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3mmの時間  作者: 新々
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07

 感じていた、のだけど。

 もっと欲しくなったというか、なんというか。

 子供っぽいとは自分でも思う。

 でも、やっぱり理解よりも気持ちのほうが優先的に働くみたいで。

 初めは桃花の脚だけだったのが、次第に桃花そのものに気持ちが傾いて、今ではもう自分でも抑え切れなくなるぐらいに、それは強くなってしまった。


 それというのもここ最近、桃花は私以外のとよく話すようになっていたのだ。もちろん、今までなんどとなくそんなことはあったのだけど、でもそういう時、私は空気を読んで話しかけずにいたりもして、あえて距離を取っていた。

 つまんないな、と思うことはあったけど、でもたとえばそこで桃花が、一緒に話そうよと誘ってきたり、他の娘に私を紹介したりなんてことはしなかったから、お互いにいい距離感を保ったままでいて。

 それが、ある意味で安定していたのだけど。

 でも最近になってそのよく話す相手が、桃花が小学生の時に仲の良かった娘だと知ってからは、その距離感がかえって私を不安にさせた。


 名前は早紀さきというらしい。

 中学は別々だったけど、家がそこそこ近いらしくよく顔を合わせていたとかなんとか。

 ある時、桃花の口から直接そんな話を聞かされた。

 どんな話題で早紀の名前が出たのかは記憶にないし、思い出したくもないけど、楽しそうに話す桃花の顔だけはよく憶えていて。

 別に桃花に友達がいてもいいし、誰と仲良くしたって構わない。

 でも私が憶えている限りでは、今まで早紀が桃花と特別仲良くしてる姿を見たことはなかったし、その早紀という名前も、その時まで一切出てこなかったのに、一度名前が出た途端、急に早紀の話題ばかりが桃花の口から上がるようになって。

 早紀も早紀で、桃花のそばで見かけるようになったりして。

 早紀早紀って、なんだか本当に早紀ばかりで。

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