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教授とシャンバラの時計  作者: L→R
恋する太陽と月
14/40

恋する太陽と月 4

 瞼が突然開いた。

 辺りは薄暗闇に染まり、見慣れない天井が見えた。

 驚いて起き上がり、辺りを見回す。

 ベルトワーズ伯爵邸の、自分に宛がわれた部屋だ。

 エインが部屋を出てからベッドに倒れ込み、いつの間にか、寝てしまっていたようだ。

 時計がないので時間が解らないが、外はまだ若干の明るさを保っている事から、それほど夜も更けていないようだ。

 ヴィヴィアンはベッドから折り、部屋のオイルランプを点けた。ドレッサーを覗き込み、自分の顔を見る。

 不意に、夕食の時を思い出し、ヴィヴィアンは鏡から勢い良く身を離した。

 自身でも信じ難い。

 あれほどまでに、動揺した事がなかった。

 思い出すと、恥ずかしくなった。顔が火照ってしまったので、ヴィヴィアンは窓に歩み寄り、カーテンを思い切り開けた。すると、ドアがノックされた。

 ヴィヴィアンは深呼吸をして、「はい」と答えた。

「アンです。」

 そう言って、アンがドアを開けた。

「教授は、こちらにはいらっしゃらないのね。やっぱり『図書館』かしら…。」

 何か事情を知っているかと訊ねるアンの視線に、ヴィヴィアンは首を傾げて答えた。

 すると、「まあ、いいですわ。」と言って、アンがにこりと笑った。

「ヴィヴィ。私の部屋にいらっしゃいません事?

 お話しましょう。」

 言われて、夕食の時の感情が溢れた。

 しかし、ヴィヴィアンはそれを胸元でぐっと押さえ込むと、アンに解らない様に肩に力を入れ、頷いた。

「はい。」

「よかった。参りましょ。」

 「さあ。」と言ってドアを開け放ち、アンは東側のシャトーにある自室へと歩いて行った。

 ヴィヴィアンも後に続く。隣のエインの部屋を過ぎ、さらに部屋を三つほど過ぎた先の廊下は行き止まりになっていて、他の部屋とは違う、両開きの大きな扉があった。

 脇にはメイドが一人立っていて、アンの姿を確認するなり、扉を静かに開けた。

「お入りになって。」

 アンに促され、ヴィヴィアンはアンの部屋に入った。

 八角形の部屋は北、東、南の方向に大きな窓があり、西側の壁には、今潜った扉ともう一つ、両開きの扉が並んでいる。

 「そちらは衣装部屋ですのよ。」と、アンが言った。

「お好きな椅子にお座りになって。

 お茶をお淹れしますわ。」

 扉の前で部屋を見回すヴィヴィアンに、アンはそう言って、部屋の中央にあるソファセットを指差した。そして、くるりと回って窓の脇に置かれたティーポットから、湯気の立つ紅茶をカップに注ぎ出した。

 言われたとおりに、ヴィヴィアンがソファに腰を下ろすと、アンがその前にティーソーサーを置く。そして、自身の前にも置き、ヴィヴィアンの向かいのソファにどさりと座った。

「ご迷惑じゃありませんでした?」

「え?」

 突然の問いに、ヴィヴィアンが一瞬驚く。

「ヴィヴィは表情があまり変わりませんもの。

 お呼びした事、怒ってませんの?」

「いえ。全く。」

 ヴィヴィアンが短く答えると、アンはぱっと笑顔を作って、深く頷いた。

「良かったですわ。

 私、このような体ですから、外出も満足に出来ません。ボルドーの街まで行ったのも、もう何年前になるか…。

 お勉強も、家庭教師にお願いしていましたし、ご覧の通り屋敷の周りに家はありません。

 小さな頃は、それでも屋敷の従者の子供が時折出入りして相手をしてくれましたけど、みな結婚したり戦争で亡くなったり…。

 今は、話し相手がみな私より年上で、毎日顔を合わせる者ばかりですのよ。

 不満という事ではありませんけど、知らない方とお話しするのは、これからの人生、あと何度ある事か。」

 妙な罪悪感を抱くのは、この身の上が理由なのではないかと、ヴィヴィアンはほのかに思った。対面にいる自分やエインは、好きなときに好きな事をし、好きな場所へ行ける自由さがある。位置関係と同じように、真正面で対照的なのだ。

