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異世界でクロスボウ無双する話(仮)  作者: えんえん
2章
40/43

ミツキ

季節も秋から冬に入ろうとしている。吐く息が白くなる。

向こうの世界では終わってないだろうが、こっちではトランプ騒動もひと段落した次の日に、1人の女性がおとずれた。


綺麗な黒髪を後ろに束ね、キリッとした目が特徴の若い女性。

体はかなり小柄で、引き締まっている。

そして猫耳

ワーキャットだ。

女神転生はやりこんだゲームなのでよく覚えている。

装備は普通の革鎧、小型の弓とブロードソード、左手にはかなり小さい小型の盾がくっついている。バックラーというやつかな?


「私ミツキにゃん」

宿屋の親父の紹介で新しいメンバー候補だ。


「えーと初めまして。ヒロと言います」


「なんで迷宮入る?危ないにゃん」


「えーと……」

いきなり核心をついてきた質問だな。ここで迷う。素直にミドーリンのダイエットの為と言っていいのか。

だってさ、こんな理由聞いたら断られそうじゃん。

でも嘘を言って、危険な冒険に付き合わせるのも嫌だし。

まあすぐのばれるだろうけど。


「うちのパーティのメンバーにミドーリンて女の子がいます。その子のダイエットの為に……」


「え?ダイエット?そんな事の為に命をかけるにゃん?おもしろいにゃん!」

やっぱりなぁ。そんな反応になるよなぁ。

ダメ元で言ったのだがやはりダメか……って

え、ダメじゃない!興味もってくれたの?

想像してたのと違う反応だったのでかなりびっくり。


「え、ええ。そうなんですよ。おもしろですよね。そうそう迷宮の罠なんですけど大丈夫ですか?」


「問題ないにゃん。むしろモンスターの方が困るにゃん」

聞いたところ、以前のパーティで迷宮攻略していたそうだが、メンバーの2人が結婚引退で解散となってしまったらしい。ミツキさんも同じようにパーティを探していたそうだ。

罠や斥候は非常に得意らしい。


「モンスターの方はこのクロスボウがあるので大丈夫ですよ」


「それ、武器にゃん?変な形だけど大丈夫にゃん?」


後で試射をすることを約束して他のメンバーに合わせることにする。





ミドーリンの部屋にみんな集合してもらっているので移動する。


「新しい魔法覚えたの〜」


「どんな魔法なんだべ?」


「巨大化なの〜」


ちょうど扉を開けるとミッフィが巨大化した。

1cmほど………

意味あるのか?


ミッフィってレベルアップするのか聞くと、どうやらにゃんこ達の経験値が一部入ってくるみたいだそうだ。

にゃんこ達の倒す敵ってネズミとかだろうけど。


「おーいみんな、こちらがミツキさん、新しく入ってもらう予定だ」


「よろしく、ミツキていうにゃん」


一同「よろしく〜」


「ところで何をやってるにゃん?」


「ん?トランプの事?ヒロが待ってて言うから、暇だからトランプでゲームしてたのよ」


「教えてにゃん!」


トランプ騒動はまだ続いているようだった……




みんなでトランプを楽しんだ後(楽しんだのかよw)、次の日(一日中かよw)クロスボウの試射する場所に移動

まず試しに自分が100m離れた木に向かって発射。


「にゃ!」


さらに連写していく。


「見てくるにゃん!」

一気に刺さってる木まで走っていくのだが、4秒くらいで到着する。

あまりに足が速いのでこっちもびっくり。


また4秒くらいで戻ってくる。


「すごいにゃん!全部貫通してるにゃん!」

いやあなたの足の方がすごいんですが……


バク宙をしながら驚いてる。しかも空中で3回転……

どんな身体能力だよ。


使い方を教えて実際試射してもらった。

もらったのだが、最初の3発は普通に撃った後、高速にサイドステップしながら発射、バク宙発射、高速移動発射、飛び込み前転発射、倒立発射大ジャンプによる空中発射。

新たなサーカスでも見てるような凄技を連発。


「このクロスボウ凄いにゃん!」


「ミツキさんの身体能力の方が凄いと思う」

素直な感想に他のメンバーもうなずいている。


「そんな、褒めても何も出ないにゃんよ〜」

嬉しそうに頭をかいているミツキさんカワイイ


「そういえば迷宮の罠ですが、どうやって解除するんですか?」

「ん?解除なんてしないにゃん?」

「どういうことです?」

「穴が空いたら飛んで、前から何か飛んできたら避けるにゃん」

「つまり?」

「全部発動させれば後ろのメンバーは安全にゃん」


一同「…………」


ミツキ「次回へ続くにゃん」


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