↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
88/116

貴女様たちが幸せでいてくださるならば

 朝食を終えた我々は自由時間を謳歌しております。とはいえ、特にすることはございませんがね。


 ミーアさんはマグさんとナルさんに言い寄って、あっさり振られてしまったので外へと出かけてしまわれました。

 おそらく、またナンパにでも行くのでしょう。ミーアさんの場合は女の子とデートするというよりも、女の子を喜ばせることが目的のようでございます。


 やはりマグナト店員向けの性格をしていますね、彼女。


 一方、私とマグさんたちは部屋でゆっくりしておりました。

 毎日依頼を受けるのは危険です。最善の仕事を成す為には、適度な休みが不可欠でございます。ですから、今日は休みなのですよ。


 その休みを、我々は本当に休みに使用しております。


 和室でダラリと時が過ぎていくことを楽しんでおります。現代日本ではあまり体験のできない時間でございますね。


 クッションに座り、ぼうっとします。両脇にはマグさんとナルさんがいます。

 マグさんは私の肩を枕にして眠り、ナルさんは私の肩に頬を擦り付けていました。


 先程、ナルさんが興奮のあまり擦り付けの威力を上げ、我が肩を脱臼へ導いたということを除けば、実に静やかな時が流れておりますね。


 今はナルさんにはグーを飲んで貰っています。これで少しは不運がマシになることでございましょう。


「ナルさん。明日は何をしたいですか?」

「依頼を受けるんだろう? 店を建てる為に」

「それはそうでございますが。ナルさんは何かしたいことはないのですか?」

「ある。けれども、それはもう叶いつつある。妾はそなたらと共にいられれば、それで満足だ」


 可愛らしいことを仰った後に、ナルさんは顔を真っ赤に染めてしまいました。恥ずかしさからか、瞳を閉じてしまいました。


 肩へと頭を置いて、そのまま動かなくなりました。眠ろうとしているのでしょうか。

 ならば、それでも良いでしょう。


 私も、私を包む優しさに身を任せて、微睡みの海の中へと潜っていきました。



「来たか」

「おはようございます、神様」


 夢の中の世界で、私は再び神様と出会っていました。


「で、どうするつもりじゃ。戦うのか、戦わないのか」

「戦いたくはありません。しかし、戦わざるを得ませんね。戦えば、危険が生まれます。しかし、戦わなければ襲われた時、どうしようもなくなってしまいます」


 そう、向こうの神様はこの世界を滅ぼそうとしているらしいのです。ということは、ですよ。

 いつか、あちらの方から攻撃を開始されてしまうかもしれません。


 もしも、戦わないつもりで何も用意していなければ、襲われた時一たまりもございません。


 それだけはいけません。


 私は全員に幸せになって頂きたいのです。できれば、誰にも死んで欲しくはありません。それが無理だと言うのならば、一人でも多く生き残って欲しいのです。


「戦うつもりはありません。けれども、応戦する覚悟はそろそろ必要になるでしょうね」

「ああ、それで良い。情報をやる。もう一柱の神はとある王国で王をやっている」

「人の世界に紛れてらっしゃるので?」

「そうじゃ。儂も、管理下の世界ではそうしておる」


 ほうほう、神様は人の生活に紛れてらっしゃるのですか。


「青方君次よ。お前のお祖母様の話はもう少し後に語ろう。とにかく、お前はお前の欲望を満たし、力を付けるんじゃ」

「そうですか。わかりました」

「どうか、もう一柱の神を救ってやってくれ」


 神様の言葉を耳にしてから、私はすぐに神様の空間から帰ってきました。

 それはつまり、起床したということでございます。


 まだお二人は眠っております。


「貴女様たちが幸せでいてくださるならば」


 できる限り優しく、傷付けないように、私は彼女たちの頭を撫でました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。