 同情する訳ではないが、言葉にすれば、同情になってしまう。

「胸の病と、お聞きしました。」

「ええ。

 生まれつき。赤ん坊の頃は、二十歳まで生きられるかどうかと言われたそうですわ。

 でも、何の奇跡か、余分に生きておりますのよ。

 そのお蔭で教授にもお会い出来ましたけど。

 私と教授のお話はお聞きになりまして?」

「はい。」

 ヴィヴィアンは、膝の上で重ねている両手を握り締めた。

「教授はお受けして下さいませんけど、父は教授と初めてお会いした日に、私にこう言いましたの。

 『アン、彼との婚姻は、決まりごとなんだよ。』って。」

 また、決まり、だ。

「…決まり、ですか。」

「ええ。

 何が何やら解りませんわね。決まりと言われてしまうと、『運命』と解釈いたしますけど。

 どちらにしても、教授はお受けして下さいませんけれど。」

 そう言って、アンが愉快そうに笑った。

「決まりは、守られなければならないと思っていますわ、私。」

 この言葉に、ヴィヴィアンはどきりとした。

 笑顔は実に純粋で、美しいのに、言葉の端々に棘があるように思う。

 それが純真さから来る、何にも包まれていない感情を含むからなのか、意図してのものなのかまでは、ヴィヴィアンには解らない。

 どうにも答えようがなくヴィヴィアンが黙っていると、アンはぱっと話題を変え、次々に色々なものを取り出しては、見せたり語ってくれたりした。ヴィヴィアンは生い立ちなどを聞かれた。

「生まれてすぐに両親が亡くなりましたので、孤児院に引き取られて育ちました。」

 そう説明するなり、アンは困惑した表情を浮かべ、話題を切り替えてくれたので、それ以上聞かれずに済んだ。

 その後も取り留めのない話は続き、意外なほどあっという間に、時間は過ぎた。

 そして話は、クリーブスが扉をノックしたのを合図に、終わった。

「お嬢様、そろそろお休みになりませんと。」

「まあ、もうそんな時間ですの?

 残念ですわ、ヴィヴィ。」

 アンが立ち上がって、ヴィヴィアンの隣に座り、手を握ってきた。

「ゆっくりお休みにならなければ。

 明日またお話出来ます。」

 ヴィヴィアンが言うと、アンはにこりと笑って「そうですわね」と言い、クリーブスを見た。

「ヴィヴィをお部屋にお送りしてね。」

「承知致しました。」

 クリーブスが頭を下げ、ヴィヴィアンが立ち上がった。

「では、ヴィヴィ、また明日。」

「おやすみなさいませ。」

 廊下に出て振り返り、アンに挨拶をすると、クリーブスについて部屋へと戻る。

「教授はずっとお部屋でしょうか?

 先程お声をおかけしたのですが、お出にならなかったものですから。

 てっきりお嬢様のお部屋にいらっしゃるのかと。」

「部屋で読書をする、と先程は…。」

 確か夕食の時、そんな事を言っていた。

「左様でございますか。

 きっとお疲れで、すでにお休みなのでしょうね。」

 会話を終えた頃、ヴィヴィアンの部屋の目の前で、クリーブスが何やら思いついたようで、「そうでした」と言いながらヴィヴィアンを振り返った。

「まだ、お風呂を使われておりませんね?」

 そういえば、風呂の事など忘れていた。

「はい。」

「ご案内しましょう。」

 そう言って、クリーブスが階段へと向かった。

 浴場は屋敷の一階の、大広間と反対端にあった。正面からでは見えなかったし、裏手の『図書館』のシャトーへ周った際も意識して見なかったので気付かなかったが、屋敷の東端から一本、北へ向かって細い通路があり、その先に浴場がある。

 浴場に着くと、二人のメイドが立っており、ヴィヴィアンを見て一礼をした。

「ご自由にお使いください。

 今お召しになっているドレスはクリーニングも出来ます。ご所望であれば、そこのメイドにお申し付けください。」

「有難うございます。」

 自分もメイドなのだがと内心思いつつ、ヴィヴィアンはクリーブスに例を言って、浴場へ入った。

 中は広々としているが、いっぱいに湯気が立ち込め、ほんのり薔薇の香りがした。

 フランスは洗顔や入浴をしないと聞いていたが、郊外の大きな屋敷には浴場を備え付けているところも多く、特にスコットランドやイギリスの影響を大きく受けたボルドー周辺では、風呂を好む者も多いと風の噂で聞いていた。

 期待していたが、その通りの風呂で、ヴィヴィアンは無表情ながら満足だった。

 ドレスを脱ぎ、裏表に返しながら汚れ具合を見る。雨の中でも着ていたせいか、裾が大分汚れていたので、クリーニングを頼む事にした。

 扉越しに、外のメイドに声をかけると、ドレスはそのままそこへ置き、代わりに入り口脇に掛かっている白い部屋着を着るよう言われた。朝には、ヴィヴィアンのドレスは乾いているので、部屋まで持ってきてくれるそうだ。

