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「でも……でも、ううん……じゃあ、私は違うの?」
友達じゃないの、と訊くと友達だよと返された。
同じトーンで、同じ響きで。
「なんかイヤ、そういうの」
「どうして?」
「どうしてって……そんなのわかんないけど」
「うん、わかるよ」
「どっちなの?」
「わからないけど、わかるの」
「何それ、意味わかんない」
「だよね」
そういってくすっと笑った後で、思い出したように私の頭をなでてきた。
「でもたぶん、もし瑠美が誰かと仲良くしてたら、私もきっと同じこと考えてたと思うから。だからわかるよ」
「じゃあ、なんで無理なの?」
「瑠美……ちょっと痛い、かな」
そういわれて両脚を締め上げてることに気づいてはっとなる。
手を離して、ついでに身体も引いた。
「……ごめん」
「ううん、私もごめん」
「なんで桃花が謝るの?」
「だって……さっきもいったけど、私が瑠美の立場だったらやっぱりイヤだもん。でも、早紀は友達だから」
「わかってる。わかってるけど」
短い沈黙の後で、桃花がこういった。
「じゃあ、何かおそろいのもの身につけよっか」
「おそろい?」
「そう。わたしと瑠美だけのおそろいのもの」




