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3mmの時間  作者: 新々
14/38

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「それより、おもしろかった?」

「まあ、そう……ですね」

「お姉さんが書いたって思うと、ちょっと恥ずかしいよねー」

 そういって、なぜか仁奈さんのほうが恥ずかしそうに笑った。

「瑠美ちゃんは女の子同士の恋愛って、どう思う?」

「どうって、別にいいと思いますけど?」

 それを否定したら百合なんてものはないだろうし、そもそも私が否定できることじゃない。というより、誰も否定できないと思う。でも。


「自分が告白されても?」


 そう訊ねられて、私はすぐに返すことができなかった。

 だってその時私の頭に浮かんだ相手が。

 どういうわけか、桃花だったから。


「あ、ごめんね、いきなり変なこと訊いちゃって」

「いえ、その……大丈夫です」

「瑠美ちゃんは好きな人とかいないの?」

「いないです。仁奈さんはいるんですか?」

「いるよー」

 即答する。

「あ、でも、ないしょだよ?」

 そっと口もとに指を当てて、しーっという。

 かわいらしいその仕草に、ふと笑みが零れてしまう。

「あ、瑠美ちゃんの今の顔すごくかわいー」

「え? あ、ど、どうも」

 唐突過ぎて、つんのめったような返しをしてしまう。

 自分のその間抜け振りと恥ずかしさとで、ついまた笑ってしまった。


「って、なんで写真取ってるんですかっ!」

「久美ちゃんにちょっと似てるかも。やっぱり姉妹だねー」


 突っ込みはもちろん、ケータイをつかもうとした手もかわされてしまった。

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