「わかりました。」

 と返事をして、ヴィヴィアンはドレスを丁寧に畳んで床に置き、もう一枚の扉で仕切られた風呂場へと入った。

 風呂場の中は、薔薇の香りが少し強めに香っていた。

 嫌いではないが、少し強いと感じる。

 浴槽の脇には垢すりの布と、水受けがあり、さらに美しい丸い形の白い固形物があった。ヴィヴィアンは固形物を手に取り眺めた。どうやら、石鹸のようだ。少し水をつけてこすると、泡立った。

 ヴィヴィアンは垢すりの布を一度綺麗に濯ぎ、石鹸を擦って泡をこんもりと立て、体を擦り始めた。

 一通り体を擦り、一度湯で流すと、妙に体が軽くなったような気分になった。

 もう一度湯を体にかけ、浴槽へ足を入れる。

 むんと薔薇の香りが立ち、少し咽た。

 湯は丁度いい温度で、ヴィヴィアンはゆっくりと湯に体を沈めた。

 ここまできちんと風呂に入れるとは思わなかったので、思わず溜め息が漏れる。

 湯気に覆われた天井を見上げ、もう一つ溜め息を吐く。

 そして、アンとエインの言葉を反芻する。

 『決まり』。

 決まりとはなんだ?

 エインはこれから逃れたいという。

 自分にも、この決まりが何かあるのだろうか。

 そう思い、過去を何度も思い出す。

 本当に長い事、戦ってきた気がする。

 ここで終わりにしたい。

 終わりにする『決まり』事があるなら、手に入れたい。

 ヴィヴィアンは、湯を片手で掬った。さらさらと流れ落ちる湯は、今まで過ごして来た膨大な量の時間のように思えた。

 沢山の時間が流れてしまった。

 この時間が、無駄にならなければいい…。


◆ ◆


 あの湖は、どこの湖だっただろうか…。

 もう何度も何度も見てきた場所なのに、いつ、何を理由にして訪れた場所なのか、思い出せない。

 エインは床に座り込んで、手にしている書物の最後のページを捲って、溜め息を吐いた。

「…あれは…どこだっただろう…。」

 大事な事なのに、思い出せない。

 否、”元々記憶にないから”かも知れない。

 西の森だと言う強い記憶は残っているが、見た限り、あの森は少し小さい気がした。

 夕食の最中、様子のおかしくなったヴィヴィアンを部屋に送った後、自身も食事などする気にならず、そのまま『図書館』へ来てしまった。

 エインにとって書物に囲まれ、静かに文字の世界に沈み込んで仕舞う事は、現実から逃れる唯一の方法だったし、同時に現実を思い知らされる方法でもあったが、総じて居心地の良さを感じる場所である事は明確な事でもあった。

