表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3mmの時間  作者: 新々
8/38

08

 極めつけはあの日屋上へ行く時、その早紀本人がわけ知り顔で私たちを見送ったことだった。

 いってらっしゃーい、なんて手を振って。

 桃花も桃花で、いってきまーす、なんて楽しげに手を振り返して。

 そのやりとりを見た瞬間、妙に心がざわついた。

 あの日私の機嫌が悪かったのは、つまりそういうことで。

 私なりになんとか我慢していたのだけど、その時は生理だったこともあってイライラしてて。でも、それを桃花にぶつけるは違うと思ったし、したくなかったし、膝の上に寝転んだらどうでもよくなったから、そこでもやっぱり気持ちが優先して、もういいかなってそう思ってたんだけど。

 当の本人には気づかれてしまっていたみたいで。


 なんだかよくわからない感情がぐるぐる渦を巻いた。

 気を抜くと呑み込まれてしまいそうなくらいに、それは大きくて、激しくて。

 でも、なんでそんなに?

 って考えた結果、結論として出てきたのがお姉ぇの存在だった。


 私だけのものがほしいっていう、アレ。


 精神科医がなんていうかはわかんないけど、きっと潜在的にお姉ぇに対してコンプレックスみたいなものを持っているんだと思う。

 桃花への独占欲はその表れで。

 だから、それほど深い意味はない──と思う。

 浅い意味があるかはわかんないけど。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