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午後はもう最悪だった。
というのも、こういう時に限って体育の授業が入っていて、迷った末に私は体調不良を理由に見学することにした──のだけど。
気のせいか、授業中ずっと桃花の視線を感じて。
私も私で、気がつけば桃花のほうを見ていて。
だから時々目が合ったりしてはそらしたりして。
気まずい空気ばかり作って。
授業が終わると私はさっさと教室に戻って、ホームルームを終えた後はそのまま真っ直ぐ家に帰った。
なんだか逃げてるみたいでイヤだったけど。
「ってか、逃げてんじゃん」
ソファに寝そべりながら、あーとか、うーとか、意味のない奇声を上げる。
「あー……最悪」
仰向けに寝返って、額に手を当てながら天井をぼんやり眺めてみる。
何してんだろ、本当。
喧嘩なんてするつもりはなかったのに。
いやでも、私が一方的に怒ってただけだから喧嘩じゃないか。
「バカみたい……」
ってか、もろにバカじゃん。
後悔と恥ずかしさとが押し寄せて、胸が締めつけられたように苦しくなる。
溜息をつくと、少しだけ苦しさが紛れた気がした。
雨音がリビングにひっそりと響き渡る。
もう何も考えたくなかったし、疲れていたから寝てしまいたかったのだけど、頭の中は桃花のことでいっぱいで。
目を瞑ったら、桃花の驚いた顔が浮かんで。
「はぁ……」
絶対嫌われた。
体育の授業だって、目そらしてたし。
そらしたのは私のほうだったかもしれないけど。
でも、あんなこといった後でどんな顔していいかわかんないし。
ってか、桃花も何かいってくれればいいじゃん。
教室出た時に追いかけてくるとかさ。
なんなの、本当にもう。
よくわからないイライラが募っていく。




