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それは動物のキャラか何かがデザインされたキーホルダーで。
「あ、これ? 昨日早紀と一緒に帰った時におそろいで買ってさ」
「……昨日も一緒に帰ってたんだ?」
その事実に、けっこうショックを受ける。
いや、なんとなくそんな気はしてたから、やっぱりという残念な気持ちのほうが強いのだけど。
それに今、おそろいって。
「瑠美も誘おうと思ったけど、教室行ったらいなかったから」
「日直で忙しかったから……ってか連絡してよ」
「あ、うん。ごめんね」
その軽い感じに、またイラッとくる。
「じゃあ今日一緒に買いに行く?」
「じゃあって……」
それだとなんか私が駄々こねたみたいじゃん。
「いい。行かない」
「用事あるの?」
「いろいろね」
なんて適当なウソをつく。
「そっか。今日早紀とカラオケ行こうかって話してたんだけど、また今度にしよっか。あ、知ってる? 早紀ってめっちゃ歌うまいんだよ」
「ふーん、そうなんだ」
また早紀?
早紀早紀って、なんなの?
「それってふたりで行くの?」
「え? そうだけど」
何それ。
初めから早紀とふたりで行くつもりだったの?
沸騰したようにイライラが湧き上がってくる。
「……なんかすごく楽しそうじゃん」
「まあね。ひさしぶりだし、何歌おうかなー」
「それって早紀とってこと?」
「早紀? 早紀がどうしたの?」
きょとん、と小首を傾げる桃花。
どうしたのって、こっちが訊きたいのに。
「あ、そういえば前に早紀がね──」
「もういいっ!」
ほとんど叫ぶようにそういって、私は立ち上がった。
しん、と教室が静まる。
「……もう戻るね」
驚いた顔で見上げたままの桃花にそういい置いて、私は教室を足早に出て行った。




