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異世界でクロスボウ無双する話(仮)  作者: えんえん
2章
32/43

無限収納

さて、時をさかのぼること数日前。実は、水の都イースヨンを出る前に実験を行っていたのだ。

無限収納のスキルである。

実際発動するとわかるのだが、半径1mくらいの円形が空間に開くのだ。

実験の結果は


・自分も出入りができるが、入ってる状態で閉めれない。

・中に入れた食べ物などは通常と同じように腐敗する。

・生き物は昆虫は入れた状態で閉めるが、小動物は閉めれない。

・中は薄暗いが見えないほど暗くは無い。

・開ける時にだけMPを微消費する。

・空間内は広すぎてわからないくらい広い。(迷ったら出れない?)


一応こんなところか。


日が落ちたのでキャンプの準備をする。

食事も終わり暇な時間ができたので、無限収納を展開して亜空間内に入り作業をする。

イチゴジャムを瓶に詰め終わり、ピーナツバターを瓶に詰め始めてる時に背後から

「ぴちゃ、ぴちゃ……」

「ぴちゃ、ぴちゃ…………」


不気味な音がする。


後ろを振り向くとそこには!


妖怪ミドーリンが、幸せそうにイチゴジャムを舐めていた………


「うるぁあ!勝手に舐めるんじゃない!」


「いいじゃない、別に〜それよりこれ、美味しいわね〜」


閉まって出れなくなるかもしれないので、みんなに入らないように言っておいたのに…

閉鎖空間内は神人(シンジン)が出るかもしれないだろ。


「ところで何作ってるの?」


「色々なーソースだよ」


こっちの世界は味が少なすぎる。せっかく色々材料あるのに塩味、砂糖味がほとんどなのだ。

ピーナツバター、イチゴジャム、マスタードソース、マヨネーズ、ケチャップ、ウスターソースこれらを作って瓶に詰めている途中で乱入された。


「それはパンに塗って食べるイチゴジャムなんだよ。舐めるんじゃないの」


ミドーリンはごそごそとポケットからパンを出すと、指で塗って食べ始めた。


「ほんほだ、おおしいわー」


ねえねえと、イチゴジャムをいっぱい抱えてみんなに持っていってしまう。

ある意味妖怪より怖いよ。全く。


出来上がったピーナツバターを持ってみんなの元に戻ると、既に試食大会が始まっていたのだった。


クロスケなんかはイチゴジャムの瓶に頭ごと突っ込んで抜けなくなってるし……


「ふにゃにゃにゃ〜」


ギュポンと瓶から引っ張りだしてあげると顔じゅうにイチゴジャムまみれ……

「むはー!我が生涯に一片の悔い無しにゃ!」


いやいや、ジャム如きで死ななくていいから



ミッフィはどんぐりの殻にイチゴジャム詰めてミッフィハウスに持って帰ろうとしてるし。


まあ大量に作ってるからいいけどね。


「他のソースは出来たら持ってくるから」


誰も聞いてない……

ピーナツバターも好評でしたとさ。




2日後、新しい町に到着した。


「ここはカルネの町なのですです」


「ありがと」


「どういたしましてなのですです」


イノシシ風の女性が教えてくれたが、なんか変なしゃべり方だったな。

気にしないで先に進むと、なんか街の様子がへんな感じがする。


「おい、モンスターが地上に出たって?」

「ああ、俺も見たぞ」


どうしたんですかと声をかけてみると、普通は地上に出てこないモンスターがあちこちから出てきてるらしい。

しかもどうやら1匹や2匹ではないようなのだ。


「どうしたんだろうね」

不安そうにミニーマムが聞いてくるが、誰も答えれない。


今まで何百年も地下から出てこなかったモンスターが地上に出てきているのだ。昔からある町や都市は城壁があることが多いが、新興の村などは動物用の柵くらいしかない。

一時的なものならいいのだが。


「助けてくれ〜!骸骨がいっぱい押し寄せてきたぞ〜!」

「うわぁ〜!」


北門の辺りで騒ぎが起きている。

みんなは頷くと北門に向かうのだった。


次回へ続く。


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