ギルドという施設がある街だ
翌日、私たちは魔界族さんの村を後にすることにしました。沢山の方々に見送られ、私としては満足ですね。
ちなみに、養殖の件ですが、私の『創造せよ、至高の晩餐』に頼りきりではいつか限りが出ます。それ故、彼らなりに努力するように忠告させて頂きました。
養殖のメインを『創造せよ、至高の晩餐』に頼っていては、無意味ですからね。
それならば、さっさと現物を渡した方が早いですから。
「おい、君次。次はどこに行くんだ?」
ナルさんが問うてきます。彼女は最近お洒落に目覚めたのか、櫛で髪を梳かしながらのお言葉でございました。
出会った当初はぼさぼさだった髪も、手入れがされることにより潤いを取り戻してきております。
彼女の無気力や諦観癖もかなり鳴りを潜めてきましたね。素晴らしい兆候でございます。
「そうでございますね。できれば」
私はマグさんへと視線を移します。そこには可愛らしい猫耳さんがいらっしゃいます。
魔界族。
メルセルカに差別されている種族であり、メルセルカを差別している種族でございます。
ですから、できれば両者の仲がよろしい場所がよろしいですね。でなければ、マグさんを店員にできませんし。
私が店長できませんし。
まあ、最悪、私は店長でなくてもよろしいですしね。
「ああ。なら、良い場所があるぞ」
「では、そこで!」
「話は聞かなくて良いのか?」
「私はナルさんを信用していますし、まあ、話を聞いたところでわかりませんからね」
そう告げて、私は行き先を尋ねます。
どうせ、道はナルさんの魔法で一瞬ですからね。
「ギルド都市ラピーセル。ギルドという施設がある街だぞ」
なるほど。
次の行き先が決定致しましたね。
しかし、ギルドですか。楽しみです。一体、どのような場所なのでしょうか。
全ての人を幸せにすることは困難でも、少しくらいの人は幸せにはできます。
私たちとマグナトがどのくらいできるかは不明ですけれども、まあマグナトですからね。きっと全てをお救いになられるでしょう。
私たちは揃って歩き出しました。
繋ぎ回なのでかなりかなり短いです。申し訳ありません!