 しかし、その居心地のよい場所を与えてくれた恩人であるベルトワーズは、一体何を思ってあのようなメモを遺したのだろう。

 尻のポケットから、遺書とともに納められていたメモを取り出す。

 そして、反対の尻のポケットからも、同じサイズのメモを取り出す。こちらには、遺書のメモのフランス原文が書かれている。

 謎を解かなければ、スコットランドに帰れない。

 『決まり』から、逃れられない。

 逃れられなければ、また繰り返さなければならない。

 また、失わなければならない…。

「前は、どこだったっけ…。」

 本を閉じて、傍らに投げ置きながら、エインは本棚にぐったりと凭れ掛かって、天井を仰いだ。

 目を閉じると、体がふわりと軽くなった。

 疲れている。

 早く、終わりにしたい…。


◆ ◆


 ふと目が醒めた。

 ぼんやりする頭を振り、辺りを見回す。『図書館』の中だ。

 どうやら眠ってしまったようだ。

 懐中時計を取り出し、時間を確認すると、九時を指していた。

 九時…。眠ってから、数時間というところか。

 そこまで眠り込んでいた訳ではなさそうだ。

 「よいしょ」と声を出して立ち上がり、尻の埃を落とすと、外気を吸おうと外へ出ることにした。

 が、『図書館』の扉を開けて驚いた。

 燦燦と太陽の陽が注いでいる。

 眠り込んでいないなど、とんでもない事だった。すっかり一眠りしてしまったのではないか。

「…。」

 呆然としながらも溜め息を吐くと、屋敷の陰からヴィヴィアンがやって来た。

 ヴィヴィアンは、エインの姿を見るなり、少し目を見開き、すぐに何もなかったかのような無表情に戻って歩み寄って来た。

「おはようございます。」

「おはよう。」

「お早いですね。」

「うん。」

 そう言って、エインは腰に手を当て、仁王立ちになり、

「夜通しここにいた。」

 と言った。

「…クリーブスさんが、心配しておりました。

 部屋に声をかけても、お返事がない、と。」

「そうか、あとで謝っておこう。

 食事は済んだかい?」

「はい。お戻りになりますか?」

 大広間は片付けてしまったが、戻れば何かしら用意はしてくれるだろう。

 しかし、エインは首を振った。

「ううん、ボクは食事は要らない。

 じゃあ、続けようか。」

「はい。」

 ヴィヴィアンを連れて、『図書館』へ戻る。

「ヴィヴィは、昨日の本棚がまだ終わってなかったね。」

「はい。続きからやります。本も出しっぱなしですから…。」

 昨日、ヴィヴィアンが調べていた本棚の床には、綺麗に積まれた書物の山が出来ていた。それも、積んだまま戻せば、元あったように並ぶように積まれている。

 本棚を見ると、半分ほど、空いていた。

「あと半分か。今日で、この棚は終わるという事だね。」

「そのつもりです。」

 ヴィヴィアンの返事に、エインは頷いて、「じゃあ」と言って立ち去った。

 ヴィヴィアンは目印となる次の書物を抜き、今床にある書物を棚へ戻す作業を始めた。分厚い書物が多いため、四冊ほどを持って脚立を登り、右端から順に戻す。

 何往復かその動作を繰り返し、一頻り戻し終わったら、再び抜き取った書物を手に脚立に座り、ページを捲る。

 黙々と書物を取り替えてはページを捲ってゆく。

 その間、一度クリーブスが様子を見にやって来た。

 昼食の時間が近付いた事を伝えるためだったが、エインはそこで軽食を運んでくれるよう頼んだ。

「何か、手軽に食べられるものがいいです。」

「畏まりました。何か、ご用意いたしましょう。」

「お願いします。」

 クリーブスは快く引き受けて、屋敷へ戻って行った。

 何も聞かれなかったが、ヴィヴィアンにとっても都合は良かった。

 昨日の動揺は今朝も若干あり、出来れば篭って作業をしていたかった。

 礼を言おうか迷ったが、何も言わずエインが書物に視線を戻したので、ヴィヴィアンも何も言わず作業を続けた。

 やがて、クリーブスが大きなバスケットを持ってやって来た。

「夕方頃、取りに伺います。」

「お手数をおかけします。」

 短くやり取りをした後、クリーブスはバスケットをエインに渡し、去って行った。余計な気遣いなどをしないクリーブスも、ヴィヴィアンには有り難い人間だ。

「お腹空いたかい?」

 クリーブスを見送っていたヴィヴィアンに、エインが訊ねた。

「いえ、まだ…。」

「じゃあ、もう少ししてからにしよう。」

 言いながら、エインは床に積んだ書物を棚へ片付け始めた。

 どうやら、本棚一つ終わったようだ。手早く本を仕舞い終え、ヴィヴィアンの隣の本棚の書物を取り出した。そして床に座り、楽しそうにページを捲る。

 素直に書物の内容に目を通すならば、ヴィヴィアンが一ページ捲る間に、エインは四ページ捲っていた。読み進める速度が速い上、内容の把握もしているようだった。

 脚立の上からその様子を眺めながら、ヴィヴィアンは改めて、エインの本好きを悟る。


◆ ◆


 三冊読み進めたところで、空腹に気付いたヴィヴィアンは、同時にエインのページを捲る音が聞こえない事に気付いた。

 ちらりと横目で見ると、エインは本棚に凭れ掛かり、眠っていた。

 脚立を降り、しゃがんでエインの寝顔を見て、ヴィヴィアンは呆れた。が、夜通し『図書館』にいたと聞いたので、徹夜で読書をしたのだろうと思い込み、仕方がないとも思えた。

 『図書館』の中は陽が入らない分、少しひんやりとしている。その上、床に座っていれば冷えもするかも知れない。きょろきょろと見回すと、クリーブスが持って来たバスケットの上に、ひざ掛けが置いてあった。

 クリーブスの気遣いだろう。

 ヴィヴィアンは足音を殺してバスケットに近付き、ひざ掛けを取ると、そっとエインにかけた。

 そして、改めて寝顔を見る。

 眼鏡を外し、手はその眼鏡を持ったまま床にだらりと落ちている。少し傾いた体勢が、眠りの深さを表しているようだった。

 ふ、と笑いが毀れた。

 なんと無防備な寝顔をするのだろう。

 ヴィヴィアンは小さく溜め息を吐いて、脚立の上へ戻った。座って本を開くと、エインがごそごそと動いたので、ヴィヴィアンはさっさと無表情に戻った。

 起きたエインはひざ掛けに気付き、ヴィヴィアンを目だけで見上げて、笑った。

 ヴィヴィアンは、知らぬ顔をしている。

 エインが傾いていた体勢を戻すと、そこでヴィヴィアンが、

「風邪をひきますよ。」

 と言った。声もぶっきら棒で、素っ気無い。

 照れ隠しなのか、その様子がおかしくて、エインはくすくす笑いながら答えた。

「有難う。」

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