35/38
35
そう。特別。
たぶん私はそれを望んでいたんだと思う。
さっき仁奈さんがいってた、私が桃花にして欲しいことはきっとそれで。
今ならいえる。
桃花の特別にしてほしいって。
いつから、なんてのはわからないけど、私にとってはもうすでに桃花は特別で、桃花しか友達がいないっていうのもあるけど、でも、同じように私も桃花の特別になりたくて。
お互いが特別なら、それはもう誰にも真似できないおそろいだから。
それが形として残るなら、いいなって。
ううん、残したいなって思ったから。
そんなわがままを口走ったのだけど。
「ない……よね、やっぱり」
「あるよ」
「え?」
「ひとつだけ、あるよ」
「本当に?」
「同じものはたぶん売ってるし、わりとみんな持ってるけど……でも、わたしだけしかもってないし、瑠美のものも、瑠美しか持ってないよ」
桃花は特別なそれを示した後で、こういった。
「交換……してみる?」




