が高い
しばらくして場内放送があった
俺は耳の穴を トッポジージョ…じゃない かっぽじいて その放送に集中していた
「お待たせしました 審議の結果をお知らせします 2番 及び 5番選手の走行について審議したところ 両者とも失格にはいたりませんでした 決定! 1着 2番 2着 5番 … 」
おっしゃ~っ
やはり俺にはトイレの神様…じゃない ギャンブルの神様がついている
いえい いえい いえい いえ~い
俺は100万円の札束をジーンズの尻のポケットに無造作に入れると
伊東温泉競輪場を出るため 階段をのぼった
伊東温泉競輪場は セコいのでエスカレーターが1つしかない
1レースから4レースまでは下り専用エスカレーター 5レースからは上り専用エスカレーターになる
要するに 1レースだけやって帰る奴はあまりいない考えでそうしているのだ
チャレンジ しかも1レースに20万入れるやつはまずいない
そんなレースに出るのは 引退寸前の老人か まだレースを知らない新人レーサーが出るからだ
俺は階段を上りきると 運転してきたスズキのアルトに乗り イグニッションキーを回した