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で。
渡された同人誌をすべて読み終えた感想としては。
「…………」
正直、コメントに困ってしまう。
身内だからというのも、あるにはある。
この話お姉ぇが考えたの?
あのお姉ぇが?
っていう感じで。
でもそれ以上に。
「……うーん」
思わず唸ってしまう。
吹き抜けのロビーに声が反響して、その音の大きさにひやりとする。でも、まわりにいる人は漫画に集中しているみたいで、こちらを気にかけてる様子はなかった。ほっと胸のうちで溜息をついてから、また考えに集中する。
コメントに困ったのは他でもなく、それがタイムリーな内容だったからだ。
もう一度読み返しながら、話を整理してみる。
主人公のミクは幼馴染のマイとは親友で、いつも一緒だった。
でも高校に入って初めて別々のクラスになって、それまでいつも自分のそばにいたマイがいないことに、ミクの心は段々と落ち着かなくなっていく。一方のマイは始めこそミクと同じ気持ちだったけど、次第にクラスに溶け込んでいき、そのうちミクとも逢わなくなっていく。
変わってしまったふたりの距離感に、苦しみを覚えるミク。
それでも初めは寂しいだけだと思っていたミクだったけど、マイが男子から告白されているところを目撃して、それを契機にようやく自分の気持ちに向き合い始めていく。
シリーズ最新刊は告白のことでマイと喧嘩をしたミクが、自分はマイのことがひとりの女の子として好きなんだと自覚したところで終わっていた。
印象的だったのは、ミクがマイとの距離感に苦しむ場面。




