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それはおかしいって。
桃花に怒るのは筋違いだって。
頭ではわかってはいるんだけど。
気持ちはどうにも静まらなくて。
「…………」
むくりと身体を起こす。
なんか急に甘いものが食べたくなった。
そういえば前にスーパーでアイス買いだめしたっけ。
よし、それ食べよう──と、ソファから離れかけたところでインターホンが鳴った。
「お邪魔しまーす」
やってきたのは仁奈さんだった。
ふわふわの髪を今日はふたつ結びにして、肩には大きな鞄をぶら下げていた。聞けば大学からの帰りらしい。
「あの、まだお姉ぇは」
「うん、知ってる。まだ講義があるから家で待っててって、連絡があってー。たぶん瑠美ちゃんが家にいるからって」
「そうですか」
私には連絡なんて一切なかったけど。
もしいなかったらどうするつもりだったんだろう。
母さんが仕事でいないことぐらい知ってるはずなのに。
「瑠美ちゃんは、さっき帰ってきたの?」
私はそこでそこでようやく、制服のままでいることに気がついた。
「いいなー、高校生。セーラー服かわいー」
「ちょっと前まで仁奈さんもそうだったじゃないですか」
「えー、もうだいぶ前だよ。あ、この前のイベントありがとねー」
「いえ、こちらこそ。どうします? お姉ぇの部屋で待ってます?」
「ううん、大丈夫。それより高校のお話聞かせて」
「前にも話したじゃないですか。そんなにおもしろいネタなんてないですよ」
そういいながらリビングへ案内しようとしたら、
「イベントの時に逢った娘は? お友だちだったっけ?」




