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異世界でクロスボウ無双する話(仮)  作者: えんえん
2章
39/43

打ち上げ

「おーいトランプはまだか?」


宿屋の親父からトランプを作りまくってくれと頼まれた。

どうやら配ったトランプから、ねずみ算的に需要が伸びているらしい。

らしいというのは宿屋に注目が殺到して、すでに予約帳が名前でぎっしりらしい。

予約帳とやらを見に行く暇さえない状態なのだ。出来上がったら即親父に回収され売り上げを渡される。

(一応親父にも1個売れるごとに1アデル渡す約束をした。予約や金銭の受け渡しをお願いしてるしね)


メンバー総動員して、宿部屋で作っている。買い出し部隊に、印刷部隊、カット部隊。あとは雑用部隊。

すでに紙やインクがこの町から消えつつある。すでに2000個ほど作ったのだが、まだ終わらないのか?

この町の人口確か1万人くらいだったよな?

猫の手も借りたいくらいだ。

あ、シロスケ、クロスケいるんだっけ?

でもまあ、よく考えると猫って手が無いよね?前足はあるけど。



大ブームの到来に、メンバーも何でトランプを作らされてるのかわからないまま必死に働いている。


「もうロウがどこの店にも売ってないわよ!」

ミドーリンがついにギブアップした。

「こっちもこれで紙が最後です」

ヘカトンももう無理と言っている。


「そうかとりあえずできる分だけでも作るぞ。ミドーリンも説明書折るの手伝ってくれ」


「ちょっとは休ませてよ」


「後で冷えたビールおごってやるから!」


「わーい♪」


チョロいなwこういう場合チョロいヒロインを合わせて、チョロインていうんだっけ?


2日で4000個作成。身体中があちこち痛い。筋肉痛だよ。

何とか3900個辺りで予約帳の客が終わった。


残り100個も親父に渡しておく。


今は宿屋一階でみんなで打ち上げだ。

うまそうにお酒を飲んだり料理を食べている。


料理も美味しくなってるな。あぁケチャップやソース使ってるのか。

ジャグラさんの調味料も少しは売れてるみたいだね。

向こうのテーブルでは

ケチャップとウスターソースとマヨネーズでドワーフが争っているみたいだ。


「ポテトフライにはケチャップがうまいんだよ!」

「揚げ物にはウスターソースだ。これ以外に考えられないぞ」

「生野菜にマヨネーズつけたか?マヨネーズこそジャスティス!」

ジャスティスて瀬戸○司かよ!


さてと話を戻そう

「今回2日間の売り上げがこれだ!」


ドンっとお金の詰まった麻ぶくろを置く。


「うわ、ちょっと引くレベルで儲かりましたね」

ヘカトンは中の金貨の枚数に素直に驚いている。


宿屋の親父に渡した手数料、材料費を抜いた金額72600アデル。7人で割っても1人1万アデル以上だ。

2日の労働で1人100万円と考えると破格だろう。みんなに端数まで配っていく。


しかし、このままトランプを作っていると今後の冒険に支障が出てきてしまう。

そこですでに手をうってあるのだ。


全部作り方や版画を宿屋の親父に売り、一個売れると4アデルをもらう仕組みだ。

ジャグラさんと同じやね。3年間で後は親父が総取りになると言うとノータイムで頷いた。


明日から、トランプ作成から解放されると考えるといい気分だ。

親父も手の器用なドワーフを雇うみたいで量産するつもりらしい。

まあうちらの宿代の足しくらいにはなるだろう。


それにまもなく、スカウトを紹介してくれるとのこと。こっちの方が重要だ。

宿屋の親父がトランプを売る際に客に聞いてくれたらしい。


スカウトとは主に斥候や偵察をする職業の人だ。

ドラ○エとかだと盗賊にあたる職業やね。

でも、よく考えると盗賊って別に罠に詳しいわけでも、義賊でもないんだよねぇ。こっちの世界では人をさらう、物を奪う、殺すの最悪人種だ。

向こうの世界のヤクザよりタチが悪い。後ろからいきなりブスリと殺しにくるのだ。なんのためらいもなくね。




ミドーリンは、早速今配ったお金でお酒を大量発注している。


大量の金をテーブルに乗せて肉を食い、酒を飲む。

周りではトランプに興じるドワーフ達の笑い声が聞こえてくるのは、なんか楽しい気分になる。


新人が合流するまでは自由行動に、俺は新人用に軽量新型クロスボウを作成する予定だ。

などと考え事をしていると

話題はミドーリンの怖いものって話になっていた。


「なによぅ、私にだって怖いものあるわよ〜」


「ミドーリンが怖いもの?ないべ?」


「オバケとか怖いわよ……」


一同「え?」

ニャンコーず「え?」


ニャンコ達も口にくわえていた魚を落とすのだった。


次回へ続く。


追伸、この世界には印刷というものが無かったようだ。既存の本は筆写師という方が手書きで写す。

そこに版画の技術を持ち込んでしまったのだ。

このあと宿屋の親父が版画の技術で印刷革命を起こす。本を大量生産して大成功するのだが、それはまた別の話である。


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