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3mmの時間  作者: 新々
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 天然だと思っていたけど、ひょっとしたらこの人、わざとなんじゃ?

 なんてちょっとだけ疑っていると、仁奈さんは急に思い出したように、

「あ、わたしトイレに行きたいんだった。えへへ、ちょっと行ってくるね」

 といって奥のほうへとかけていった。

 でもすぐに戻って来て、その後もニ、三度迷ってからようやく目的の場所へ入っていった。

 うーん、やっぱり天然なのかな。


 その後ふたりで会場へと戻り、私は仁奈さんと別れてひとり会場内をふらふらと歩き廻った。

 同人誌は漫画ばかりかと思っていたけど、小説やゲームなんかもあって、アニメの二次創作なるものもたくさん置いてあった。私はそういうのにあまり詳しくはないけど、でも昔好きで見ていたアニメのキャラたちが恋仲になる話は、さすがにちょっと気になったりもして。

 散々迷った末に、結局何冊か買ってしまった。

 その後コスプレしている人の足を充分に堪能してからスペースに戻って、買った同人誌を読んだり、仁奈さんが作ってくれたお菓子を食べたりしながら適当に時間をつぶしていたら、ふらりと覗きにきたひとりの女の子に声をかけられた。

 というより、はっきり名前を呼ばれてしまった。


 おかっぱのような短い髪。

 くりくりとした瞳と小さい耳はちょっとだけ猫っぽくて。

 小柄な身体に、健康的な太さの脚を持つその人は──。


「あたし、早紀さき。ほら、ももちーのクラスメイトの……わかる?」

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