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お姉ぇが帰ってきたな、とすぐにわかったけど、でもすぐといえるほど、私の理解は早くなかったようで。
仁奈さんの膝から頭を浮かしかけた時には、もうお姉ぇがリビングに姿を現していた。
「ただい……お?」
「お邪魔し──」
「え?」
「あ」
四者四様の反応がほとんど同時に起って、ひとりを除いて全員の動きが止まる。
「久美ちゃん、おかえりー」
そのひとりとは、もちろん仁奈さんで。
お姉ぇに向かって小さく手を振っていた。
「雨、大丈夫だった?」
「え? ああ、うん……うん」
珍しく、お姉ぇが間の抜けた反応をする。
でも、それは一瞬で。
「ってか瑠美、あんた学校に鞄忘れてきたでしょ?」
「え?」
いわれてあたりを見回してみれば、たしかにない。
ないといえば、鞄を持って来た記憶もない。
ってかなんでそんなことお姉ぇが知ってんの?
なんて疑問はまったくの無意味で。
なぜならお姉ぇの後ろには──。
「クラスの娘に訊いたら、すぐ教室を出てったって。いろいろ探してみたけど、どこにもいなかったし、ケータイも鞄の中に入ってたし……」
そういって私の鞄を抱きかかえる桃花がいたからだった。




