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そんな言葉が背中に突き刺さり、思わず足が止まる。
ついでに思考も止まって。
「瑠美ちゃん? どうしたの?」
「……いえ、別に」
なんとか声をしぼり出して、そのまま誤魔化そうとしたのだけど。
「もしかして喧嘩しちゃった?」
そこひと言につい身体が反応して。
ものすごい勢いで振り返ってから、はっとする。
でも、仁奈さんは表情ひとつ変えないで、
「ダメだよー、すぐに仲直りしなくっちゃ」
とやっぱり牛があくびでもするような口調でそういった。
私はといえば、なんて答えていいかわからなくて。
言葉を探すように視線をあちこちに飛ばしていたら。
そっと手を握られて。
「お話聞かせて。ね?」
手のひらに広がる温もりに、気づくと私の首は自然と縦に動いていた。
ソファに並んで座り、私はここ数日のことをすべて仁奈さんに話した。ところどころイベントの時に話した内容とも重複したけどそれでも構わず、まるで懺悔でもするみたいに、それはもうあいらざらい吐いてしまった。
そんな要領を得ない私の話を、となりで聞いていた仁奈さんは、うんうん、とか、そっかー、とか相槌を打ちながら最後まで聞いてくれて。
すべて話し終えた後は、なんだかどっと疲れてしまった。
思わず出てしまった溜息に、仁奈さんがくすくす笑う。
「なんですか?」
「ううん、やっぱり姉妹だなーって」
そういって、嬉しそうな顔で膝をぽんぽんと叩く。
よくわからず頭にはてなマークを浮かべていると、寝ていいよといわれた。
よけいに、はてなマークが噴出する。




