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異世界でクロスボウ無双する話(仮)  作者: えんえん
2章
42/43

美味しいもの

パンを焼いている。

なんでかって?カフェ用に軽食を出せるようにだ。

エリシャを中心に色々なパンを創作している。こちらの世界では本当に素朴なパンしかない。

塩味の肉が挟まったパンや、とうもろこしのパン、かぼちゃのパンなどだ。

別にまずくはないのだが、日本のパンを食べてる身としては物足りない感じかするのだ。

そこで調味料や知識を使って美味しいパンを作りに没頭する。


エリシャが生地全般を、自分が照り焼きチキン、マスタードチキン、マヨコーン、ポテトサラダ、カスタードクリーム、いちごジャムなどを作り試作品をどんどん焼いていく。

ミドーリンはどんどん食べていく。

っておい!w手伝えよ


「なによいいじゃない、パンの1つや2つ」

そう言いながらクリームパンをポケットに詰め込んでいる。

油断も隙もねえな


「美味しいわね」

ミニーさんあんたもか


焼きあがったパンは、それぞれ人数分以上に作ったので大丈夫だろう。試食会を行うことにする。


「とりあえず一通り食べて感想を聞かせてくれ」


………………………………



大成功だったな。全てが高評価だった。というかうますぎてもう一度焼くハメになったくらいだ。

でもかなり多めに焼いたんだけど余らなかったなぁと考えてると、ミドーリンが目をそらした。

パンパンのポケットを隠すように…


シロスケとクロスケには発情はお客の前では控えるように厳重注意をし、お昼からグランドオープンをする。


パンの提供は明日からに、今日は無理せずお茶だけの提供にした。

配ったビラにオープン日時が書いたあったのでお客の入りは上々だ。


「あら、かわいい猫。おいで〜」

猫好きはどこに行ってもいるもんだ、撫でられた姫は気持ちよさそうに目を細めてる。


向こうでは弥生とあきがお客のおもちゃにじゃれている。


他の猫もエサをもらったり、膝に乗せてもらったりと順調だ。

だが、少し問題が発生する。お客の回転が悪いのだ。

後から来た客が満席のため帰ってしまう。うーん収容人数は増やせないし、ドリンクだけの料金では難しいのか?

日本ではどうだったか思い出してみる。

………そうだ、時間制だったような気がする。明日からルール変更しておこう。そうだなぁ1時間1ドリンク付きで10アデルってとこでどうだろ?パンの方は欲しい方に販売って感じかな。パンの料金もこの辺の相場の1個2アデルの倍、4アデルで売ってみて様子見をしよう。

売れなかったら値下げすればいいし。




翌日、さらに問題が発生した。いや、お客の回転率の問題は改善したのだが、お客に出したパンの問題だ。

「あら、美味しいわ!このテリヤキチキンて言うの?持ち帰りできるかしら?」

「本当!クリームパンも美味しいわぁ。持ち帰りできるなら私にも!」

「全種類ください」

「私が先よ!」


猫そっちのけでバトルが始まってしまう。


まあお客の人数が店内の猫カフェ利用者だけだったので、増産でなんとかなったのだが。

猫好きの少人数のカフェですらこの人気。嫌な予感しかしない……

すぐに増産の手をうつことにする。


まずはパン職人の募集ビラを貼る。4名くらいでいいか?

そして手の空いているミニーマム、ベローチェにはパンの材料を定期的に大量購入できるように手配してもらう。もちろん全ての材料だ。

アトスとヘカトンは大量にパンを焼く為に設備機器の手配。発酵させておく台や、焼きあがったパンを入れるカゴ、テーブルなど。

自分は焼き釜の追加作成を。


次にレシピの作成。エリシャと打ち合わせを行い、各パンのレシピを作る。新人用だ。


ミドーリンはお客の対応をしてもらっている。

「いらっしゃいませ〜」

慣れない仕事で少し顔が引きつっているが


あと、そうだ。パンだけ買いに来るお客の為に、玄関通路を解放して通路を確保しないと。

他に抜けはあるか?


………………


翌日は臨時休業にして設備機器の搬入設置、材料の搬入、クリームやジャムの仕込みを開始する。

募集のビラで4名も確保して現在研修もしている。大忙しだ。

て言うか、なんかなし崩し的に本格的な商売始めちゃったがいいのか?


研修で焼きあがったパンを試食用にカットしていると、ジャグラさんが来店した。そう、現在調味料の販売をしている商人だ。


「おお、ここでしたか。宿屋にいったらいなかったので親父に聞きましたよ」


「お久しぶりです。どうしました?調味料に問題でも?」


「いやいや、順調ですよ。今月の売り上げをお持ちしただけですよ」


「ああ、わざわざありがとうございます。少しは売れましたか?」


「少し?あははは」


あれ?この間ドワーフ達が調味料談義してたの聞こえたから、少しは売れたと思ったのに。


「少しではなく、いっぱい売れましたよ。いや、売れ続けていますよ」

持っていたバックから、ドンドンドンと皮袋を置くと縛っているヒモを広げる。

ぎっしりとお金が入っていた。


「え!そんなに売り上げたんですか?」


「いえ、これはヒロさんに渡す分ですよ」


「…………え………いくらはいってるんですか?」


「そうですねぇ一袋1万で3万ほど入ってますね。あと、来月からは他の都市からも依頼が来てるのでさらに増えますよ」


月に3万て言うことは毎月300万円が入ってくる計算だ。何もせずに。うますぎて笑いが止まらんw


「ところでこれは?」

ジャグラさんが試食用のパンを指差す。


「よかったらどうぞ。試食用に作ってみたんですけど」


「では1つ……うぅ、美味い……」

次々に試食用のパンを食べつくし始める


ちょ、待てよ

「ストーーップ!」


「ああ!すいません。美味しすぎて止まりませんでした。買いますので売ってもらえませんか?」


「今日はお休みなのですが、特別にまだ残ってるのがあるんで、それでよければ」


「ありがとうございます。そうだ!できれば今後定期的に売って欲しいのですが」


「ん?定期的にとは?あと、どのくらいの量です?」


「そうですねぇ。従業員用にあと、調味料でこんなのが作れるって言うのを宣伝するために店頭で売れるようなら」


「うーん、5種を20個づつ計100個でよければ」


「それはありがたい!」


値段はジャグラさんにも利益が出るように一個3アデルで売ることにした。

その後、配送のことや休日、いつから開始するかなど色々取り決めて別れた。



次回へ続く?


作「リアルが忙しくかなり不定期になりそうです。というか読者様ほとんどいないですよね?感想や評価も増えてないみたいですし。このまま未完で終わってもいいでしょうかねぇ?」


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